2005年に西はりま天文台の2mなゆた望遠鏡専用に開発された中・低分散分光器 (MALLS)は、2012年から新しいCCDカメラに交換するとともに、 光学系メンテナンスによって再稼働した。 本講演では、MALLSの性能評価の状況と、最近得られたデータについて紹介する。 また、西はりま天文台を外部の方に利用してもらうために今年度から開始した 共同研究利用制度の紹介も行いたい。
HONIR(おにーる)は、可視・近赤外線2バンド同時撮像が可能な、 かなた望遠鏡用の新装置である。従来の撮像機能に加え、 最大分解能R~750の分光機能を搭載し2013年1月より試験観測を開始した。 その性能評価について紹介する。
大阪教育大学では、2011年に分光器を取り入れ51cm望遠鏡での観測を開始した。 2012年にはようやく低分散での観測が可能になり、 いくつかの新星や金環日食のスペクトルが観測できた。 今回は最近1年での進展を紹介する。
輻射輸送は100年以上の歴史をもつ研究分野だが、 恒星大気の研究が廃れた時期に日本では途切れてしまった。 しかし観測技術の進展に伴い、活動銀河や降着円盤、恒星大気、系外惑星など、 輻射輸送の手法がふたたび必要な時代になってきた。 この2年間の進展や教科書の執筆など紹介する。
高密度星周辺の球対称流において、観測者にとって光学的厚みが1になる面は、 特に相対論的な場合、球面からずれることが指摘されている。 本研究では臨界降着率近傍の球対称降着流に絞って、見かけの光球を計算し、 その観測的特徴を調べた結果を報告する。
相対論的なアウトフローでは、見かけの光球を注意深く考えなければならない。 我々はτ=1の光球からτ*=1となる所まで計算し、 そこで生まれた光子が散乱されてτ=1 の面から出てくるとしてスペクトルを計算した。
LS I+61°303はγ線連星の一つで、電波から TeV γ線に亘る広い範囲で変動する。 我々はこの高エネルギー放射の原因を解明する為に Be discの高分散分光モニター観測を行っている。 本講演ではこれまでの結果を紹介する。
大阪教育大学51cm反射望遠鏡を使用し、 2012年にアウトバーストした5つの新星の多色測光観測を行った。 今回は、新星の光度変化の特徴や距離の推定、 他の新星と比較を行った結果について報告する。
プレオネ円盤歳差運動論 (Hirata 2007) は円盤と伴星の相互作用を仮定しています。 Hα輝線等価幅の年変化再調査から、 連星周期(218日)と同じ周期性が弱いながら見つかりました。 円盤・伴星の相互作用を示すものと思われます。
仙台市天文台ひとみ望遠鏡の分光器の現状と、撮影した分光データを紹介します。
回折格子と高感度ビデオカメラを利用した簡易分光器を作り、 流星などのスペクトル撮影を行った。 また、身近にあるサウンドデバイスを用いて流星発光に伴う電磁波音や VLF放射を観測し、流星音の起源を調べた。
ミラーレス一眼のレンズと受光素子の間に回折格子を置き簡単な分光カメラとした。 高校の地学?授業として生徒全員が恒星を撮影し、 そのデータの解析を実習として行った。興味関心を高める効果がみられた。
私が勤務する洛東高校では、2002年から 京都大学大学院理学研究科附属花山天文台のシーロスタットと高分散分光器で 太陽のスペクトル観測を続けて来ている。 今年度でちょうど太陽の活動周期と同じ11年が経過した。 そこで、太陽の活動にあわせた観測対象の変化などの栄枯盛衰を紹介する。
食連星のロシター効果を使い、 恒星の差動回転の検出に利用することを検討していたが、 日食時にも同様なロシター効果が生じることに気づき、 昨年の食分の大きな日食の際にファイバーフィード HIDES 分光器を使って実証できたので報告する。
我々は2012の金環日食 (5/21,日本) と皆既日食 (11/14,オーストラリア北部) を主にデジタル一眼レフカメラで観測した。 結果、光度曲線やスペクトルなどが得られ、教材としての利用が期待できる。 本講演ではデータの利用などについて紹介する。
定金先生の指揮のもと平成10年春に完成した『宇宙スペクトル博物館』は おかげさまで現在に至るまでたくさんの方に活用していただいている。 今回はその制作奮闘記を紹介する。
新たに46のSi星についてSi量を求めたところ、 鉄より明らかに含有量が多い星は7星しかなく、むしろ少ない星が多かった。 Si星を定義することは妥当なのだろうか?
