98SS1.TXT 1997 0923, 1004
 
プロジェクトSS433:測光観測
 
福江 純・石川 薫・田鍋和仁
<大阪教育大学 〒582 大阪府柏原市旭ケ丘4-698-1>
ディスカバリーパーク焼津 〒425 静岡県焼津市田尻2968-1>
e-mail:fukue@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
 
 
宇宙ジェットのプロトタイプとして超有名な特異天体SS433は,発見されてから20年近くも経つのに,いまだに多くの謎に包まれている.中心のコンパクト天体は中性子星なのかブラックホールなのか? それを取り巻く降着円盤は分厚いのか薄っぺらいのか? 降着円盤はどうしてコマのように首振り運動をしているのか? 光速の26%もの速度で噴出するプラズマジェットはいかなるメカニズムで加速され収束されているのか? 謎の天体SS433の現況について,観測的な面と理論的な面から,2回にわけて紹介したい.
 
 
1.はじめに
 
 特異天体SS433は,赤経19時9分,赤緯4°53′,わし座の領域に位置する天体で,電波観測によるジェットパターン(歳差のために螺旋状になっている)の解析から,太陽からの距離はほぼ5kpcであることがわかっている.見かけの明るさは約14等級で,6等から8等程度の星間吸収を受けている.
 このSS433は,長年にわたって,可視光はもとより電波,赤外,X線,γ線など多波長で観測がされてきた.そしてシステムに関する基本的な描像(運動学的モデルと呼ばれる)は確立している.しかし,SS433活動の主因である降着円盤の形状や物理的性質,(円盤とジェットの)歳差の原因,そしてジェットの形成機構など,その本質的な部分はまだ十分解明されていない.SS433については,1983年に高岸氏1)が本誌で紹介しているが,その後も,観測と理論の両面から研究が続けられているので,最近の観測やモデルについて,大阪教育大学天文学研究室で行われた研究を中心に紹介したい.今回は,可視光の測光観測の現状を報告し,次回で,トーラスモデルを用いた光度曲線の理論計算について紹介する.
 SS433は銀河系内の天体で比較的明るいため,CCDカメラなどを使えば,都市近郊の小中口径望遠鏡でも十分観測が可能である.また連星のシステムパラメータがはっきりしているので,モデル計算にも不定性が少ない.これからSS433の謎に迫ろうという人の参考になれば幸いである.
 以下,2節でSS433についておさらいし,3節で本学の51cm望遠鏡を用いた測光観測の顛末を,4節でCherepashchuk氏のチームの19年にわたる観測結果を報告する.そして5節で今後の課題を検討したい.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     図1 SS433の全体像
 
2.SS433の実体
 
 特異天体SS433の実体は,コンパクト星(こちらの方が明るいので主星)とおそらくは早期型恒星(伴星)からなる近接連星系である(図1).伴星からコンパクト星に向かって流れ込んだガスは,コンパクト星に対して角運動量を持っているため,コンパクト星の周辺に,回転するガス円盤−いわゆる降着円盤−を形成している.水素輝線の観測から,連星の公転周期は約13.1日であることがわかっている.
 1979年に発見が報告されて以来,SS433がユニークな天体として注目を浴び続けているのは,コンパクト星+降着円盤周辺から,おそらく降着円盤の回転軸に沿って,0.26光速もの速度でプラズマガスの噴流−いわゆる宇宙ジェット−が吹き出ているためだ.しかも謎を深めているのは,このジェットが約162.5日の周期で歳差運動をしていることである.おそらくジェットを形成するのに一役も二役も買っている降着円盤が歳差していて,それに伴いジェットも歳差しているのだろう.
 近年,銀河系内の天体で,亜光速の宇宙ジェット天体が続々と発見されているが,システムパラメータがよくわかっていることや,ジェットの奇妙な振る舞いなど,SS433のユニークさはいまだに群を抜いている.また相対論的なジェットとして,ジェットの速度などの物理パラメータが判明しているために,活動銀河中心核などからの宇宙ジェットのプロトタイプとしても重要な位置を占めているわけだ.なお,SS433という名前は,ステファンソンとサンドゥリークが1977年に出版した輝線星のカタログの433番登録天体であることに由来する(詳しくは,参考文献2)3)4)5)6)参照).
 
