主虹・副虹・月虹
虹は、大気中の水滴が太陽の光を屈折して生じる現象である。
太陽の光は、もともと波長の違う光の集まりだが、その波長の違いによって水滴の中で屈折される角度が少しずつ異なるために、七彩の光の帯に見える。
ふつう虹といえば、内側が青で外側が赤い「主虹」を指すが、まれに「主虹」に加えて「副虹」も見ることができる。
「副虹」は「主虹」と反対に、内側が赤く外側が青く見え、しかもやや暗い。
これは、水滴内で2回屈折した光を見ているからである。
この波長による屈折角は決まっているので、太陽が地平線に近く、低いところにあればあるほど大きな虹が見える。
夕立ちの後に大きな虹が見られるのは、このためである。

さて、「虹は昼間にしか見えないのか?」というとそうではない。
月の光によって見える虹を「月虹」と呼ぶが、その名の通り、月光を受けて暗闇に浮かび上がる様子は、とても幻想的らしい(残念なことに、様々な条件がそろい、なおかつ非常に幸運でないと見られない)。
なお、青空や夕焼け、朝焼けなども、波長の違う光が空気分子によって散乱・吸収されて起こる現象である。