磁場強度が100〜600ガウス、有効温度が8400〜11700Kの化学特異星12星のスペクトル線解析を行った。層構造を見せているのが4、Sr異常が4、SrYZr異常が1、希土類異常が1あった。各星、個性が強く、磁場の効果は不明。
セファイド変光星の軽元素表面組成は進化に伴う外層混合の物理過程を理解する上で貴重な情報をもたらす。韓国普賢山1.8m望遠鏡を用いて高分散分光観測を行い、12個のセファイドのC,N,O,Naの組成を決定 したので報告する。
銀河系中心領域に発見したセファイド変光星の視線速度を、すばる望遠鏡IRCSで得た近赤外線スペクトルを用いて計測した。その速度は、銀河系中心の周囲200pcに存在するNuclear Disk中で回転していることを支持している。
日本の恒星分光学的研究について、岡山天体物理観測所開設からすばる望遠鏡のできるまでと、すばる望遠鏡ができてから現在までの主な研究の歴史を概観します。そして、TMT時代の研究について考えてみたい。
第17回当研究会で発表した、疑似焼きなまし法による成長曲線の大気パラメーターの決定法について、Press et al.(1992)の提案に従って3つの方向で改良を加えた。本発表ではその結果を報告する。
銀河系円盤内縁部に位置するGLIMPSE9星団の2つの赤色超巨星に対して、 すばる望遠鏡IRCSで得たスペクトルを用いた化学組成解析を行っている。 本発表では、金属量の導出手法と初期結果について議論する。
天文月報2006年10月号にて、「コンパクトディスクを使った簡易分光器の製作」を掲載して頂いた後、イベント等で何件か引き合いがあった。その際寄せられた感想等を交え分光器を紹介する。
LLP京都虹光房が開発した、大学や公共天文台などが持つ口径が30cm〜50cmクラスの望遠鏡での観測天文学の実習や研究用を目的とした、低コストかつ十分な性能を持つ低分散分光器について報告する。
LLP京都虹光房では、大学や公共天文台などが持つ口径が30cm〜50cmクラスの望遠鏡での観測天文学の実習や研究用を目的とした、低コストなロングスリットの低分散分光器を開発中である。Lovejoy彗星の観測結果について報告する。
LHIRES LiteとはフランスのShelyak社の小型分光器である。 これは十分高い波長分解能を持つにもかかわらず、単にスペクトルを眼視で眺めるだけ!! という超オーバースペックな機器である。 そこで、本校の望遠鏡に接続するアダプタを自作し、太陽観測に利用してみた。 本研究ではその結果について報告する。
市販の部品と若干の工作により小型太陽観測用分光器を製作した。吸収線の眼視観察ができるほか、スリットスキャン撮像によるHα,Ca,Heなどのヘリオグラム、ドップラーグラムへの応用も行ったので報告する。
デジタル一眼カメラのレンズと受光素子の間に回折格子を入れ、分光観測をする実習を授業に取入れてみたり、部活動では高度による星の色の変化を捉えることも試みた。HR図作成の試みも紹介する。
高校の部活動で,自作分光器による天体観測を行っている。 皆既月食,流星,彗星などの分光観測を行ったので, 作成した分光器および観測の成果について報告する。
私の勤務する洛東高校の自然科学部の活動でJSTの3年間援助で激変星の多波長測光、分光観測を行っている。今年度は西はりま天文台なゆた望遠鏡MALLS分光器で低分散分光と同時に大阪教育大学51cm望遠鏡による測光観測を試みた。生徒実習の様子と激変星の輝線の振る舞いについて報告したい。
岡山188cm望遠鏡を用いて、ドップラー法による中質量巨星周りの巨大惑星の探索を行っている。我々の成果も含めて、中質量巨星における巨大惑星の特徴、特に巨大惑星の存在頻度に関して議論する。
本講演では小中口径望遠鏡による低分散分光観測による新星の初期観測に焦点を当て、 2012年の新星V2676 Ophの爆発初期に検出されたC2とCN分子の観測例を報告する。 そして新星の窒素・炭素の同位体比と、太陽系・銀河系の組成進化の関係について紹介したい。
我々は2012年に、太陽で起こるフレアの10倍から1万倍ものエネルギーを放出する「スーパーフレア」を起こすG型主系列星を多数発見した。現在すばる望遠鏡を使ってこれらの星の分光特性を調べており、その中で2つの太陽によく似た星を発見したので、ここに報告する。
HD347929という距離も素性もほとんど知られていないK2型変光星から2回、巨大なX線フレアを捉えた。本発表ではぐんま天文台による可視光分光で得られた、この天体の特異な性質について報告する。
2013年8月14日に発見された新星(V339 Del)の紫外線高分散分光観測をすばる(HDS)を用いて9月下旬、10月上旬、12月上旬に行った。9月下旬のデータから波長3130〜3131ÅにBeの軽い同位体(7Be、半減期53.2日)による2本の吸収線の存在を確認した。 ノバの爆発時に生成される7Beは、銀河系における7Liの起源に関わる重要な要素と考えられているが、観測的に7Beの生成が確認できたのは今回が始めてのことである。
HESSJ0632+057は正体不明のコンパクト天体とBe星からなるTeVガンマ線連星系である。我々は、コンパクト天体の正体を解明する為に相互作用がBe星星周円盤にもたらす変動を分光モニターしている。
近年、非常に近傍(<20Mpc)でかつ非常に早期(<2,3days)に発見される超新星爆発が増えつつあり、親星や爆発モデル、周辺構造に新たな示唆が与えられつつある。国内連携における最新の研究成果を交えながら、近年のホットトピックスを紹介する。
近年の赤外線分光装置の進歩によって、近赤外線波長域の高分散スペクトルを用いた化学組成解析が可能となってきた。本発表ではSUBARU/IRCSのHバンドスペクトルを用いたメタル標準星の金属量の導出方法について議論する。
京都産業大学と東京大学の共同で開発を進めてきた赤外線高分散分光器「WINERED」は2012年からエンジニアリング観測を実施している。本発表ではWINEREDで得られた0.9-1.35umのスペクトルによる恒星のアバンダンス導出について報告する。