2012年 金環日食 観測ツァー@ふじ丸船上
(2012/05/21)

数年ぶりの天文現象大イベント、日本列島金環日食部分日食である。 2009年の大大イベントだった日本近海皆既日食と違い、 今回は金環日食帯に約8000万人の人間が住んでいて、 日本人の3人に2人が居ながらにして観測できるそうだ。 2009年に日食病に罹患してからは、3年がかりで準備をしてきたものだが、 ホントに、あっと言う間に、もう明日に迫ってきた。

今回は研究室でも卒論などに絡めて大々的に観測するつもりだが、 観測機材も一度には買えないので、3年間かけて、 一眼レフカメラを5台くらい(+減光フィルタや三脚などのアクセサリ)、 小型望遠鏡ボーグなど一式、その他、多くの細々したものを少しずつ買い揃えた。 また、ビデオなど、すでに3台あったものも全部稼働予定である。 そして、去年からはそれらの機材で学生にも練習をはじめてもらった。 そんな長期にわたる計画の最終段階(じつは練習段階?)である。 研究室の日食観測班は、柏原キャンパスに5人ぐらい、天王寺キャンパスに4人、 奈良1人、堺1人、静岡1人、そして洋上1人という配置だ。 さてさて、明日の天気が心配だが、どうなるやら。 またぼく自身が、直前に私事でバタバタしていて、 直前の二日ほどは練習に充てる予定だったのが、 ぜんぜんできなかったので、うまく撮影できるかどうか大心配である。

ぼく自身は、クルーズ船ふじ丸からの観測予定である(上の洋上1人)。 もともとは、西はりま天文台の黒田さんから金環日食ツァーに誘われていて、 ふじ丸ならぬ黒田丸で優雅にクルーズ+日食観測の予定だった。 しかし、残念なことに黒田さんが病気療養になってしまい、 また黒田さんのピンチヒッターでの講演なども入り、 それなりに仕事がらみとなってしまった。 面白さ楽しさは半減してしまったけど、黒田さんの分も頑張らなければ! 
ちなみに、上の静岡1人は松本くんで、2週間ほど前に急に、 実家のある静岡が中心線上だということで、 急遽、一眼レフカメラ一式を発注して、決まったものである。 直前になって火がついたみたいだ(笑)。

メイン機材

持参の観測機材はパナソニックのミラーレス一眼レフカメラと 300mmの望遠レンズ(+減光フィルタや三脚)である。 え、ミラーがないなら、一眼“レフ”じゃないかな。 カメラ本体をできるだけ軽くしたかったので、 カメラに望遠レンズが付いたというより、 望遠レンズにカメラが付いた感じ。

ふじ丸

森本おぢさんや黒田さんと同窓会ツァーで乗ったのが2010年だから、2年ぶりだ。 でも、森本おぢさんは星になっちゃったし、今回のツァーを企画した黒田さんも 病気療養中で、今回は二人とも居ないので、ちょっと(かなり)淋しい。 三ノ宮の空もどんよりしているし;泣

TVカメラ

今回の金環日食クルーズには、テレビの取材クルーも来ている。 西はりまのスタッフや友の会関係者以外には、 香川の松村さんとか、見かけたが、船に乗ってしまうと、 もうどこに誰が居るやら。

ダイニングルームふじ

船内をうろうろせずに、 さっさとダイニングへ向かったので、 運良く、窓際に座れた。

本日のメニュー

もう、ほとんど、日食の方は諦めムードで、 とりあえず、ふじ丸を楽しむことにする。 フルコースなんか結婚式ぐらいでしか食べないが、 久しぶりのフルコース料理だ。

オードブル

ふじ丸の料理は絶品で、 最初は海の幸のオードブルだ。

オリジナル?

