Princeton Diary 3


Danny and me

9月28日(土) ファミリー

7:00 起床.
 このところ信じられないほど規則正しい生活をしている. こんなに規則正しい生活をしたのは, 高校生のとき以来じゃなかろうか?  あ,大学4年に教育実習やったときも, 2週間だけ規則正しかったっけ.
 時差も取れ,こちらの環境にも少し馴染みはじめた頃に, 滞在も終わりに近づいてきた. 2回目のウイークエンドである. 今日は,一応,ショッピングとターナーさんちにお呼ばれの予定.
 宿をNassau InnからふたたびPalmer Houseへ戻す. なんだかすごくほっとした. 大学のゲストハウスであるPalmer Houseを 2日間追い出されていたのは, Palmer Houseでプリンストン大学のお偉いさんたちが 集まる行事があったらしい. 朝,Palmer Houseに荷物を置きに行ったら,管理人さんから, 荷物は置いていってもいいけど (建物には)午後まで入るなと言われた(らしい). めちゃ,アヤシイ.????

10:00 Peytonへ入れないぞう.
 今日の午後は,プリンストンのスタジアムで フットボールの試合があるらしい. ま,それは構わないのだが, おかげでスタジアム近傍は極度の交通規制になっていた. そしてPeyton Hallとその駐車場は スタジアムのすぐそばにあるのだったりする. まぁ,よーするに簡単には入れないわけね.
 ま,それもいいとして,酷いのはプリンストンの学内ポリスだ (学内ポリスというのは,警備員と警察を足して2で割ったような感じで, プリンストン大学内ではある程度の警察権を持っているらしい). まずいつも通っている一番近い道路(ゲートAと呼ぶ)を行くと, 道にバリケードが張ってあって,立ち番をしていた婦人警官が,
 “ここは入れない,あっちのゲートへ行け”
とのたまう. あっちのゲートに回ると,別の警官が,
 “お前が許可されている駐車場に一番近いのはゲートAだから, そちらへ行け”
とのたまう. U氏がゲートAから来たんだと言っても,取り付く島もない (日ごろ温厚なU氏もかなり切れかけてた). ふたたびゲートAに回ったが,婦人警官は入れてくれない. よーするに,ただタライ回ししているだけで, 自分のとこで責任を取りたくないだけらしい (アメリカではこーいうのはザラなことだそうだ).
 結局,スタジアムの彼方の駐車場に停めて, テクテクとPeytonまで30分ぐらい(やや誇張)歩かされる. 朝から疲れた.

10:30 Tくんと議論.
 計算結果について物理的な観点から議論. 2時間ほど議論して,ショッピングがてら, Princeton Market Fairのテリヤキボーイへ食事に行く. 前と同じく,Mix Udon Soupを食った.

午後 ショッピング.
 各人それぞれの土産物を買うために,午後の大半を費やして,
  ダウンタウンにある有名ブランドのカバン屋さん
  郊外のモール Princeton Market Fair
  郊外のトイザラス(Toys R us)
  郊外のビッグモール(デパートの集合体)
を巡る(U氏が連れていってくれる).
 でもって,

3人3様に悩みは尽きない. こんなことには無縁なTくんが羨ましくもある. とにかく英語の議論より疲れたショッピングだった.
 #いや,実際,疲れ果てて, 5時過ぎにいったん宿舎へ戻って30分ほど休息したぐらいだから.

6:00 ターナー氏の自宅でホームパーティ.
 夜は,大学から車で10分ほどの距離にあるターナー氏のお宅に招かれる. 招待客は,われわれ日本から来た4人に加え, すでに滞在中の土井さん夫妻(奥さんはお酒が強い), インドから来ている電波天文学者のクンドゥーKundu (メチャしゃべりのおっさん), 中国から来ている重力レンズの理論をやっているワンWangさん夫妻 (旦那さんとはネットが取り持つ仲だそうだ)の, 総勢9人だった.
 迎えてくれたのは,ターナー氏,奥さんのジョイスJoyce,Danny, ダニーの友達のニールNielである.


