空が落ちる日
−杞憂ふたたび−

■アーサー・C・クラーク『神の鉄槌』■
■ニーヴン&パーネル『悪魔のハンマー』■
■ベンフォード&ロツラー『シヴァ神降臨』■
■映画『メテオ』■
■アイザック・アシモフ『ネメシス』■
■アーサー・C・クラーク『神の鉄槌』■
■『エヴァ』の“セカンドインパクト”■


“セカンドインパクト”

巨大隕石や彗星の“落下”によって, 地球規模の厄災が起こる.

空が落ちる日は来るのか?


■彗星の冬■

6500万年前の恐竜絶滅は, 直径10km質量3兆トンほどの彗星の衝突によるもの.
1979年,カリフォルニア大学バークレー校の核物理学者 ルーイ・アルヴァレスと息子の地質学者ウォルター・アルヴァレスは, イタリアのグッピオで, 中生代終わりの白亜紀と新生代始めの第三紀の境界粘土層を調べていた.
白亜紀第三紀境界層で多量のイリジウムその他の希元素を検出した. しかも世界各地でイリジウム凝集が見つかった.
これらのイリジウムその他の希元素は, 巨大な天体が地球に衝突して,その天体からもたらされたのだ. またその天体の衝突によって巻き上げられた土砂や水蒸気が, 地球全体の環境破壊を引き起こし,1億5千万年もの間, 地球の覇者であった恐竜が絶滅した.
実際,この時期の衝突クレーターも見つかっている.


恐竜の休日

■SL9■

1994年7月,分裂したシューメーカー=レビー第9彗星(SL9)が, 木星に次々と衝突した.
SL9は,1993年3月,パロマー山天文台の口径46cmシュミット望遠鏡で, シューメーカー夫妻とレビー氏が発見した. 彗星の核が20個ほどに分裂していることが, 発見当初から知られていた.
SL9は,発見されるずっと以前に, 木星の重力場に捕まって木星周回軌道に入っており, 1992年7月には木星から数万kmまで接近し, そのときに木星の潮汐力で核が分裂していたのだ.
そして,1994年7月17日から22日にかけて, 分裂していた核が次々と木星の衝突したのである.


ボレリー彗星

■空が落ちる日■

巨大隕石や彗星の“落下”による地球規模の厄災は起こるのか?

空が落ちる日は来るのか?

結論を言えば,

落ちる日までの待ち時間は,規模によって違う.

◆衝突間隔◆

衝突天体の直径衝突間隔
数10m数100年
200m程度1万年
数km100万年
10km程度1億年


カール・セーガン『惑星へ』下巻p145

◆厄災の規模◆

いろいろな現象エネルギー
1010J
広島型原爆6×1013J
浅間山噴火1015J
ビキニ水爆6×1016J
マグニチュード8の地震1017J
地球上に存在する全核兵器(約1万メガトン)4×1019J

衝突天体の密度 5g/cm3
地球との衝突速度 11.2km/s (落下ではなく衝突)
衝突クレーターの半径 R = 2.15×10-3 W 1/3

直径質量衝突エネルギー衝突クレーターの半径厄災の規模
20m2.1×107kg 1.3×1015J240m 最大級の核実験ぐらいの破壊を引き起こす
200m2.1×1010kg 1.3×1018J2.4km 巨大地震程度で,局地的に甚大な被害を引き起こす
2km2.1×1013kg 1.3×1021J24km TNT火薬100万メガトンに相当するエネルギーを放出し,地球規模の災害になる
10km2.6×1015kg 1.6×1023J120km 白亜紀第三紀境界時と同じくらいの規模で,生物種の大絶滅が起きる

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