たいてい、上の皿に隠れていて気づかなかったけど、 お皿の真ん中の模様は舵輪だよなぁ。

スープ

つぎはオニオン・グラタン・スープ。 ここらへんで、だいぶ、お腹一杯になってくる(笑)。

自己メイン

真鯛とホタテ貝柱のグリルが、 ほぼ、自分に取ってはメイン料理。

もう一つのメイン

もちろん、白や赤も、別口のメインではある。 ふじ丸のハウスワインもとても飲みやすいワインだ。

メニュー上のメイン

メニューの上では、ステーキがメインだけど、 肉はもう無理。少しだけ食べたけど、もったいないなぁ。。。

宵闇の神戸港

小一時間経った頃には、港もかなり黄昏れてきた。

デザート

メニューなどにはとくに記載がなかったが、 日食や太陽系をイメージしたデザートプレートである。

日食観察の説明会

美味しいディナーの後は、 明日の日食観察に向けて、注意事項など説明会があったけど、 ちらっと覗いたけど、ぶっち(笑)。

キャビン

いつもきれいな船室で、 ほろ酔い加減で明日の講演準備などをした。

早朝のデッキ

みんな早い早い、5時半ぐらいに指定甲板に出てみたらば、 もうたくさんの人たちが思い思いに陣取っていた。 真ん中の青いジャケットは4月から兵庫県立大・西はりまの伊藤さん。

あそこらへん

たぶんあそこらへんに日の出直後の太陽があるはずだけど。。。

6:31

もう部分日食ははじまっているはずだけど。。。 青いジャケットは西はりまの時政さん。

6:32

こんなしょうもない写真を撮るヒマもあった。 何せ太陽がみえないので。

7:34

金環直後ぐらいの写真。 拡大すると細い三日月太陽が写っている。 今回、とくに曇っていたせいもあるだろうが、 興味深かったのは、
・金環時期の少し前から急に寒くなった
・同じく、急に(冷たい)風が吹き始めた
・同じく、急に薄暗くなってきた
ことだ。 コンパクトデジカメでは露出を補正してしまうが、 上の写真でみても、薄暗いのはわかるぐらいである。

朝食

早朝から起きて、結構に寒い中を数時間頑張ったので、 さすがにお腹が空いた。 ふじ丸パンがまた美味しい(笑)。 でも、さすがに朝からはアルコールは頼まなかったけど。

お仕事お仕事

10時から1時間半ほど、 メインホールで天文講座「ブラックホールの不思議」を話した。 今回の乗船者は400人ほどで、うち、 100人〜150人ぐらいが聞きに来られたかなぁ。 日食の方が△だったので、せめて講演ぐらいは愉しんでもらわないといけない。 なかなかの緊張感満載である。

クルーズだから年配のリタイア組が圧倒的に多い。 黒田さんだったら、グイグイ引きつける迫力のカリスマ講演だろうけど、 そこまでの力量もない。 そこで、カルチャーセンターの講演のような感じで、 年配の人はたくさん質問したいことがあるので、 間にちょくちょく質問を取ったら、ほどほどのいい感じになった。

講演中

時政さんが撮影してくれた講演中の写真

同上
航路

ふじ丸の航路だけど、いったん、紀伊水道まで出たようだが、 晴れ間をもとめて、淡路沖まで戻ったようだ。

昼食のメニュー

昼は和食のフルコースである。 講演で疲れていた上に、さすがに胃が悲鳴をあげかけている。 でも、しっかり、ビールもワインも頼んだりして。

お膳

でも、ふじ丸は、ぜんぶ洋食フルコースではなく、 それなりに内容を考えてあるのでありがたい。

金環日食デザート?

デザートは杏仁豆腐だけど、 これはとくに金環日食をイメージしたもんじゃないかも。 講演後だったので、久しぶりに昼酒もしたら、 この後、珍しく小一時間昼寝してしまった。

こっちはてんでダメだったけど、あちこちに配置した観測隊の方では、 そこそこに十分に撮影できたようでよかった。 その逆でなくてよかった。 卒論その他に上手い具合に使えればいいけどなぁ。
おまけ

これは5月5日の太陽で、いちおう、黒点や周縁減光もわかる。

6:07

第一接触よりは前で、フィルター付き。

7:22

第二接触より少し前、ここらへんは眼視状態で、 もちろんフィルターも外している。

7:34

第三接触の直後で、やはりフィルターなしで眼視でみえていた。 肉眼でみえたのは、それなりに嬉しいかな。

7:43

このあたりは、ほんとに薄雲の加減で、 フィルタかぶせたり外したり、忙しなかったけど、 たしかにそういう状態は気を付けないと危ない気がした。