Me, Masayuki, Tohru, Shin, Kundu, Ed, Joyce, Mr.&Mrs. Doi, Mr.&Mrs. Wang

 総勢13人だが,家はとーぜん広くて,まったく問題ない. あ,それから,やはりとーぜんだが,車は2台(乗用車とワゴン)ある. 家の間取りまでは,さすがに詳しく書けないが, ぼくが借りている日本の家なら4つか5つぐらい入るんじゃなかろうか.
 ホームパーティ自体はこちらのスタンダードなスタイルで, 最初に1時間ばかりソファに座ってオードブルで飲んだ後, テーブルに移ってメインディッシュともちろん会話を楽しんだ (今晩は全体にメキシコ料理風でアレンジされていた).
 またもちろん英語が飛び交うわけで, 話題にはかろうじてしか付いていけない. それでもあっという間に時間は過ぎ, 辞去したときには11時近かった. いや,ほんとは,10時ぐらいには辞去するつもりだったんだが, ちょうどその頃,土砂降りの雨が降り出して, ちょっとタイミングを外してしまった. おまけに,ターナー氏の側に陣取ったクンドゥーの舌がぜんぜん止まらない. 11時近くになると,ターナー氏も奥さんも,ときどき欠伸が出始めたのだが, 日本人(われわれ一行と土井氏夫妻)はそこらへん敏感なので, 皆切り上げ時をどーしようか悩んでいた.
 それにしても,お呼ばれに行ってこういう楽しい思いをした覚えは (日本では)ほとんどないが, こちらに詳しいU氏も,ターナー氏(と奥さん)は特別だ,と言っていた.


Danny, Niel, Mac

も一つ驚いたのはダニーの部屋である. 居間でオードブルをつつきながら野球の話になったときに, ダニーがどこかへ行ったと思ったら, 野球選手のホームページをプリントアウトして持ってきた. えっ,と思って見せてもらいに行ったら, 机の上にマックとプリンタがあって, サクサクとインターネットしてる. これには仰天した(だってダニーはまだ11歳).
 ま,いろいろ聞いたら,ターナー氏という研究者の子供でもあるし, さすがにこちらのスタンダードではないようだが. 早速,ダニーのマシンでぼくのホームページも見に行って, ブックマークに登録してあげた(結構,イヤだったかもしれない).

 宿に戻って,少し入力後,
12:30 就寝.


9月29日(日) アインシュタインの家と“ニューヨーク”

8:00 起床.
 同じPalmer Houseにドイツから来た数学者が泊まっていて, Insituteにちょくちょく行っているらしい. アインシュタインの部屋は見たかと尋ねると, 見たがどこだったかよく覚えていないようだ. しかし,アインシュタインが住んでいた家が 近くにあるという. マーサ通りからInsituteまで歩いて通っていたのは, ぼくも伝記で読んでいたことがあり,俄然,興味が湧く. はてさて,滞在時間は残り少なく, アインシュタインの家を見つけ出し, 見学するチャンスがあるかどうか?

10:00 Peytonへ.
 日曜日だがまずPeyton Hallへ. 流石に誰もいない. 普段は院生でいっぱいの地階の端末室はガラ空き. Tくんに教えてもらいながら, ワークステーションで日本語が読めるようにする (正確にはほとんどTくんにやってもらった). 200通ぐらい未読の日本語メールが溜まっていて, 半分くらい流し読みし力尽きたところで,ちょうど昼時だった.

12:30 Independence Day.
 例によってHoagie Havenで定番のサンドイッチを買う. ベーコンが香ばしくて何度食べても飽きない. U氏とぼくは,サンドイッチを持って,そのまま Princeton Market Fairへ. U氏は(日本より半年早く)Independence Dayを見るために. 字幕がないとシンドイだろうと直感したぼくは, 本屋をゆっくり見るために.


