「森本さんありがとう」の会@国立天文台
(2010/12/26)

先月11月16日に出先の鹿児島で78歳で急逝した森本オヂサンを偲ぶ会が、 この日、13時から19時までにわたって国立天文台で開かれた。 すばる棟大セミナー室の許容人員満杯の200数十人が参加だった (ネットでアナウンスがあって数日で参加登録が打ち切られた)。 5月にあった林忠四郎先生を偲ぶ会で、 天文学者の偲ぶ会としてはおそらく最大規模だろうと書いたが、 もっと人が集まってしまったわけだ。さすが森本オヂサン。 しかも、2月には姫路と鹿児島でも、第2弾、第3弾が開かれるし。
快晴の富士山

朝イチぐらいで京都を出たが、 新幹線からは富士山も久しぶりによく見えて、 偲ぶ会だというのに、何だか楽しい感じになってくる。 天気もオヂサンが好きなんだろう。 亡くなってまで人を楽しませるのがオヂサンの技量か。

冬の天文台構内

当日は、 カラッと陽気な森本さんに合わせて冬っ晴れで、 前後は寒い日が続いていたのだが、 当日は、オヂサンのように暖かい日になった。 なんだかぜんぜん湿っぽくない。

大セミナー室

開会の1時間ほど前に着いたが、 パワポの準備をしている海部さんやマイク調整中の立松さん以外にも、 もう何人か会場に来ている人が居た。

オサケだらけ

遺影のまわりがオサケだらけである。 あまり見ない光景だろう。

写真展示

時間もあったので、オヂサンの写真展示を見にいった。 ぼくも10枚ほど提供したのだが、世話人の人が 上手にアレンジしていてくれた。

参考までに元データ

第1部 森本さんの仕事

13時から16時までの第1部では、オヂサンの仕事(?)の紹介だ。 オヂサンのことだから、最初っから呑んで騒いでても文句は言わないだろうが、 まぁ、そういう訳にもいかないので、 オヂサンがどんなにすごかったかの紹介パートが、 海部さんの挨拶ではじまった。

挨拶

最初はオヂサンの弁によるご主人のセツさんが、 この一年ほどのオヂサンの様子を話された。

宇宙電波の開拓

天文学の業績に関しては、まず海部さんが、 全般にわたって紹介した。

VLBIとVSOP

続いて、井上(允)さんが、VLBIやVSOPの話しをした。 有名な話しだが、VSOPの命名の由来も出ていた。

ちなみに、会場はこの通りに満杯である。

野辺山

さらに近田さんが、相関器など、 周囲を巻き込んでやる気にさせるオヂサンの話しをした。

鹿児島の森本さん

国立天文台を退官後は、5年ほど鹿児島大学に居たのだが、 鹿児島でのオヂサンの快刀乱麻ぶりを面高さんが面白おかしく話した。

兵庫の森本さん

オヂサンは鹿児島を退官後、西はりま・姫路で13年ほど過ごしたのだが (もちろん、日本全国、飛び回りながら)、 第1部の最後は、黒田さんが、 オヂサンとの馴れ初めから西はりまの時期までの話しをした。

森本さん真実?

黒田さんの話しの最後になって、ようやく、 オヂサンの真の姿(笑)も紹介された。 みんな、知ってるんだけど、黒田さんぐらいしか言えないよなぁ。
どれもこれも懐かしい。

一言、言いたい

10分ぐらい、オヂサンに一言、言いたい人からのコメントがあった。 いまコメントしているのは、岡村さん。

懇談タイム

第2部の会場設営のため、小一時間ほど、 別会場2会場にわかれて、しばし懇談。 こんな感じで写真が展示してあって、 飲み物も用意してあり、趣向が凝らしてある。 ここは、オヂサンのために、イの一番にビールを空けた。

平服

第2部の設営が済んだので、ふたたび、大セミナー室へ。 こんな感じで、オサケがずらぁ〜。 今回に限ってはホントに平服でいいと思ったが、 実際に平服の人も多かったが、 たまたまVネックが黒しかなかったので、 ほどよい(笑)感じ?

第2部 森本さんを送る

17時から19時までは、森本さんを送る懇親会だが、 まぁ、実態はオヂサンを酒の肴にした大呑み会が、 観山国立天文台台長の挨拶で始まった。

Hip and Lips

オヂサン語録の解題をしている海部さん。

会場

立錐の余地がないとはこんな状態だろう。

おまけ

夜は武蔵境に泊まり、翌日(月)はそのまま大学へ向かったが、 しっかり2日酔いだったし、さすがにハードだった。 ともあれ、翌朝の綺麗なグラデーションである。

実は、ぼくとオヂサンとはとても変な縁だったりする。
偲ぶ会に集まった人は、今回にせよ姫路でも鹿児島でも、 電波天文という研究面の繋がりがあったり、 オヂサンの話しを聞くなどの教育普及面だったり、 あるいは仕事の上の関係だったり、何らかの関係があるだろう。 しかし、ぼくは分野が違うので研究面での関係はなかったし、 教育普及的な面での関係もまったくないし、 何かのプロジェクトで一緒に仕事をしたこともない。 もちろん、赤羽・森本・海部『宇宙電波天文学』という名著で勉強したので、 名前は知っていたが、通常は、何の繋がりもできない無関係だった。
それが、黒田さんを通じて、 いつの間にか、オヂサンとは、呑み友達というか遊び友達というか、 いつも「じゅんちゃーん」と駆け寄ってきて抱きつかれていたので、 むしろ抱かれ友達か、そんな関係になっていたわけだ。 会場で会った祖父江さんにも「福江クンは森本さんとどういう関係?」 と尋ねられて、「呑み仲間ですかねぇ」と答えたら、笑われた。 抱かれ友達とまでは言えなかったが(笑)。 でも、考えてみると、他の繋がりがまったくなくて、 純粋に遊び友達というのは、森本さんだけだったと思う。
もうしばらく遊んでもらえないのがとても残念だが、 オヂサンに限っては、祈らなくても冥福なのはわかっているので、 まぁ、いずれ、また遊んでもらうことにしよう。