科学研究費(科研費)の社会還元事業のようなもので、
日本学術振興会JSPSが数年前から実施している
「ひらめき☆ときめきサイエンス−ようこそ大学の研究室へ」という事業がある。
現在、活躍している研究者と大学の最先端の研究成果の一端を、
小学校5・6年生、中学生、高校生が見る、聞く、触れることで、
学術と日常生活との関わりや、
科学(学術)がもつ意味を理解してもらうプログラムだそうだ。 一昨年と昨年に引き続き、今年も、 うちの天文学グループ:定金・福江・松本で、この事業を実施した。 今年の募集タイトルは、 「宇宙のモンスター(ブラックホール)の正体に迫る」である。 今年の参加者は7人と少なかったが、 わざわざ名古屋からの参加などもあって、 夜もはじめて晴れて観望もでき、内容は濃かったかな。 |
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最初のガイダンス。
今年もB棟の視聴覚室で実施。 初日は、この後、ブラックホール活動天体の概論を講義し、 観測の概要の講義があって、夜に観測実習。 今年は天気がよくって、惑星など、いろいろ観望できたようだ。 |
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2日目の実習中。 一人一台のノートパソコンで、 活動銀河OJ287の明るさ(等級)を算出しているところ。 この後、光度曲線のグラフを書いて、 ブラックホール天体の明るさが急激に変化する原因を議論した。 | |
未来博士号の授与式まで、全日程が終了して、 最後に全員で記念撮影。 | |
ほんとに暑い中、参加者も大学側も大変だったけど、
大学の研究の一端には触れてもらえたと思う。
さて、来年はどうしたもんだろうか。悩むところだ。 これは科研費を取れた研究者が申請できる事業だが、 実は天文で実施しているところはあまり多くない。 準備や報告書などがかなり手間暇かかるためだと思う。 その一方で、とくにうちの場合は、たんに講義とか簡単な工作などではなく、 実際に大学の設備を使って、研究の方法に触れてもらっている点で、 かなり有意義なものになっているだろう。 また実際、今年の一回生にも、本学のひらめき☆ときめき事業に参加したという 学生が何人かいたし、その点でも開催の意義は高い。 またさらに一方で、教師向け事業や高校向けなど、 怒濤の三連荘が爆発的に増加している中で、 どこまでできるかは悩むところだ。 はてさて、どうしたものやら。 |