道具としてのコンピュータ

 パソコンという魔法の箱を用いることによって, 大量のデータの高速数値計算や画像処理, そして世界中とのネットワーキングなど, 従来は想像もつかなかったようなことが容易にできる世の中になった (ワープロ,ゲーム,CG,MIDI,ネットワーク…).

前説【ママさんのパソコン入門−改−】

インタビュアーのママさん 「この数年、スーファミとかワープロとかパソコンとか、 いわゆる情報機器が家庭にも入ってきました。 中学校ではパソコン授業も始まっているそうです。 そこでここでは、パソコンおじさんにQ&Aしてみましょう」

■ハードとソフト
ママさん「まず、すぐハードとかソフトとかっていいますが、これ何ですか」
おじさん「たとえばビデオを観ようと思ったら、VTRプレイヤーとビデオテープと両方とも要りまんな」
ママさん「はい」
おじさん「パソコンの場合は、VTRプレイヤーに相当する機器をひとまとめにしてハードといいまんねん」 「もっとも、VTRだって、本体以外に、TVとかビデオカメラとか、 いろいろアクセサリーがあるやろ。 同じように、パソコンのハードにも、CPUを積んだ本体以外に、 モニタ(TVとはちょっと違うで)とかハードディスクとかプリンタとか、 いろんな周辺装置があるんや。」
ママさん「いまのCなんとかってのは?」
おじさん「CPUってのは、中央処理装置を意味する英語の頭文字で、まあパソコンの頭脳やな。 このCPUの違いによってパソコンの性能が決まるんや。 数年前までは16ビット機ちゅうのが主流やったが、もう32ビット機の時代やな」 「ゲーム機にいたっては64ビット機まで出てまんがな。」
ママさん「そうすると、ビデオテープやCD−ROMに相当するものがソフトですね」
おじさん「そや。ビデオソフトと同じように、パソコンソフトもいろんなのがある。 いや、実際、『パソコン…ソフトなければ、ただの箱』、ちゅう言葉もあるくらいでね。」
ママさん「ハ!?」
おじさん「スーファミだって、プレステだって、カセットやCD−ROMがなければ、ゲームでけへん。 それと同じで、パソコンもソフトがなければ、 (いくらハードの性能がよくても)何の役にもたたんわけや。 そのかわり、ソフト次第では、ただの箱がたちどころに<魔法の箱>に変わるんや。」 「もっとも、TVゲームのクソゲーと同じで、クソソフトもあるから注意せにゃアカンがね」

■パソコンで何ができるのか
ママさん「じゃあ、そのソフトとやらで、具体的には、どんなことができるのでしょうか」
おじさん「将来的には何でもできるやろが、とりあえず、現在できることは、数値計算、 ワープロ、画像処理、コンピュータミュージック、ゲーム、そしてネットワークあたりかな」
ママさん「数値計算っていうと、あの…」
おじさん「そや、あの頭の痛うなる計算や。けど、家計簿ソフトを使えば、毎日の家計簿もバッチリやで。」
ママさん「パソコンのワープロは、普通のワープロと違うのですか」
おじさん「普通のワープロはワープロ以外のことはでけへん(単能)。 パソコンの場合は、いろいろできる中でワープロもできるんや(汎用)。 こりゃ月とスッポンの違いがあるで」
ママさん「画像処理というのは?」
おじさん「画像処理ソフトっていうと、ものすごそうな感じやが、ようするに、お絵描きソフトや。 パソコンの画面をキャンバスにみたてて、絵を描くんや。 CG(コンピュータグラフィックス)ともいうな。」 「最近はデジカメ(デジタルカメラ)も流行りで、 デジカメやスキャナーで取り込んだ画像をパソコンのフォトレタッチソフトでいじって、年賀状なんかに張り込んでるなぁ。」 「小学生でもやってるでぇ。」 「DTPなんていう出版作業もできるがな。」
ママさん「音楽とも関係するんですか」
おじさん「イエース。たとえば、パソコン上で譜面をつくったり、 さらにそうやって作曲した音楽をラジカセや電子ピアノで聴くこともできる。 逆に、パソコンと接続した電子ピアノで演奏した曲を、 電子信号としてパソコンに取り込むこともできる。 MIDIとかなんとか、ゆうてるわ。面白そうやろ?」
ママさん「すごいですね!」
おじさん「もともとコンピュータってのは計算するためにできたもんやから、 計算が得意なのは当り前やけど、最近では、計算よりもむしろ、 大量の情報の高速処理や、通信機能に目が向けられてるね。」 「一昔前は、企業の中や大学の中だけ結んでLANでつないだとか、 パソコン通信でBBSだとか騒いでたけど、 いまじゃ世界中を網の目のように結んだWWWやで。」
ママさん「では最後に、一言でいうと、パソコンって何ですか?」
おじさん「一言で言えば、道具や。 とっつきにくいところもあるが、ハサミや鉛筆と同じように、あくまで人間の使う道具や。 パソコンの場合はとくに知の道具思考の道具と言えるかな。 だから、大事なのは、パソコンで何をしたいかやな。 ハードもソフトもあっても、目的がなければ、魔法の箱も、宝の持ち腐れにすぎん。 だけど使い方次第では、思考の世界を拡げ、創造したものを表現できる、素晴らしい道具になるよ。」
ママさん「きょうはどうもありがとうございました。」

■一口用語解説


◆アプリケーションソフト◆


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