第24回天体スペクトル研究会
プログラム + 講演要旨(口頭12分+質疑3分、ポスター紹介:口頭3分)
2019年3月2日(土)
座長:山中
13:00-13:05 事務局・実行委員から諸連絡
13:05-14:05 太田耕司(京都大学) 京大3.8m望遠鏡とマルチメッセンジャー天文学(招待講演)
3.8mせいめい望遠鏡とその観測装置(今後の予定も含めて)ついて概要を紹介します。また、最近始まったマルチメッセンジャー天文学について簡単に紹介し、3.8m望遠鏡で考えているマルチメッセンジャー天文学に関連する観測課題をお話したいと思います。
14:05-14:20 泉浦秀行(国立天文台) 光学ベンチ上HIDES-Fの現状と今後
2017年12月末で旧岡山天体物理観測所188cm望遠鏡の共同利用が終了した。直後からHIDES-Fの高精度化、高感度化を進めて来た。本講演では光学ベンチ上に再展開したHIDES-Fの現状を報告する。
14:20-14:35 西村昌能(NPO法人花山星空ネットワーク) 3He星3 Cen Aの元素成層構造について
弱He星 3 Cen A(3He星 T=17500K, logg=3.8)で、元素組成比を解析し、3 Cen A の元素の成層構造を証そうとする試みを紹介する。
14:35-14:50 休憩
座長:橋本
14:50-15:05 加藤賢一(岡山理科大学) 46P/Wirtanen彗星の低分散スペクトル観測
2018年12月15日、周期5.4年のWirtanen彗星の低分散スペクトルを撮影し、水起源と思われる酸素の禁制線を確認した。太陽に近かったことが影響していた。仙台市天文台・仲千春との共同研究。
15:05-15:20 海老塚昇(理化学研究所) 太陽系外流星のステレオ・分光観測
アマチュアの重野氏がI.I.によるステレオ観測から求めた3,886個の流星軌道のうち15個が系外流星の候補として抽出された。ステレオ観測と分光観測を組み合わせることによって太陽系外流星の成分を比較することが可能になる。
15:20-15:35 海老塚昇(理化学研究所) すばる望遠鏡及び次世代大型望遠鏡用の新しい回折格子 III
次世代天文観測装置用の透過型の新しいVolume binary grating, Reflector facet transmission grating等の製作方法について紹介する。
15:35-15:50 中岡竜也(広島大学) かなた望遠鏡で発見された特異なII型超新星
II型超新星は、爆発初期から中期にかけて、スペクトル中に水素の吸収線を示す。しかし近年、爆発初期のスペクトルに吸収線を示さないII型超新星が発見されるようになった。かなた望遠鏡で観測を行った超新星でも数例見られるため、これらの報告と議論を行う。
15:50-16:10 ポスター紹介2件+休憩
- 渡邉和明(株式会社昭和機械製作所) グリズムを使った低分散分光器「VEGA」
教育用、入門用として製作したグリズムを用いた可視光域の低分散直視分光器「VEGA」の紹介をします。
- 五藤テレスコープ デモ展示
座長:加藤
16:10-16:25 川端美穂(広島大学) 爆発直後からの紫外-可視域におけるIa型超新星SN 2017erpの測光分光観測
近傍銀河で爆発直後に発見されたIa型超新星SN 2017erpを紫外-可視域で測光分光観測を行った。その結果、超新星の膨張大気が伴星や星周物質と相互作用した兆候を捉えることができた。本講演ではその考察の結果を報告する。
16:25-16:40 本田敏志(兵庫県立大学) 西はりま天文台MALLS分光器のエシェルモード追加について
西はりま天文台の2mなゆた望遠鏡には低分散から中分散に対応したロングスリット分光器(MALLS)が搭載されている。高分散、広波長域の観測モードを実現するため、MALLSへエシェルの追加を進めている。現時点では未完成ではあるが、現状や今後の展望について報告する。
16:40-16:55 山中雅之(広島大学) 光赤外線大学間連携を通じた450日間に亘る近傍IIP型超新星SN 2017eawの追観測
明るいIIP型超新星SN 2017eawを紫外可視近赤外線の多バンド・測光偏光分光の多モードで450日間に亘り観測を実施したので、これを報告する。
17:30- 懇親会@あべのハルカス
2019年3月3日(日)
座長:本田
09:30-09:45 松井瀬奈(岡山理科大学) 分光データ解析ソフトDemetraについて
DemetraはフランスのShelyak社が開発した分光データ整約解析ソフトである。このソフトは同じくShelyak社製の分光器Alpy600で取得したデータを想定したものとなっている。今回の発表ではDemetraについての解説とデモンストレーションを行う。
09:45-10:00 安藤和子(岡山理科大学) 分光器Alpy600を用いた試験観測
我々は2018年5月からフランス・Shelyak社製分光器Alpy600を用いて様々な天体に対して試験観測をおこなっている。本発表では試験観測・データ解析について発表する。
10:00-10:15 石田光宏(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校) カシオペア座γ型変光星の観測
カシオペア座γ型変光星(GCAS)とは、変光周期が不規則である爆発型変光星の一種である。高速で自転しているため赤道周りにガス円盤を作り、そこから水素輝線が観測される。GCASの測光・分光観測を始めたので、報告する。
10:15-10:30 定金晃三(元 大阪教育大学) 高温度星のスペクトルにみる宇宙の風景
太陽から遠距離(1 kpc以上)にある恒星のスペクトルには、星本体の情報以外にその星と太陽を結ぶ線上の星間物質の情報が含まれる場合がある。そのようなデータの実例を紹介する。
10:30-10:45 休憩(全体写真撮影)
座長:野上
10:45-11:00 橋本修(ぐんま天文台) 低分散分光器GLOWSによるスペクトルのカラー画像
