航空宇宙軍史シリーズ
- 谷 甲州『仮装巡洋艦バシリスク』★
有名な<航空宇宙軍史>シリーズの(最初の?)短編集.
食わず嫌いだったというのは去年書いたが,
いまは“残り物に福福福”状態.
航空宇宙軍史シリーズは,ハヤカワ文庫JAで10冊ぐらい出ているようだが,
去年書いたように,一昨年の暮れに『終わりなき索敵』を買って以来,
やっぱ,シリーズの最初から読もうと思って,
あっちで一冊こっちで一冊と集めているものの,なかなか揃わない.
まぁ,それでも半分以上集まったので,とりあえず読み始めた.
うん,これはいい,期待通り,なんていうと,
谷ファンに怒られそう(熱心な谷フリークがいると聞いたことがある).
ほんと,久しぶりにSFマインドしてる作品に出会った感がする.
10年以上前から出版されているから,これも今更か.
ところで,いままで読まなかった理由は,
去年書いたように宇宙戦記物というイメージだったためだが,
意外にも,この宇宙軍という設定が悪くないのがわかった.
たとえば,ガジェットというかアイデア的な側面で言えば,
収録の中編「砲戦距離12000」レーザー砲艦ヴァルキリーの射撃管制方法.
これはなかなかシビレタ.ヴァルキリー自体も,なかなかいい味だ.
登場人物の心理的な面の描写も,宇宙軍という背景で,よく活きている.
このシリーズ,新学期の合間を縫って,しばらく楽しめそうだ.
1998年度のHPより
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