我々は、系外惑星探査に用いられているKepler 衛星の測光データの解析により、太陽型星におけるスーパーフレア (最大級の太陽フレアの10-104倍、 1033-1036 ergのエネルギーを放出) を多数発見した (Maehara et al., 2012, Nature, 485, 478)。 今回我々は、スーパーフレアを起こした24の太陽型星について、 すばる望遠鏡 HDS で観測を行った。 彩層活動性、自転速度、軌道傾斜角、連星の可能性などの分析結果を報告する。
ケプラー衛星の測光データを使って発見した太陽型のスーパーフレア星について すばるHDSを使って高分散分光観測を行いリチウム組成を調べ、星の有効温度や 自転速度などとの相関を調べたのでその報告をする。
epsilon Aur は27.1年毎に2年にもわたる食がみられる 3等星であるが、主星の正体は長い間謎のままである。 我々は、この星で見られる線輪郭変化のモニタ観測を今回の食の前の 2008年10月から現在に至るまで継続しており、 本講演ではその特徴について報告する。
ぎょしゃ座εの測光的な食は2011年の初夏に第4接触を迎え、 2年にわたるイベントは終わったと世間では思われている。ところが、 2008年秋以降岡山とぐんまで継続している高分散分光観測の最近の結果を見ると、 いくつかの線 (Na I D線とか K I 7699) では2013年に入った現在も食の継続が認められる。 また、現在解釈に苦しんでいる現象についても簡単に触れる。
1984年から1991年にかけて、 木曽観測所でオリオン座のHα輝線天体の観測が行われた。 そのカタログを基に、AKARI や WISE といった赤外線データを使用してスペクトルエネルギー分布図 (SED) を作成した。その分類結果を報告する。
Nova Mon 2012 は 2012年8月9日に香川県の藤川繁久氏によって発見された古典新星である。 この発見の報告を受け、我々は岡山理科大学天文台において同年8月16日から口径 40cm望遠鏡に可視分光器 DSS-7 (R~400) 及び SGS (R~2100)を取り付け、 この新星の分光観測を行った。 本講演ではこの新星のスペクトルの特性ならびに変動などについて報告する。
我々は観測史上唯一と言ってよいヘリウム新星V445 Pupの 爆発期の偏光分光観測および静穏期の測光分光観測を行い、新星の疑似光球や、 親星の連星系周辺の星周物質の非球対称的な分布について考察した。
矮新星ER UMaがネガティブスーパーハンプ(軌道周期より短い周期の光度変動) を示している時期に分光観測を行ったところ、 Hαの視線速度が軌道周期よりも短い周期で変化している可能性があることがわかった。
SN 2012htは、2012年12/18に西山椛島両氏によって18等で発見され、 19日には2等もの増光が確かめられたIa型超新星である。 広大かなた、大教51cm、西はりまなゆたによる即応測光分光観測により 爆発日を推定することができ、標準モデルに非常に良く合うことを見出した。
第18回天体スペクトル研究会のご案内 (第2報 2013年2月15日) 発表申込の締切まで1週間となりましたので、再送いたします。 天体スペクトルを利用して研究されている方、分光器の研究や制作をされている方、 学校などで天体スペクトルを教えている方々を対象に、第18回目の研究会を開催い たします。下記の通り、発表(口頭・ポスター)もしくは参加の申し込みを受け付け ています。みなさまのご参加をお待ちしています。 今回の研究会は、定金晃三・大阪教育大学教授の御定年退職(平成25年3月予定)を 記念する性格を伴っております。また1日目終了後の懇親会は、大阪教育大学天文 系研究室の門下生および本研究会の共催によります、定金教授の慰労会を兼ねて 開催する予定です。あらかじめご了解いただけますようお願い申し上げます。 ●記念講演 1日目の最後のセッションにおいて,定金教授による記念講演を予定しております. ●懇親会の学生参加費 参加者の一般/学生比に例年以上の偏りが生じそうなため、懇親会の学生参加費を 2000円に更改しました。学生の皆さんの更なるご参加をお待ちしています。 ●参加特典 定金教授の定年退職を記念した冊子を、会場にて無料配布します(希望者のみ)。 弟子による定金教授の研究の紹介、業界関係者からの珠玉の寄稿、同僚による 暴露話、門下生からの寄せ書きなどを集めた、やや余興色の濃い冊子です。 実行委員会委員長 松本桂 (大阪教育大学) -- 開催要項 ---------------------------------------------------------- ●日時:2013年3月9日(土)午後1時 〜 3月10日(日)午後1時 (予定) ●会場:京都大学 理学研究科6号館301号室 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm ●懇親会:京大時計台 国際交流ホール ●参加費 研究会:無料 懇親会:8000円(学生2000円) ●宿泊:各自で手配をお願い致します。 ●申し込み期限 発表の申し込み:2月22日(金)まで 参加のみの方:3月1日(金)まで 末尾のフォーマットにて電子メイルでお申し込み下さい。 ●諸注意 ・発表される方は、集録用原稿を当日ご持参下さい(A4版数ページ程度まで)。 ・口頭発表が多い場合は、ポスターに変更をお願いする場合があります。 ・液晶プロジェクタ以外を希望の方はご連絡ください。 ・講演要旨はウェブに掲載する予定です。 ●問い合わせ先(松本):katsura@cc.osaka-kyoiku.ac.jp ●前回の第17回天体スペクトル研究会の発表例 http://www.kcat.zaq.ne.jp/aaagq805/17thspectralmeeting.htm ●実行委員会構成 委員長 松本 桂(大阪教育大学) 副委員長 野上大作(京都大学) 委員 綾仁一哉(美星天文台) 同 新井 彰(西はりま天文台) 同 河北秀世(京都産業大学) 同 鳴沢真也(西はりま天文台) 同 本田敏志(西はりま天文台) 同 山中雅之(京都大学) 事務局長 加藤賢一(岡山理科大、大阪市立科学館) 事務局 井上和俊(元大阪府立箕面高校) 同 片平順一(中之島科研) 同 西村昌能(京都府立洛東高等学校) 顧問 定金晃三(大阪教育大学) ●下記のフォーマットにて電子メイルでお申し込み下さい。 2択,3択の場合は不要な項目を消して下さい。 申し込み先アドレス:spken18@quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp ---------- ここから ---------- 第18回天体スペクトル研究会申し込みフォーマット (1)氏名(よみがな): (2)連絡先 所属: e-mail: 集録郵送先:〒 (3)参加日程:両日・9日のみ・10日のみ (4)懇親会(9日の夕方):参加する・参加しない 学生の場合は所属に学年もお願いします。 (5)発表の有無:発表する・発表しない (6)発表を希望される方は下記の情報もお願いします。 発表形式:口頭・ポスター 講演タイトル: 講演要旨(100字以内): ---------- ここまで ----------