日本学術会議シンポジウム@東京
(2008/05/31-06/01)
「第二回 天文学・宇宙物理学の展望−長期計画の策定に向けて−」

5月31日と6月1日の両日、 東京大学で開催された、 日本学術会議シンポジウム 「第二回 天文学・宇宙物理学の展望−長期計画の策定に向けて−」 という大層なタイトルの会議に参加してきた。 もっとも直接の委員とかプロジェクトリーダーなどではないので、 観客の立場で、久しぶりに気楽な会議だ。 まぁ、野次馬みたいなもんだが、一応、 今後の日本の天文学の動向を“探る”ために参加することにした。
雨の神田川

御茶ノ水駅に降りるのは何年ぶりだろうか。 東京は年に数回は来ているが、たいていは三鷹の国立天文台に用事がある。 2ヶ月前の3月末にも学会で来たが、 新宿と代々木オリンピックセンターを往復しただけだった。 今回は何年かぶりに東大に行くことになったため、 久しぶりに御茶ノ水駅で降りることになったものだ。

時計台と理学部1号館(たぶん)

前の晩に卒業生らと新宿でしこたま(笑)呑んだので、 睡眠不足に軽い二日酔いモードで、朝から結構ヘロヘロである。 おまけにあいにくの雨模様で、6月になるのに、すげぇ寒いし。 学バス(東大構内行きの安いバス)に乗ろうとバス停まで行ったら、 土曜日なので便数が少ない。 土砂降りの中、パソコンの入った鞄を下げて待つ根性は持ち合わせていなくて、 仕方なくタクったら、さすがに東京、初乗り710円はありえないだろう。 なんだか朝から、もう最悪である。だから東京キライだ。

会場の東京大学小柴ホール

日本学術会議、以前はそれぞれの学問分野で、 たとえば天文学だと“天文研連”というものを中心に、 将来計画などを策定していた。 野辺山45m電波望遠鏡もすばる望遠鏡も、 そのような中で策定されていったものである。 ところが、天文学の分野では、1994年に長期計画を策定して以来、 法人化の嵐の中で学術会議も迷走した状態になっていたらしい。 やっとそれらが少し落ち着いて、天文学分科会として、 今回、10数年ぶりに、長期計画を策定し、日本の天文学が、 今後10年20年かけて進むべき方向を議論しようというものである。

会場内

第一回は出ていないがおおまかな議論がされたらしく、 今回は、個別のプロジェクトの提案と議論がなされた。 そして、電波、光・赤外、理論シミュレーション、X線・ガンマ線、 ニュートリノ・宇宙線、暗黒物質探査、重力波、 太陽・太陽系・磁気圏・地球観測、元素合成・核物理 などのさまざまな分野で、40いくつものプロジェクトが提案された。 参加者も予想以上に多く、120人ぐらい入りそうな講堂がかなり満杯で、 100人ぐらいはいたんじゃなかろうか。

机に電源がある!

例によってパソコンで内職をしながら講演を聴こうと思ったが、 二日酔いで脳内のリソースが減っていて、並行作業ができない(とほほ)。 結局、まじめに講演を聴くことになってしまった。 大部分が観測の話だが、いろいろ興味深い計画もあり、 さらに将来計画の最先端の話なので、なかなか勉強にはなる。

でも、数年後とか10年後の計画ならともかく、 20年後ぐらいの話になると、うーん、まだ生きてるかなぁ(笑)。

また休憩時間などを使って、いろいろな人と打ち合わせや相談もした。 京大の柴田一成さんや一本潔さんも来ていたので、 6/22の進学説明会の打ち合わせなどもできた。 そのときの一こま:
“一本クン、USBもってる? もってたら案内文あげるから”
“あ、あります、はい、どうぞ”
“ルートに入れとくね”
…ファイルをコピること30秒…
“はい、コレ、えっと、(USBの)フタなかったよねぇ”
“え、いや…、たしか”
“あれ、付いてたっけ? あぁ、ここにあった”
机の上には無意識に外したらしいフタが転がっていた。
“フクエさん、大丈夫ですか???”
“いやぁ、最近、数秒前のことも忘れるねん”
いやまったく、洒落にならん会話である。
早朝の新宿

初日は少し早めに会議を抜けて、夜のセッションに備え、 ホテルで溜まった宿題をすることにした。 夜のセッションで気持ちよくほぐれたのか、 完全に寝不足ながら、雨もやんで清々しい朝であった。