たかが風邪、されど風邪(2006/10/07)

後期が始まって1週間目、風邪を引いた。
今年の夏は、8月から9月にかけて、
  • 天文天体物理夏の学校
  • 入試などの会議
  • 中学生セミナー
  • 筑波大学の集中講義
  • 研究室ゼミ合宿
  • 大学院入試
  • 富田さんの集中講義
  • 宇宙会講演
  • 秋の天文学会
など、ほぼ毎週のごとく行事が続いて、 一般には“夏休み”と呼ばれるモノが消し飛んでいた。 それでなくても9月には夏バテがくるので、 これは例年以上に強烈な夏バテがくるだろうなぁ、 なんとか学会まではもってくれて、 学会の済んだ9月の最終週あたりなら仕方ないかなぁと思っていた。 ところが、9月の最終週は何事もなく過ぎ去り、 あれよと言う間に後期に入ったので、 やった、乗り切ったと安心したのがいけなかったのか、 身体が鈍くなって反応が2週間ほど遅くなっただけなのか、 律儀にも、夏バテ×風邪がやってきた。 それも最悪のタイミングで。

9月の一週目の後半、鼻や喉が変な感じだったので、 これは風邪かな、と状況はその段階では正確に把握していた。 そして、日月と連休なので、きちんと土曜日には、 掛かり付けのお医者さんに行って薬を出してもらったのだが、 このときにはまだ症状が軽かったのが災いした。 一日早く症状が出てれば、強い薬も出たろうけど、 症状が軽かったので、薬もふつうの風邪薬が出ただけ。 そして土曜日の夜になって、風邪がアウトバーストした。

“飛び上がるほど痛い”という表現、あれは本当である。 土曜日の夜から喉が痛くなって、いわゆる咽頭炎というヤツか、 痛いの何のって、筆舌に尽くしがたい痛さである。 もともと喉は弱い方で、いままでにも咽頭炎には何度もなったが、 これまでの痛さの比ではない。 本当に痛くって、唾を飲み込むたびに、 文字通り“飛び上がったり”、“地団駄を踏んだり”、 “ヨガのように身体をくねらせたり”、 端から見てれば面白いだろうが、本人は大変である。 さらに夜がイケナイ。 夜中に薬の効果が切れてくると、あまりの痛さに目が覚める。 とりあえず、うがい薬でうがいをすると、 うがい薬のおかげか、冷水のおかげか、 少しだけ痛みが和らいで眠れるようになるが、 また1、2時間すると目が覚める。 というようなことを夜中中繰り返すわけだ。 それでも、昼間は、弱い風邪薬+弱い抗菌剤で、 まだ少し痛みは和らいでいて、かろうじて、 茶碗蒸しとかプリンぐらいは食べれただけましだ。 ちなみに、基本的な栄養源である液体のパンは、 滲みて滲みて、とても呑めなかった(悲)。 これが一番イタカッタかもしれない(泣)。

そして最悪だったのは、連休に入ってしまったことである。 いや、もちろん、土曜日の夜にあまりにも痛かったので、 日曜日は京都市の休日診療所へタクったのだけど、 さんざん待たされた挙げ句に、喉を見て、 “ああ、たしかに赤いですねぇ。 でも、これぐらいならガマンして食べてください。 (土曜日に掛かり付けの医者で出してもらったのと) 同じくらいの薬しか出せませんから、薬は処方しません” とケンモホロロだった。 心の中では、 (くっそー、耳鼻科なのに吸入器もないのか)と思いながら、 すごすご退散。 いやとにかく、休日診療所はまったく意味なしで、 結局、土日月と三日三晩、喉の痛みに七転八倒しながら、 咽頭炎からくる発熱とも闘いながら、 ベッドの中で過ごすことになってしまった。 そういえば、熱も8度5分まで出たけど、 そんなもん、喉の痛さに比べたら吹っ飛んでしまうくらいだった。

そしてやっとの思いで迎えた連休明けの火曜日。 朝一で、まず掛かり付けの耳鼻科へ行って、 “ああ、真っ赤に腫れてますねぇ”と言ってもらって、 (そうだろう、そうだろうと)変に安心し、 薬を塗ってもらったり吸入したりして、 (やっぱりこうでなくっちゃと)少し良くなった気がして、 強い抗菌剤や消炎剤をもらって、 (そうそうこの「メイアクト」がいいんだよねぇと)一息ついた。 続いて、やはり掛かり付けの内科へ行って、 まだ熱もあったので、注射や点滴を打ってもらい、 ますます、さらに、よくなった気になって帰った。 耳鼻科と内科を梯子したのも久しぶりである。 ほんとはこのまま家で寝ておけば良かったんだけど・・・

実は、火曜日、京大の雑誌会(理論ゼミ)で発表の予定だった。 発表をキャンセルしようかどうしようか、ぎりぎりまで悩んでいたが、 急にキャンセルしても穴が空いてしまうし、 発表内容は面白いモノだし(と自分では思っている)、 せっかくパワーポイントファイル作ったし(この理由が大きかったかも)、 午前中に医者を二軒梯子して、随分良くなった気がしていたので、発表を強行した。 声は一応出せていたので、最初は大丈夫かと思っていたが、 やっぱり痛くてすぐにしんどくなり、お茶を飲みのみやっても、 途中からは血でも出そうな怖さがあったが、かろうじて終了。 でも、これが結構こたえたかもしれない。 雑誌会の後は、加藤先生や嶺重さんたちと、 いま改訂している英文教科書の打ち合わせをしたが、 そちらも結構時間が掛かって、 家に帰った途端にベッドに倒れ込んでしまった。 そのまま水曜日もダウンである。 ここまで来ると、もう腹を括るしかないかなぁ。

水曜日には熱はもう下がっていたし、 さすがに強い薬のおかげで、喉の痛みも“飛び上がる”ほどではなくなり、 夜も久しぶりに眠れるようになっていた。 が、喉は相変わらずかなり痛いし、まともに喋れないんじゃ講義にならない。 とうとう諦めて木金の講義は休講の連絡をした。 あ〜あ、始まったばかりなのにぃ。 実際、木金になってみても、喉は痛いし身体はまだだるいから、 やっぱり講義は無理だったみたい。 でも、体調はかなり戻っていて、日中は普通に動けるので、 耳鼻科に行った後は、結局、一日中、 たまった仕事や連休中に降ってわいた仕事をしていたから、 相変わらず貧乏性ではある。

たかが風邪でこれだけ書けるのも変だが、 されど風邪だった・・・

おまけ

長かった風邪がようやく治ったなぁと思っていたら、 土曜日に国立天文台で天文学会のジャーナルに関する合同会議があり、 翌月火は京大で天文学会百年史の会議がありで、 会議自体はどちらも充実していて面白かったのだが、 さすがにへとへとに草臥れてしまったのか、プラス、 風邪で飲み続けていた抗生剤のためなのか、プラス、 一週間ぶりぐらいに呑んだお酒のせいもあるのか、 今度は胃腸に来てしまい、脱水症状でフラフラでヘロヘロになった(トホホ)。 んで、またダウンしてしまった。 というか栄養が吸収できなかった分、 風邪のときより、きつかったかもしれない。

結局、つごう2週間がとんでしまった。 今年は絶不調の年(歳?)らしい。