第1回 天文宇宙検定 大阪会場@大阪国際大学守口キャンパス(2012/10/07)

一昨年の暮れから、ちょっと(かなり)大変だった「天文宇宙検定」も、 2年目となった。 今年は3級と2級に加え、4級と1級も実施したので、 なかなかに大わらわで大変だったが、 第2回検定試験が無事(?)実施された。 4級と1級が新規だったこともあり、 まぁ、いちおー、監修者として、 昨年に続いて、大阪会場へ視察に行ってきた。

試験会場

昨年と同じところなので、今年はすんなり辿り着いた。 いい試験日和(?)である。 これは、受検本部の6階教室から撮影したモノ。

ホール

メインの会場ホール。 検定試験は、
11:00〜12:00 4級(このホール)
13:00〜14:00 3級(ここと2階の2部屋)
15:00〜16:00 2級と1級(ここと2階の2部屋)
で実施の予定。 2級の合格者しか1級は受けられないので、 2級と1級は並行で実施。

家族連れで賑わう?

もともと4級は考えていなかったが、昨年、 かなりの人数の小学生が3級を受検して、 難しいので4級が欲しいとの声を受け、 今年、4級を実施することになった。 期待通りというか、まだ試験開始の小一時間前なのに、 家族連れがわんさか集まってきている。

4級試験開始直前

4級試験の開始直前。 ホールの半分ほどが受検者で埋まっている。 やはり予想通り、小学生が大多数で、 大人が1割ぐらいだろうか。 大阪会場の最年少は6歳の小学生だったらしい。 全ルビだが、6歳ではさすがに難しかったかも。 終了後に尋ねた5年生の男の子は、ふつーぐらいだった、 と言っていたので、小学校中学年以上の天文好きの子どもにとっては、 ちょうどいいレベルぐらいになったようだ。

2級試験開始直前

同じくホールで、 午後の2級試験開始直前。 ホール全体が受検者で埋まっている。 3級もだいたい同じ感じだったはず。 ざっとみたところ、昨年と同様、 学生から年配の人まで年齢層は幅広く、 男女比もだいたい同じくらいのようだ。

1級試験開始直前

1階ホールで実施した2級と並行して、 2階の教室で実施された1級試験開始直前。 左手側は1階ホールで入りきらなかった2級の受検者で、 1級受検者は部屋の右側のみなので、 さすがに、1級受検者はそう多くはないようだ。 まぁ、2級に比べて、ぐっとレベルが高くなっているし、 アンケートでも難しすぎるとの回答が圧倒的だった。

今後は?

去年に見学したときは、ぼく自身も並行して、3級と2級のテストをやってみて、
3級:所要時間20分/50分、誤答5問/80問、92点/100点
2級:所要時間20分/50分、誤答5問/80問、93点/100点
という成績だった。 今年は、4級はさすがに楽勝だろうし、逆に、 1級はぼくでも難しめなので、試験の合間は、持ち込んだ仕事をしたり、 日販の人や恒星社の人と、四方山話をしていた。

天文・宇宙への関心を高めるために、こういう検定は有効だろう。 とくに、今年からはじめた4級は小学生にはよかったようだ。 効果的な宣伝をどうするかが、やはり最重要課題だろうなぁ。

また、1級のレベルも検討課題ではある。 後から加えた4級も含め、想定レベルは、
4級:小学生ぐらいの内容レベル
3級:中学生ぐらいの内容レベル
2級:高校生ぐらいの内容レベル
1級:大学生ぐらいの内容レベル
である。 これは、あくまでレベルがそうなので、 指導要領のもとで書かれている学校の教科書は意識せずに、 面白くない内容は入れないし、面白いモノをどんどん入れよう、 という、監修者の黒田さんを中心とした意見のもとで、 公式テキストは執筆されてきた。 また天文学も天体現象だけに拘らず、 天文学史や宇宙開発、バイオアストロノミーからSFまで、 できるだけ広く捉えるようにした。 DNAやアニメの話も出るので、生物学検定やアニメ検定ではないか、 という声が挙がるのは想定済みだが、 バイオアストロノミーはIAUのブランチにもあるぐらい重要な分野だし、 SFやアニメも、それぐらいの余裕をもって愉しんで欲しいわけである。
内容については、できるだけそのような方針が守られているが、 難しいのはレベルである。 4級・3級・2級のレベル差と比べて、 大学の(専門課程の)天文学は、実際に、 極端にレベルが高くなるのだ。 今回の1級検定問題よりも、さらにレベルが高いだろう。 したがって、謳い文句どおりに大学レベル相当にすれば、 1級合格者は極端に少なくなると予想された。 当然、1級のレベルについては、関係者間でかなり議論があったが、 ほんとに天文学の奥深さを知ってもらうためにも、 1級合格者はぐっと少なくても、 ある程度のレベルを維持しようという結論になった。 事前の予想では1級合格者は5%から10%ぐらいだが、 さて、どうなるやら。 いずれにせよ、1級については、今回の結果をみて、 検討やフォローが必要になってくるだろう。