小松左京ナイト@大阪市立科学館
(2012/07/21)

高校生向けのイベントが続く中、一般向けに面白いイベントがあった。 昨2011年7月26日に小松左京が80歳で星になった後、 一周忌を記念しての<小松左京ナイト>というイベントである。 科学館のプラネタリウムホールで、 小松左京に縁がある人間が語ろうというもので、 フタを開けてみると、ほぼ満席に近い250人ぐらいの参加だった。 いやいや、なかなかキンチョーもんだった。

ゲストは、氏と数十年にわたり親交のあったSF作家の堀晃さん、 長年にわたり氏の秘書をつとめてきた乙部順子さん、 『日本沈没』のリメーク版を監督した樋口真嗣さん (エヴァのシンジの元ネタ名らしい;笑)、 そしてなぜか福江(宇宙がテーマとのことでのご指名; もっとも、だいぶ前に、江坂のイベントで、御前で講演し、 いろいろ話させてもらったことはあるが)。

科学館の渡部さんの上手な司会進行の中、18時に開演し、
・ゲスト紹介
・小松左京のSF宇宙を見る(堀、福江、渡部)
・小惑星「小松左京」(渡部)
・小松左京四方山話(全員)
・小松ロケット打ち上げ映像
という感じで、19時半まで、たっぷり濃密な1時間半だった。

学天則

開演直前なのに学天則に見入るゲストたち。 開演2時間前の4時には集まって、事前の打ち合わせなどをしたのだが、 少し時間があまったので、館内を見学。 樋口監督は特撮をするので、同行者の人たち共々、機械・電気フェチ(笑)。 関電の太い電線とかいろいろ見学していたが、 後、数分で開演というのに、科学館の人が学天則を動かしてくれて、こんな状態。

オープニング

ゲストが入る前のオープニングシーン

果しなき流れの果に

「小松左京のSF宇宙」では、 『果てしなき流れの果てに』(福江推薦)、 『結晶星団』(堀推薦)、 『虚無回廊』(堀推薦)、 『さよならジュピター』(福江推薦)の順に、 小松SFの遠大なイメージを紹介した。
ここらへんは科学館の人からもらった写真だが、 『果てしなき流れの果てに』の時空像が、 現代のブレーン宇宙論を何十年も前に先取りした(あるいは上回っていた) 壮大な物語だった、などどぼくがくっちゃべっているあたり。

SS

ゲストの立場ながら個人的に一番インパクトがあったのが、 『虚無回廊』に出てくる茶筒SSのイメージだった。 科学館の飯山さんが作成したCGだけど、 ちょうど一週間前に科学館であった高校生イベントの後で、 今回の打ち合わせをした際に初見したとき、もーびっくりした。 とにかく、思いの外に、でかかったものだ。 堀さんも、“こんなのが現れたら、みなわかりますよね〜(笑)”。

四方山話

後半の小松左京四方山話コーナー。 ゲストで座っているんだけど、樋口さんたちの裏話が面白くて、 お客さんたちと一緒に聞き入ってしまった(笑)。

この後ラストは、小松ロケット打ち上げ映像− 2011年11月29日「小松左京を宇宙へ送り出す会」用に、 樋口監督たちが自主制作した十分弱の映画だけど、 これがまた驚嘆するぐらい面白かった。

終了後、8時ぐらいから、近くの居酒屋で打ち上げをしたけど、 みんな、よく呑んで呑んで呑んで(笑)。 また、科学館のドームに投影した小松ロケットの打ち上げ映像や、 他の映像が非常にインパクトがあったので、 科学館で上映する映画を作ろうという話で盛り上がった。 どっかでお金が取れれば、ほんとに実現して欲しい。