Book store in the Priceton Market Fair

 本屋は前にもちょこっと覗いたBarnes&Noble. 店内はかなり広く,中央にはカフェもある. そこかしこに椅子が置いてあり, 客が売り物の本を読んだり, (やはり売り物の)新聞を広げたりしている. 中央のカフェにも,支払いの済んだ本はもちろん, 支払いがまだの本を持ち込んで読んでいる. 万引きという概念はないのだろうか? よーわからん.
 すでに2度ほど来ているが, 今日はゆっくりと店内を眺めてまわる. 専門書はもちろんのこと, SFの本(スタートレック本が圧倒的に多い), アニメ関係の本,フィクション,ノンフィクション, 欲しいものばかり. 重さと体積さえなければ・・・. それでもとうとう,誘惑に負けて, 日本のコミックを紹介している『漫画人』という雑誌を 買ってしまう. 荷物が重くてひいひい言ってしまいそうだ. うーん,資料にまぎれて大学から送ってしまおうか.
 1時間ほど店内をウロウロしたらくたびれたので, (店内のあちこちに置いてある)椅子に座って, 少しLibretto20へ入力.Libretto大活躍. データちゃん,壊れないでね?
 3時過ぎに本屋の真ん中のカフェへ. 今日は少し奮発してカフェラッテ(とクッキー)を頼む. 普段は焦るのでとりあえずカフェにしちゃうわけだが, 今日はカフェのレジの上にあるメニューをゆっくり見れたから, エスプレッソとかカプチーノとかカフェラッテとか,一応,読めて, ゆっくり頼めたわけだ. もっともカフェラッテと3回言って,やっと通じた. というか,正確には,向こうが“カフェラッテか” と聞き返してくれたので,イエスと答えたのだが. ついつい,ダウンタウンの**はどこまで通じるか, を思い出してしまった. ちなみに,カフェラッテはエスプレッソに クリームミルクを混ぜた奴だったかな?
 3時半頃,推定どおり映画が終わり,U氏がカフェに現れ,Peytonへ戻る.
 ところで,他は知らないが, プリンストンには,喫茶店や居酒屋の類が極度に少なかった. 今日行った本屋のようなまっとうな書店には, アヤシゲな本もほとんど見当たらない. ある意味では健全だが,何かこう押え込んでいるような気もしないでもない. 京大近辺なんかと比べるととくに. 学生はどーやって発散しているのだろうか?

17:30 アインシュタインの家.
 Peytonで少し仕事を片づけた後, まず,Barnes&Nobleで買ったプリンストンの地図で見つけた <アインシュタインの家>を見に行く. マーサ通り112番地に,それはあった. でも,何の標識もないし,全然手入れされていないし,若干,半信半疑. でも,確かにこの家に違いない. Tくんとぼくは,かなり狂喜乱舞状態. とにかく写真を撮る. アインシュタインの家は予定外のラッキーだった.

