はくちょう座X-1(Cyg X-1)は，最初に発見されたブラックホール天体です． はくちょう座X-1は， O9型の超巨星HDE226868（図中の▲印で挟まれた星） とブラックホールからなる，公転周期5.6日の近接連星です． 超巨星の質量は約30太陽質量で， ブラックホールの質量は10太陽質量程度だと見積もられています．
V1357Cyg / HD226868 赤経　19h56m 赤緯　+35°04′ V等級=9等/HD226868 軌道周期　5.6日 ブラックホールの質量 > 9.5太陽質量 上：はくちょう座X-1（大阪教育大学）

はくちょう座 X-1の光度曲線（energy band 1-37keV）

	X線天文衛星 ぎんが がとらえた， ブラックホール連星系はくちょう座X-1の強度変動です． 横軸に時刻，縦軸にX線の強度を示したものです． ブラックホール連星系が高エネルギーまで伸びたエネルギースペクトルを示す状態 （ローステートまたはハードステート）では，激しい時間変動を示すという特徴が知られています． このデータでも1秒程度の時間で数倍の変動を何度も示しています． もっと短時間の変動も知られています． 資料提供：北本俊二（大阪大学）