黄道第4星座。巨蟹宮
設定者はプトレマイオス。
この星座が高く上るのは3月下旬であり、春の訪れを告げる星座である。
既にバビロニア時代に知られており、星座としての歴史は非常に古い。
2000年前には夏至点がここにあった。
黄道第4星座だが、特に明るい星はなく、目立たない。
神話では、英雄ヘルクレスのヒドラ(うみへび座)退治の際に沼の中から這い出し、
ヒドラに加勢したものの、あっさり踏み潰されてしまった化け蟹の姿であるという。
中国の二十八宿では「鬼」があり、プレセペ星団のその青白い様子から、
積尸気(せきしき)といい、尸は屍(かばね)、死体の意味であり、
つまり死体を積み重ねたところから出る鬼火の燐光を指す。
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主な恒星
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符号
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名前
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意味
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等級
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距離
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α
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アクベンス
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つめ
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4.3
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β
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アルタルフ
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足の先
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3.5
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γ
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アセルス・ ボレアリス
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北の小さなロバ
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4.7
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δ
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アセルス・ アウストラリス
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南の小さなロバ
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4.0
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星雲・星団・その他
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M44 (NGC2632):プレセペ星団
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散開星団。光度3.7等。赤経08h40.1m、赤緯+19°59′。
元は雲のようなものと考えられていたが、
ガリレオ・ガリレイ(1564〜1642)が自作の望遠鏡で観測し、
それが単体ではなく、星の集団であることを確認した(1610)。
双眼鏡でも星の集団あることが分かる。
プレセペとは「飼葉桶(かいばおけ)」の意味で、γ星とδ星の2頭のロバが、
飼葉を食べているように見えることからそう名付けられた。
実際、γ星にはアセルス・ボレアリス(北の小さなロバ)、
δ星にはアセルス・アウストラリス(南の小さなロバ)という固有名が付いている。
また、蜂が集まるように見えることから、英名ではビーハイブ(蜜蜂の巣)という。
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M67 (NGC2682)
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散開星団。光度6.1等。赤経8h50.5m、赤緯+11°49′。
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