コリオリとは

平面上でのコリオリ力を円盤を使って考えてみましょう
静止している円盤回転している円盤
静止している円盤上で、中心からA点に向かってボールを投げた場合、 中心からA点にまっすぐ投げることができます。

次に、上から見て左回りに一定の速さで回転させながら中心からA点へ向かってボールを投げようとします。 そうするとA点はA'点まで移動してしまうので、 「円盤上のA点にいてボールを受けようとしていた人」から見ると、 ボールは近づくにつれ、左のほうにそれていってしまうように感じます。 (円盤の外からボールを見ている人にはボールの軌跡はまっすぐです。)
円盤の上にいる人がこの現象を考えるとき、 円盤の回転によって何らかの力が働いていると考えるほうが理解しやすいということで、 仮想された力がコリオリ力(転向力)です。

北半球は北極から見ると左回りに自転しているので コリオリ力は物体の進行方向に垂直右向きに作用します。 (南半球は南極から見ると右周りに自転しているので コリオリ力は物体の進行方向に垂直左向きに作用します。)
このことにより、日本では排水溝の水が右回りになっていると考えられたり、 北半球と南半球とは(コリオリ力の向きが反対なので)排水溝の水の流れも逆になると考えられたりしました。


しかし、 (地球上で運動するすべての物体にはコリオリ力が作用していますが、) ほとんどの運動にはコリオリ力より非常に大きな力が働いているので、コリオリ力はあまり目立ちません。 地球規模の大きな運動にはコリオリ力は大きく関係してきますが、 家庭にあるものの中でコリオリ力が影響してくることはないといえます。


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