SS433 と W50 (SS433 and W50)

特異連星SS433は,宇宙ジェットのプロトタイプとして有名な天体です. SS433は,高温の伴星(図中の▲で挟まれた星) とコンパクト星からなる近接連星で, コンパクト星のまわりには降着円盤が形成されています. そしてその中心付近から,光速の26%もの速度で, 2方向へプラズマガスの噴流−宇宙ジェット−が吹き出ているのです. SS433のジェットは,162.5日の周期で首ふり運動を行なっています. 右のX線写真には,SS433とそのまわりにある超新星残骸 W50 が写っています.

資料提供
左:可視光で撮影したSS433/大阪教育大学
右:あすかで撮像したSS433とW50/小谷太郎(NASA),並木雅章,河合誠之(理化学研究所)


SS433のX線スペクトル
  
上の図は,エネルギー分解能に優れたあすか衛星のSIS検出器で得られた SS433のX線スペクトルです. 多くの元素からの輝線が2本ずつ見られるのがわかります. この2本の輝線は,SS433のジェットから発したもので,それぞれが, ジェットによって赤方偏移および青方偏移した輝線なのです. すなわち,もともとは同じエネルギー(波長)で1本の輝線だったものが, ジェットの運動に伴うドップラー効果によって2本にわかれているのです.
縦軸,横軸が対数軸のグラフ

また,下の図は,GIS検出器で得られたSS433を取り巻く超新星残骸W50のX線スペクトルです. スペクトルには元素からの輝線は見えず, W50は(連続的な)シンクロトロン放射をしている星雲のようです. また3色の線は,SS433 からどれだけ離れているかを示しています. すなわち,白・水色・青の順に SS433 から離れたところになっています. これらを比べたところ, 白から青にかけて段々とスペクトルの傾きが急になってきています. これらのことから,SS433 から離れるにつれて, シンクロトロン放射のエネルギーが小さくなってきていると解釈できます.

資料提供:小谷太郎(NASA),並木雅章,河合誠之(理化学研究所)


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