doppler
ドップラー効果

ここでは光のドップラー効果について紹介します。
ドップラー効果は、身近な所にも存在します。
例えば、電車に乗っているとき、踏切に近づいている時には音が普通よりも高く聞こえますが、
踏切から遠ざかっている時には低い音に聞こえます。
このように、音源か観測者が運動しているときに音の高さが変わる効果をドップラー効果といいます。
ドップラー効果は、音が波であるために起こるものですが、光も実は波の一種なのです。
そのため、光にもドップラー効果があり、それは色の変化として現れます。



光は波の一種
光は波の一種で、色の違いは波長の違いによります。
波長とは波の山と山(あるいは谷と谷)の間の長さのことです。
波長が長いほど赤く、短いほど青い光です。
天体が動いていない場合は、当然のことですが、天体の色がそのまま見えます。
(※厳密に言うと実際に観測される星の色は、本当の色と完全には同じ色ではありませんが...)

赤方偏移
ここからは、運動している天体についての説明をします。
まずは、天体が観測者から遠ざかっている場合です。この時は、図のように光はもとの波長から引き延ばされます。
観測者に届く光は、本当の星の光より少し長い波長になっているのです。
波長が長くなるということは、すなわちもとの色より少し赤く見えるということです。
このような波長の変化のことは赤方偏移(せきほうへんい)と呼ばれます。
赤方偏移は、天体の移動速度が速くなるほど大きくなります。

青方偏移
天体が観測者の方に近づいてくる時はどうでしょうか。
上でお話した、赤方偏移と逆のことが起こります。
近づく天体から発せられた光は、波長が縮んで観測者に届きます。
観測者は、波長が短くなった、つまり青くなった光を見ることになります。
これは青方偏移と呼ばれます。
青方偏移も天体の運動速度が大きいほど大きくなります。

星のスペクトルから赤方偏移や青方偏移を調べると、その星が地球に近づいているのか、それとも遠ざかっているのか、そして、どれくらいの速度で動いているのかなどを知ることができます。