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- 1 特殊相対論と一般相対論
- 2 特殊相対論
- 常用される特殊相対論
- 3 一般相対論
- 太陽系近傍の弱い一般相対論的現象
- 活動する宇宙の背後にある一般相対論
- 宇宙観の大転換をもたらした一般相対論
- 4 相対論を超えて
- 宿題
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- Special and General Relativities
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- 特殊相対論
- 1905年
- 「動いている物体の電気力学」
- 光速度不変の原理&
- 特殊相対性原理
- 運動の理論
- 時間と空間を統一
- エネルギーと物質を統合
- 一般相対論
- 1916年
- 「一般相対性理論の基礎」
- 等価原理&
- 一般相対性原理
- 重力の理論
- 時空とエネルギー・物質を統合
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- Special Relativity
- (Special Theory of Relativity)
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- 光速度不変の原理
- 光の速さ(光速度) c = 2 9979 2458 m/s = 秒速約30万km
- 光は誰からみても光速で進む。どんなスピードで運動をしている観 測者が測っても、光の速さはつねに光速度 cになる。
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- (1)運動系における時間の遅れ
- (2)ローレンツ=フィッツジェラルド短縮
- (3)同時刻の相対性
- (4)エネルギーと質量の等価性
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- (ct)2=(cτ)2+(vt)2
- t=γτ=τ/√(1−v2/c2)
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- 素粒子の運動速度が光速に近くになると、(特殊)相対論的効果が無視できなくなる。
- 「相対論的熱制動放射」
- 「シンクロトロン放射」
- 「コンプトン散乱」
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- 太陽フレア、超新星残骸、パルサー、ブラックホール連星、銀河系中心、電波銀河、クェーサー、ガンマ線バーストなどなど、相対論的高エネルギー粒子からの放射を観測することによって、宇宙の現場で何が起こっているのかを突き止められる。
- 地上の加速器実験でも、大型加速器であるシンクロトロン加速器などでは、加速される粒子の速度は光速に近い。そもそもシンクロトロン加速器は、相対論的な効果を考慮しなければ、加速器自体が設計できないのである。
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- 陽子陽子連鎖反応の場合:反応前は全部で6個の陽子(p)が、2個ずつ融合しつつ、重水素(D)とヘリウム3(3He)を経て、ニュートリノ(ν)や陽電子(e+)や光子(γ)を放出しながら、最終的に1個のヘリウム(He)と2個の陽子に変換する。
- 差し引きすれば、4個の陽子から、1個のヘリウムとニュートリノや陽電子や光子などが生じたことになる。
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- 中心の天体から双方向に吹き出す、細く絞られたプラズマの流れが「宇宙ジェット」
- ジェットの噴出速度はしばしば光速の数割!
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- 特異連星SS433
- ジェットの速度は光速の26%!
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- マイクロクェーサーGRS1915
- ジェット速度は光速の92%!!
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- 電子とその反粒子である陽電子が衝突すると、お互いに対消滅し、エネルギー(γ線光子)に変わる。
- 太陽フレア、星間空間、かにパルサー、はくちょう座X-1、銀河系の中心、そして活動銀河中心核にいたるまで、宇宙のあちこちで検出されている。
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- 物質や光の入れ物である時間と空間を統一し、“時空間”にしてしまった。
- さらに入れ物の中身である物質(質量)と光(エネルギー)も統合してしまった。
- ニュートン力学では、質量保存の法則・運動量保存の法則・エネルギー保存の法則という併せて5本の式で表されていた基本的な保存法則が、エネルギー運動量の保存という、たった一本の方程式にまとめあげられたのである。
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- General Relativity
- (General Theory of Relativity)
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- 等価原理
- 天体の重力によって生じる力と加速によって生じる力は、感覚的にあるいは正確には測定によって区別できないので、それらをまったく同じものだとみなそう。
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- (1)重力場中における時間の遅れ
- (2)重力場近傍での空間の曲がり
- (3)粒子軌道が楕円でなくなること
- (4)光線の軌跡が曲がること
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- ブラックホールから距離rの位置で、自然なシステムは中心に向けて自由落下している系。
- 距離rの位置に静止しているのは、中心から外向きに一所懸命加速している状態と等しい。
- 上向きの仮想的速度をvと置けば、特殊相対論の結果から、座標時間tと固有時間τの比率は、
- t/τ=γ=1/√(1−v2/c2)
- ここで、仮想速度vの評価として、距離rでの脱出速度に等しいとすると、v2=2GM/rより、
- t/τ=γ=1/√(1−2GM/c2r)
- 遅延関数L
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L=τ/t=√(1−2GM/c2r)
- =√(1−rg/r)
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- ごく身近なカーナビにも、特殊および一般相対論が必要。時間の遅れを考慮しないといけない。
- GPS衛星:高度21000kmを高速で周回→特殊相対論的効果で地上の時計より遅く進む+一般相対論的効果で地上の時計より早く進む=わずかに早く進む。
- GPS衛星の時計は1秒につき0.445ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)だけ、すなわち一日につき38マイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)だけ遅く進むように調整してある。
- 約15m以内の精度
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- 一般相対論を検証するために特化した衛星「重力探査衛星B(GP-B;Gravity Probe-B)」2004年4月打ち上げ
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- 「近日点の移動」:一般相対論的効果が働くと、楕円軌道の上で中心の天体にもっとも近い場所−太陽の場合は近日点−の位置は、少しずつずれる。
- 水星の場合:
- 観測:100年につき531秒角
- 不明:100年につき43秒角
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- 「光線の彎曲」:重力場では空間が曲がっているため、光線も曲がる。
- 太陽の縁をかすめる光線は、一般相対論を使って計算すると、最初の方向から角度にして1.75秒角曲がる。
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- 「ブラックホール連星」 :ブラックホールを含む連星系。しばしば、強く光り輝いている!