18:00 ハドソン川の向こう.
 そしてニューヨークへ. 正確には,ハドソン川をはさんで, マンハッタン島の向かい側の埠頭まで, ニューヨークの夜景を仰ぎ見に行く.
 ニューヨークに行くという考えはなかったが, それなら夜景を見に行くのはどうか,という案が, 数日前にU氏から提示されていた. Tくんはかなり強く希望,ぼくとM氏は行ってもいいよ,程度. で,ニューヨーク近傍まで1時間30分程度のドライブになるし, 天気や他のスケジュールを見ながら,今日になったわけだ.
 そして,今日,朝方はどんよりしていたが, 午後から回復し,なかなかですね,天気. じゃあ,行こう,ということで,決行. 途中で適当なレストランがなかったので, 食事を取らずにまっすぐ目的地まで行く. 面白いことに,プリンストンとニューヨークをつなぐ 街道(ルート1)に沿って, ニューヨークへ向かう道の側にはファーストフード店ばかり, ニューヨークから帰る道の側にはレストランやモールが数珠つながり. よーするに,朝,ニューヨークへ通勤する人はファーストフード店を利用し, レストランは帰宅者向け,ということなのだろう.
 ま,ともかく,夕食を取らずに行ったのが幸いで, ちょうど夕暮れ時に目的地に到着. 目的地は,マンハッタン島の対岸の埠頭公園. 目の前に,マンハッタンの摩天楼が広がっている. 少し目を逸らすと自由の女神も見える. そして暮れなずむ夕焼けの中,摩天楼に火が灯っていく. まるで海から突き出た“逆さシャンデリア”だ. もうスゴイの一語.
 なかなか,のもんですねぇ,とはT氏状態のM氏.
 #これにはちょっと説明が必要だろう. 何年か前,U氏がプリンストンに長期滞在していたとき, 天文学者のT氏夫妻が訪れたそうだ. そこでU氏がニューヨークの夜景を見せるために, T氏夫妻を案内してやはり同じ埠頭に来たと思いなせえ. そのときのこと. T氏の奥さんは来たがったのだが, T氏は最初からあまり乗り気ではなく, U氏が途中で少し道に迷ったときには, もう(夜景は)いいんじゃないですか? と言ったとか言わなかったとか. (T氏の)奥さんの要請で続行. そして夜景を目の前にしたとき, 奥さんは純粋にはしゃいでいたそうだが, T氏は,一言:“うーん,なかなかのもんですねぇ!”.
 今日は,なかなか,が流行った.


The night view of New York
(暗くてバックの夜景は写らなかったので,絵葉書と合成した.)

21:00 アメリカンピザ.
 ニューヨークの夜景を堪能して, プリンストン近くまで戻り,遅い夕食を取る. アメリカンピザ. もともとピザはあまり好きな方じゃないが,ナイスな味. U氏がプリンストン近郊では一番気に入っていた店だそうだ.
 ところがそんな美味しいピザなのに, なぜかフチだけ残すU氏 (ぼくも残してたけど,たんに量が多すぎたため).
 “なんで残すんですか”とはTくん
 “パサパサしたのがダメなんだよ”
 “ビーフも嫌いですね”
 “好みだからしようがないじゃない”
 “よーするにワガママなんや,カミサン苦労するはずや”
 “さりげなく突っ込み入れるね”

荷物を取りにPeytonへ寄って, Palmer Houseへ戻ったのは,11時を回っていた. 残っていたビールをきれいにして, 入力,もう1時近い,ごっつ眠くなったので, もうやめ.寝る.

9月30日 Goodbye Peyton(月)

8:15 起床.
 明日はフライトが朝早いので, Peytonへ行くのは今日が最後になるはずだ. 夕べ遅かったせいもあるが,比較的ゆっくりと寝ていた.

9:30 快晴.
 雲一つない青空が広がっている. プリンストンに着いた翌日 (着いたのは夜だったから実質的なプリンストン初日)も, やはりよく晴れていた. が,実質的にプリンストン最後の日となる今日は, 初日以上に素晴らしい好天気. あまりにももったいないので, 宿舎のPalmer HouseからPeyton Hallまで, 大学の構内を散策していくことにする.
 もう写真も撮らない, メモも取らない, 何も考えない, まわりの風景をじっくりと眺めながら, 30分ほどかけてゆっくりとPeytonへ向かった.
 ちなみに他のメンツはと言えば, Tくんは仕事をしに一目散にPeytonへGO. M氏は(日本から新しいコマンドを受けて) カクテル用のリキュールを買いに回っている. そして面倒見のいいU氏は,レンタカーを返しに行ったり, 明朝の空港までのリムジンの手配をしていた.

10:00 整理.
 午前中,メールを読んだり, 郵便で送る資料の整理をしたりしてたら, あっという間に昼になってしまう. 合間にパチンスキーを捕まえて(なんか偉そうな言い方), 彼の写真をホームページとかに載せてもいいかとか, マイクロ重力レンズの観測施設OGLE2の資料はあるかとか, ちゃっかり許可とかを取っておく (もちろん喜んでOKしてくれたが).

