センセの夏休み

一般の人からみると,センセという職業は, (学生のように)長い夏休みがあって楽そうにみえるだろう. ところがどっこい,センセの夏休みはかなり忙しい. 小中高だと,やれクラブ活動やプール指導や生活指導などがある. 大学では生徒指導はそれほどないが,それでも, まとまった時間が取れない学期中にはできなかった仕事や, 会議や研究会があったり,本も書いたりすることもある. それなりに,“夏休みの宿題”が山積みになっているもんだ.

もっとも,毎日どれだけやらないという決まりはないので, その意味では,作家や作曲家とか, 音楽家や画家のような自由業に近いかもしれない.

そして,まぁ,一般に,大学の理系のセンセは, 実験設備などの関係もあり,大学で仕事をすることが多く, 一方,文系のセンセは, 自宅とかで仕事することが多いようだ(夏休みに限らないが).

で,ぼくは理論屋でコンピュータがあれば用が足りるので, 理系のくせに,大学でなくても,割とどこでも仕事ができる. そういうこともあって,夏は,自宅で仕事をすることが多い (大学まで遠いのもあるが,こんなに暑いと,家を出たら溶けてしまう). ところが,自宅とかで同じパターンだと, これが能率が落ちるというか,まぁだれてしまうわけだ. そこで,今年の夏は,午後から(つまり起きてから), 資料やパソコンを抱えて喫茶店に行き, 仕事をしてみたら,これがなかなかイイ.

非常にローカルな話だが, 京大の近くに進々堂という老舗の喫茶店がある. そこには大きな木のテーブルがいくつもあって, コーヒー一杯で何時間でもくつろげる. そのテーブルに資料を広げて, コーヒーを飲みながら仕事をするのは, なかなか優雅なもんだ. なんだか小説家になったような気分も味わえる.

ちょっと病みつきになってしまった.


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