特異連星SS433の光度曲線解析

1997年度 修士論文 奥上将光

本研究では、 特異連星SS~433が早期型伴星と輻射圧に支えられた 幾何学的に厚いトーラス(Madau 1988)からなっている という描像のもとで、トーラスの歳差と連星の公転を 同時に考慮した光度曲線をモデル計算した。 すなわち、 従来の計算 (Fukue et al. 1992; Sanbuichi and Fukue 1993; Nakamura et al. 1995; Fukue et al. 1998) では、 それぞれ歳差あるいは公転を固定し、もう片方を 回転させるというモデルで計算された光度曲線をもちいて 考察を行ってきたが、今回は歳差周期162.15日、 および公転周期13.08211日を同時に考慮したモデルを用いて 光度曲線を計算し、19年間にわたるV-Bandでの可視光観測 から得られた光度曲線(Goranskij et al. 1998)と比較した。

主なフリーパラメータは、連星の質量比とトーラスの厚み形状である。 計算結果から言うと、従来のX線観測からは小さい質量比が $(Q=M_x/Mv=0.16)$導かれていたが、それほど小さい値でない方が 観測をよく説明できることがわかった。 また、トーラスの厚みも比較的薄い方が観測に良く合うことも 同時に導かれた。


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