- はくちょう座X-1
- ブラックホール周辺のガスは円盤状になっていて、数千万度から数十億度もの高温状態=降着円盤
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- 「活動銀河」:中心核などがきわめて活発な活動をしている一群の銀河。
- 太陽の1億倍もの質量をもつ「超巨大(超大質量)ブラックホール」+半径1光年ものサイズの特大の降着円盤。
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- 「重力レンズ」:観測者と光源の間の天体が一種のレンズの役割を果たす。
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- 「重力波」:質量が運動することによって時空間そのものが歪み、さらにその歪みが周りの時空間へ伝わってゆく波。
- 間接検出でノーベル賞
- 直接に検出したらノーベル賞は確実!
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- 統一された時空の織物に、万有引力の法則をも取り込まれたのだ。
- 一般相対論は、曲がった時空の幾何学であり、一般相対論で、ついに時空と物質が統一されたのだ。
- 時空という織物は、物質・エネルギーの入れ物であると同時に、物質・エネルギーの存在によって、時空という織物も歪み変化するのである。
- 一般相対論では、従来は思索の対象でしかなかった宇宙そのものさえ、科学の対象になった。
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- 一般相対論は、物質やエネルギーが存在する曲がった時空の幾何学で、物質やエネルギーに満ちた宇宙そのものを表現できる理論。
- 左辺:【時空の形状】= 右辺:(定数)×
【物質エネルギー分布】
- 物質・エネルギーは時空の曲がりに沿って運動し、時空の曲がり方は物質・エネルギーの分布で決まる。
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- 宇宙全体の物質・エネルギー分布がわかれば、宇宙の時空構造が決まり、宇宙の時空構造が決まれば、それに合わせた物質・エネルギー分布が決まる。
- 1922年:フリードマン解
- 1929年:ハッブル法則
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- 「インフレーション」: 宇宙開闢(かいびゃく)直後の急激な膨張。
- ビッグバン宇宙モデルの「地平線問題」と「平坦性問題」を解決
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- 「ブレーンワールド」: われわれの認識する4次元時空は、より高次の次元の一部であり、高次元空間における4次元時空は3次元空間における2次元の膜のようなものだという考え。
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- 統一場理論
- 特殊相対性理論+量子論=「量子電気力学」
- 電磁力+弱い力=「量子電弱力学」
- 強い力=「量子色力学」
- 量子力学+重力場=量子重力理論?
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- ホームページ(http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue)
- 『100歳になった相対性理論』講談社
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- アインシュタインの式(E=mc2)のいろいろな導出方法を調べ、新しい方法を考案せよ。
- 大型加速器の見学をして、新しい加速器の設計をしてみよ。
- 重水素(陽子+中性子の核)の核融合反応を調べ、重水素で燃えている星の質量や性質を論じよ。
- 反物質の発見の歴史をまとめよ。
- カーナビの精度を実測し、GPS衛星の時計の調整をしなかったらどれだけ精度が悪くなるかを検証せよ。
- 太陽系外で発見されている系外惑星のうち、ホットジュピターのような母星に近い惑星について、相対論的な近星点移動を計算し、観測可能性を論じよ。
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- ブラックホール時空を近似的に表現できる擬ニュートンポテンシャルを用いて、ブラックホール現象の計算をせよ。(擬ニュートンポテンシャルについては、『天文月報』2005年1月号などに掲載予定の記事を参照)
- ブラックホール発見の歴史的経緯を詳細に調査せよ。
- 降着円盤エネルギーを利用した宇宙文明の在り方を検討せよ。
- レーザー干渉型重力波検出器の見学をして、卓上の重力波検出器を設計し、その性能を論ぜよ。
- 相対論や宇宙論の専門家にインタビューして、科学的発見のシナリオをまとめよ。
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