2m調理法(レシピ)

大阪教育大学 福江<ジョーカー>純

  1. でかけりゃいいってもんじゃない! ★感動の原点を忘れないで!!

    例:重力レンズ天体の撮像

  2. 情報発信センター ★公開天文台発祥の地としての自負と責務

  3. マルチメディアへのレシピ ★生のママでは喰えない!

      マルチメディア教材のあり方については, もういろいろな意見が述べられているとは思うが, 最近の開発の経験にもとづいて, 少しコメントしてみたい.

    1. 素材がよければイイというもんじゃない

      もちろん素材がよければそれに越したことはないが, 素材“さえ”よければいいというわけではない. 実際,生きた魚を釣ってきて, コレは極上のタイだ,旨いぞ,と言われても, よっぽどのマニア(専門家)ならともかく, ふつうの人には喰えるもんじゃない. どんなにいい素材でも,人が食せるように加工が必要だ.

      このことは当たり前すぎるほど当たり前そうだが, 実は,プロにせよアマチュアにせよ,いわゆる専門家の中には, 素材さえよければ他はどうでもいいと思っている人が少なくない (公やけに口には出さないが). さらに,(素材の加工が大事だと)頭ではわかっていても, 専門家/研究者は具体的に料理できない人が多い.

      いい素材を上手に料理しよう

    2. 最新の技術を使えばイイというもんじゃない

      最近のレタッチソフトは機能が向上し, 綺麗な絵が簡単に作れる. もちろん絵や表現は綺麗に越したことはないが, 綺麗ならいいというわけではない. ここにもカンチガイが生まれる. 最新の調理器具を備えたキッチンで料理して, 銀の食器に盛れば,美味しい料理になるというカンチガイだ.

      このこともごく当たり前みたいだが, しばしば,技術に走るあまり, 本来の素材の味や料理の方がおろそかになることがあるようだ. 経験の不足はある程度はソフトで補わないといけないが, 最新のソフトに頼りすぎてはいけないだろう. また最新の技術は誰でも使えるわけではない. 誰もが銀の食器を持っているわけではないので, 気をつけないと特権階級だけの料理になってしまうだろう.

      素材の持ち味を活かしながら,わかりやすく料理したい

    3. ステキなマルチメディアソフトの条件

      では美味しい料理の条件とは何だろうか?

      • いい素材を  (いいデータを使う)
      • 愛情を込めて (好きでやる)
      • 調理し    (経験もいる)
      • 楽しく食する (遊び心も重要)

      素材を美味しく料理する「サイエンスデザイナー」(注)の育成も必要

  4. マルチメディアソフトの特徴と特性マップ


    特性マップ(紙面に垂直方向にレベル性の軸がある)

注:「サイエンスデザイナー」
文脈からすれば,ここは「サイエンスシェフ」とすべきだが, 今後も一般的に使う予定なので, 「サイエンスライター」に対して「サイエンスデザイナー」とした (「サイエンスアーチスト」もいいかもしれない).