12:00 カフェテリア.
 昼,ラプトンR. LuptonがU氏を誘いに来て, スタッフとともに大学のカフェテリア(職員食堂)へ昼食に行く. 最後の昼なので,Hoagie Havenのサンドイッチも捨て難かったが, 新しいところも体験しておきたくてついていく. ようやっと,サンドイッチぐらいなら頼めるようになってきた.
 #ちなみにラプトンはいつも裸足. こちらでは流行かと思っていたら,彼だけらしい.
 1時間ぐらいで帰る.


Peyton Hall

14:00 ターナー氏と議論.
 ターナー氏はこの10月に訪日する予定になっていて, そのときのスケジュールなども含め, 今後の進め方について,最後の議論をする.

16:00 Tくんと議論.
 さらに少し休んで,Tくんの進展について議論. なかなか面白い結果が出てきたが, 材料が増えすぎて,まとめ方が大変そうだ.

17:30 夕食.
 ターナー氏のワゴンでイタリア料理店Montgomeryへ. ここもAmerican Diner,ようするにファミリーレストランの一つ. まずターナー氏の家へ行って,ダニーを拾い,ファミリーレストランへ. まもなく奥さんのジョイスも合流. 例によってワインがないのは少しさみしいが, ボリュームはやはりアメリカンで,とても食べきれない.


Shin, Joyce, Ed, Danny, Masayuki, Tohru, me

 8時頃,ふたたびターナー氏の家へ行って, マイクロ重力レンズのシミュレーションのビデオを見せてもらう. なかなか面白かった. また,プリンストン滞在中で,このときだけ, 自分の理解度がピーク時に達していて, そのこともちょっと嬉しかったりする.
 9時ぐらいに,ワゴンでPalmer Houseまで送り届けてもらう. ターナー氏には何から何までお世話になった. Dannyとも名残惜しかったが,so long.


Danny, see you again

宿舎のロビーに置きっぱなしにしていたビール3本, メイドさんが冷やしてくれていたのだが, 最後の最後に空にする. でもビールを台所へ取りに行ったときは, (大の大人が3人も)暗い台所をコソコソと動き回って, なんだかすごく変だった.

こちらで最後の風呂に入り, 荷造りのチェックや持ち物の処分(古い下着を捨てたりとか). そして少し入力して,
11時頃,就寝.

10月1日(火) フライトふたたび

6:00 起床.
 日本から持ってきたタイマー付きの携帯時計が初めて役に立った. きっちり予定通り目が覚める. プリンストンは今日も快晴だ.
 昨日予約していたリムジンは来ているだろうか?  U氏が通りまで迎えに行ったが,なかなか戻ってこない. いや,戻ってきた. しかし長い.実に長い. あ,時間じゃなくてリムジンの長さ. 普通の車の二つ分は優にある. おまけに,車体の横には電飾つき. こんなリムジン,乗るのはもちろん見るのもはじめてだ. U氏の洗濯(ちゃう選択)のおかげで, プリンストンとの別れも豪華に飾れそうだ.
 地平線から登る日の出を眺めながら, リムジンは一路,Newarkを目指したのだった.
 #ただね,リムジンの運転手さんがね. 気を遣ってくれんたんだろうけど,よくしゃべるんだわ,これが. U氏が応対していたけど,どっちが気遣ってたんだか.


Airport limousine

9:30 NW085便,デトロイトへ向けニューアークを出発.
 フライトの1時間半ぐらい前にニューアーク空港に着いたので, まずはチェックインしてから,軽食レストランで食事をする.
 Tくんは(昨夜もPalmer Houseでほとんど徹夜で計算していたのだが) 食後もレストランのテーブルで計算を続けている. イヤー,昔は(自分にも)こんな時期があったんだなぁ,と思うと, とりあえず売店でアヤシイ本を買ってしまう自分が,ちょっと悲しい (それも,わざわざ,レートの悪い空港で, 日本円のTCを交換してまでね). ま,ともあれ,飛行機は予定通りデトロイトへ向け離陸した.
 デトロイトまでは約2時間のフライト. 日本なら半分ぐらい縦断できそうだ. 朝早いせいもあるだろうか割と空いていたので, 窓際の席に移動して眼下を眺めることができた. よく晴れていたので景色が美麗だった (もっとも到着時には夕日に映える摩天楼を見ることができたが, 今回は方向が悪く朝日に映える摩天楼は見れなかった).
 機内で,M氏とはTVゲームの話で盛り上がったりする. 奥さんが“謎解きの要素がありアクション性がありそして怖い”ゲームが 好きなのだそうだ(BIOHAZARDはピッタリだよね). しかし,M氏自身がゲームについて案外によく知っているのは意外だった.


