X線像とスペクトル図(Image and Spectral Diagram)

天体のX線像X線のスペクトル図
X線は目に見えません. だから本当は,X線には色はありません. しかし色がついていた方が,視覚的・感覚的にわかりやすいので, たいていは波長(振動数)によって擬似的に色分けして表します. しばしばエネルギーの高いX線には白から黄色で熱っぽい色を, エネルギーの低いX線には青系統の寒そうな色を割り振るようです. 天体からやってくる光の強さを波長ごと(あるいは振動数ごと)に表したものを, スペクトル図 (spectral diagram) といいます. スペクトル図は天体の光を分析するための基本的なグラフです.
可視光などの領域では,横軸を光の波長(あるいは振動数), 縦軸を各波長(あるいは各振動数)での光の強さとして, スペクトル図を表します. しかしエネルギーの高いX線の領域では, 波長の代わりにX線光子のエネルギーの方が測定しやすいです. またX線領域では光は粒子のように振舞うので, 光子の数を一つひとつ数えるように測定することが多いです. そこでX線のスペクトル図は, 横軸は(keV単位で測った)エネルギーで表し, 縦軸は各エネルギーごとに毎秒飛来するX線光子のカウント数で表すのがふつうです.


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