ぐんま天文台の150cm望遠鏡に設置された低分散分光器GLOWSにデジタルカメラを設置し、カラーの分光画像を取得した。主に教育的な活用を目指したものであるが、その可能性や問題点について報告する。
11:00-11:15 坂江隆志(埼玉県立浦和西高等学校) 高校生向け特別授業「虹の不思議」について
自作高分散分光器による太陽スペクトルの観察、Na吸光器や炎色反応による吸収線の生成、Naの黒い炎の実演などのほか、各種分光素子のデモンストレーション実験を行った特別授業について報告する。
11:15-11:30 山村春香(岡山理科大学) Tタウリ型星V523 Oriの分光・測光観測
2017年10月にTタウリ型星V523 Oriの増光が報告された。これを受け、この天体の分光観測を増光の報告後から現在も継続して行なっている。本発表では、観測で得たスペクトルを測光観測のデータの解析結果とともに報告する。
11:30-12:00 「分光学教科書」の紹介
12:00- 閉会の挨拶
12:30- 天王寺キャンパス天文台見学(希望者)
3rd サーキュラー
第24回天体スペクトル研究会のご案内 (第3報 2019年2月13日)
天体スペクトルを利用して研究されている方、分光器の研究や製作をされている方、
学校などで天体スペクトルを教えている方々を対象に、今年も研究会を開催いたします。
下記の通り、発表(口頭・ポスター)および参加の申し込みを受け付けています。
みなさまのご参加をお待ちしています。
研究会実行委員長 松本桂(大阪教育大学)
---------------------------開催要項---------------------------------
●日時:2019年3月2日(土)午後1時 〜 3月3日(日)午前12時(予定)
●会場:大阪教育大学 天王寺キャンパス 西館 第5講義室
〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88
https://osaka-kyoiku.ac.jp/access_map.html#tennoji
●参加費:3000円(無給の学生は無料)
集録印刷費、発送費および茶菓子代などに利用します。
●懇親会:天王寺駅周辺で実施予定です。学生割引を予定しています。
●宿 泊:各自で手配をお願い致します。
※参加を決められている方は早めの確保をお勧めいたします。
●エクスカーション:特に予定していませんが、希望者がいれば天王寺キャンパス天文台の見学。
●招待講演
太田耕司 氏「京大3.8m望遠鏡とマルチメッセンジャー天文学」
3.8mせいめい望遠鏡とその観測装置(今後の予定も含めて)について概要を紹介します。
また、最近始まったマルチメッセンジャー天文学について簡単に紹介し、3.8m望遠鏡で
考えているマルチメッセンジャー天文学に関連する観測課題をお話したいと思います。
●主な発表の題名
「カシオペア座γ型変光星の観測」
「光学ベンチ上HIDES-Fの現状と今後」
「46P/Wirtanen彗星の低分散スペクトル観測」
「高校生向け特別授業「虹の不思議」について」
「3He星3 Cen Aの元素成層構造について」
「低分散分光器GLOWSによるスペクトルのカラー画像」
「光赤外線大学間連携を通じた450日間に亘る近傍IIP型超新星SN 2017eawの追観測」
「Tタウリ型星V523 Oriの分光・測光観測」
など
●申し込み期限
・発表・懇親会の申し込み:2月21日(木)まで
・参加のみの方:2月28日(木)まで
・末尾のフォーマットにて電子メイルでお申し込み下さい。
●お願い
・発表される方は、集録用原稿(PDF等の電子データ、A4数ページ程度)を
デジタルデータで当日ご持参ください。
・口頭発表が多い場合は、ポスターに変更をお願いする場合があります。
・ポスターボードはA0縦サイズまで可能です。
・講演要旨はウェブに掲載する予定です。
・eduroamによる無線LANを利用可能ですので必要な方はアカウントを用意ください。
●問い合わせ先:spken24-oc@quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp
●プログラム・講演要旨:http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/spken/
●過去の発表例については、天体スペクトル研究会のホームページもご覧ください。
http://www.oao.nao.ac.jp/~kambe/spken/
●実行委員会構成
委員長 松本 桂 (大阪教育大学)
委 員 新井 彰 (京都産業大学)
同 泉浦秀行 (国立天文台)
同 加藤賢一 (岡山理科大学)
同 神戸栄治 (国立天文台)
同 野上大作 (京都大学)
同 本田敏志 (兵庫県立大学)
同 山中雅之 (広島大学)
事務局長 西村昌能 (京都教育大学)
事務局 井上和俊 (元大阪府立箕面高校)
顧 問 定金晃三 (大阪教育大学)
●下記のフォーマットにて電子メイルでお申し込み下さい。
2択、3択の場合は不要な項目を消して下さい。
申し込み先アドレス:spken24-oc@quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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第24回天体スペクトル研究会申し込みフォーマット
(1) 氏名(よみがな):
(2) 連絡先
所属:
学生の場合は所属に学年もお願いします。
e-mail:
集録郵送先:〒
(3) 参加日程:両日・1日目のみ・2日目のみ
(4) 懇親会(1日目の夕方):参加する・参加しない
(5) 発表の有無:発表する・発表しない
(6) 発表を希望される方は下記の情報もお願いします。
発表形式:口頭・ポスター
講演タイトル:
講演要旨(100字以内):
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