Lake ?

11:25 デトロイト到着.
 ここでも待ち時間が1時間ほどあったので, コンコース前で計算に熱中しているTくんを荷物番に残し, 後の3人は,duty free shopへ走る. ぼくは機内の暇つぶし用にアヤシクナイ雑誌を数冊買っておく. 本は重いからヤなんだが,途中で捨てればいいか.
 成田行きの便に搭乗するU氏およびTくんと, 関空行きの便に乗るM氏およびぼくは, コンコースF12とコンコースF14で,二手に別れる. お互いの無事を祈って. ちなみにコンコースF13は存在しない.

12:55 NW069便,関空へ向けデトロイトを出発.
 のはずだったが,これがいくら待っても出ないだな. どうも整備不良かなんかで出発が遅れている. 結局,1時間半ぐらいの遅れで,なんとか舞い上がった.

機内では日本円のTCも使えるので,duty free商品を少し買い足す. うーん荷物が重くなった. もう一度,サングラスを追加しようとしたら,お釣がドルしか出ないので, ドルでもらっても仕方ないし,キリがよくなるようにチョコレートも買う. ますます荷物が重くなった.

日本まで約13時間のフライト.現在,半分を少し過ぎたあたりか. 日本から持ってきていたSF小説や,空港で買い込んだ雑誌 (アヤシイ奴じゃなくて,科学雑誌やコンピュータ関係の雑誌)のおかげで, 往路ほどは退屈しないですんでいる.
 プリンストン時間ではそろそろ就寝の時間である. 隣ではM氏が,喉が渇いたという感じで, ビールをもらってきて飲んでいる. 案外飲んべだったりするんだな,M氏がまた (でも,美味しそう,ぼくも後でもらいに行こうかな).
 プリンストン時間で12時を過ぎると,まわりはたいてい寝ている. 少し眠くなったので,目をつぶって1時間ほど我慢するが, やっぱり眠れるもんじゃない. なんてデリケートなんでしょう!

10月2日(水) 天国からの帰還

日付変更線を越え,一日損して,
15:50 関空到着.
 いや,本来のフライトはその予定だったんだが, デトロイトでの遅れが尾を引き,予定より1時間ほど遅れて,
日本時間10月2日午後4時42分:
天国(パラダイス)から下界(ホーム)へタッチダウン.


実質的には10日ほどのプリンストン滞在. もちろん,短期の滞在だからこそパラダイスだったので, 長期に暮らすとなるとまた別かもしれない (実際,1年ほどプリンストンに暮らしたU氏は,そう言っていた). しかし,一時的にせよ,ぼくにとっては天国ないしは竜宮城だったようだ. 日本に帰れば,時差ボケの頭に現実が押し寄せてくるだろう.

スペシャルサンクス
 プロジェクトの中心となって全面的に面倒をみてくれた梅村雅之氏, 関西からずっと同行して助けてくれた嶺重 慎氏, ワークステーションを教えてくれた釣部 通くん, プリンストンで公私にわたって世話をしてくれたターナーさんおよびご家族, 名前の出てきた皆さん出てこなかった皆さん. このような素晴らしいチャンスを作ってくれたみんなに今一度感謝したい. とくに梅村氏は, あるときはツァーガイド, あるときは通訳, あるときは運転手, あるときは・・・, として,大変お世話になった. Thank you so much.


福江ホームページへもどる
天文学研究室へもどる