日本天文学会百年史編纂委員会@京都大学(2006/10/16-17)

2008年は日本天文学会の創立百周年にあたる。 そのため、百周年企画がいっぱい立ち上がっていて、 なかなか賑わしい。具体的には、
  • 教科書シリーズ
  • PASJ百周年企画
  • 天文月報百周年企画
  • 日本天文学会百年史編纂
  • などなど
いろいろ並行して進んでいる。 …具体的中身はともかく、どれも公の大プロジェクトばかりだし、 情報もいろいろ流れているから、もう書いてもいいよなぁ(?)。 ともあれ、 そのような百周年企画の一つとして立ち上がったのが、 (というか、進行していたのが)、尾崎委員長のもとで動いている “日本天文学会の百年史”を編纂しようというプロジェクトだ。
具体的な中身についてはお楽しみということだが、 百年の史実を単に羅列するのではなく、 日本の天文学の成果を“客観的”に公平に紹介しつつ、 かつ“主観的”に生き生きと描き出す、 という本質的に矛盾したことをやろうとしている。 あるいは、編年体の正史と英雄群像の列伝を組み合わせたような 内容になるといいなぁ、と思っている。 そして、 研究者が読んでも一般読者が読んでも、 とても面白くて笑い転げるだろうという、本にしたいわけである。 …というか、すでに、もう、 委員会のオフィシャルな見解とは思わないで欲しい。
ま、そんな個人的な思い入れは置いといて、 百年史の編纂もかなり大詰めになり、 集まった粗原稿を委員が揉んで揉んで揉みくちゃにする会議を、 2日間にわたって京都で行ったのだ。 歴史的な会議だから京都にしたというわけでもないし、 観光シーズンだから京都にしたわけでもなく、 たんに、委員が全国に散らばっていて、 たまに関西でするのが委員の便になるからという、 ごくごくつまらない事務的な理由である。 実際、ぼくなんかは地元だし会議場まで歩いて5分だからメチャ楽だったけど、 ぜんぜん意味無しである(まぁ、出不精だからいいけど)。 もっとも、某谷口なんかは、しっかりリラックスしている感じだったが。
事前に原稿を読んでいったのだが、正直なところ、 いかにも真面目な研究者が真面目に書きましたという、 面白くない、いやいや、箸にも棒にもかからない、あれあれ、 ま、そんなのもあったかどうかは知らないが(知ってるけど)、 それでも、とても面白かった(笑い転げはしなかったが)。 だから、何とかこれらの素晴らしい内容を、 上手に刈り込んで化粧して、 一般の人でも読めるモノにしたいというのは、 どの委員も感じたことだと思う。
たしかに2日間にわたって、人の文章を批判するのは、 精神的になかなか厳しい作業だったけど、 しかし、着実に成果が目に見える形で出来上がっていく点は、 (大嫌いな)会議とは言っても、やりがいのある会議だったなぁ、とは思う。 後は、いろいろなコメントを、執筆者の方々が、 “謙虚”に受け止めてくれて、 面白く書き直してくれるといいんだけどなぁ。
ほんっとに抜けるような青空の下。 2日間、缶詰かぁ、と思うと、 少しだけ悲しかった。