3.VRI測光観測
 
 そのユニーク性と観測条件のよさから,世界中でいくつかのグループ7)8)がSS433の(測光)観測を継続しているが,数年前までは写真観測が中心で,CCDによる観測例はあまり多くなかった.また,写真による多色測光はUBVバンドが中心で9),VRIバンドの観測例は少ない10).そこで,CCDによる一様な測光データを蓄積していくため,大阪教育大学柏原キャンパスで1994年3月から稼働し始めた口径51cmの反射望遠鏡+冷却CCDカメラシステムを用いて,SS433のVRI測光観測を行うことにした.
 というのは,まぁ建前で,1995年度の4回生の一人(中島里香)が,前年末に卒論のテーマを決める際,観測を強く所望した.んじゃ,SS433をやってみなさい,ということで,彼女が中心になって周囲を巻き込み,経験のある院生の手も借りて,1995年の春と秋に2回の観測セッションをもつことができたのである(夏のセッションがないのは,7月8月が教員採用試験のためつぶれるから…教員養成系大学の宿命である).このうち春の観測セッションは,X線衛星ASCAチームの呼びかけによる国際共同観測キャンペーンの一環として行われたが,このことも研究室内の機運を大いに盛り上げた.実際の観測やデータの処理・整約などには10数名の学生が参加したが,その間,福江は研究室で酒を呑んでダベっていたというのが,限りなく事実に近い(観測の詳細は,中島他11)とFukue et al.12)を参照して欲しい).というようなわけで,SS433の観測は,結果的にこの年の一大プロジェクトになってしまった.ちなみに公式名は“プロジェクトSS433”だったのだが,学生の間では“プロジェクトR”と呼ばれていた…観測が終わったらいつも,みんなで深夜ラーメンを食いに行っていたため(閑話休題).
 
3.1.観測および整約
 観測は,望遠鏡のカセグレン焦点(F/12)に取り付けられた液体窒素冷却CCDカメラを用いて行われた.CCDの画素数は1152×790(ピクセルサイズ=22.5μm)で,視野は14.8′×10.1′である.観測の波長帯は,JohnsonのVとKron-CousinsのR,Iの3色であり,それぞれに対応する広帯域干渉フィルターを用いている.継続観測は1995年の4月1日から5月17日までの期間のうちの16夜と,9月17日から10月23日までの期間の29夜の,2セッションにわたって実行した.一夜の観測で最低5フレームの撮影を行い,各フレームの標準的な露出時間はVバンドで2分,RIバンドで1分である.図2にSS433を含む観測領域を示す.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     図2 SS433周辺の星野
 
 観測データの整約は,天体画像解析ソフトIRAF(Image Reduction and Analysis Facility)を用いて行なった.ちなみに,観測イメージはCCDを製作したアストロメッド社のフォーマットで出力されるので,それをFITS(Flexible Image Transport System)形式に変換した後,さらにIRAFイメージに変換して一次処理を行う.
 一次処理されたフレーム上で,SS433の相対測光を行った.これは,写野の中に比較星を選び,SS433と比較星のそれぞれの光量を測定して,その比較から相対等級を決定する作業である.1995年春の国際共同観測キャンペーンにおける,可視光測光観測の取りまとめは本学チームが担うことになったので,われわれが共通の比較星となる星をリストアップし,それらの比較星にナンバーをつけて世界各地の共同観測者に通知した.
 上で述べたSS433の測光観測に加えて,比較星のVRI等級を決定する絶対測光も行った.地球上に設置された望遠鏡による観測では,地球大気の吸収の影響は免れない.また大気の透明度は星の高度に依存する.さらに観測に用いたフィルターの波長特性が標準システムからずれている場合は,星の色によって測定等級に差異が生じる.したがって星の実視等級とは標準フィルターシステムを使って,大気外で観測したときの等級として定義される.相対測光で求めた等級から実視等級を求めるためには,これら大気吸収の補正と色指数補正が必要である.
 SS433の実視等級は,この比較星の実視等級と相対測光で求めたSS433の相対等級から定まることになる.
 
3.2.解析と結果
 横軸に時間を,縦軸に天体の明るさをとったグラフを光度曲線という.食連星の光度曲線をとると,その光度は周期的に変化する.主星が伴星に隠されるときに光度曲線は最も暗くなり(主極小),伴星が主星に隠されるときにも光度曲線は暗くなる(副極小).光度曲線からは,極大極小の日時とそのときの等級,変光時間,極小継続時間,第二極小の有無,連星周期などを決めることができる.また,そこから食を起こす2つの星の大きさ,表面輝度,相互距離などや軌道の要素を,計算によって求めることができる.
 秋の観測セッションで得られたSS433の光度曲線を図3に示す.図3の横軸は(JD−2400000日)で,縦軸はSS433の等級である(JDはユリウス通日という,だいぶ昔のどっかから通算して数えてきた日数.ユリウス暦のユリウス/シーザーとは別人).なお,秋の観測セッションにおける平均の等級は,後で述べるフレアの生じた日を除いて,V=13.9,R=11.1,I=10.5だった.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
図3 SS433のVRI光度曲線.横軸は日数,縦軸は等級.
 
 秋の観測セッションに関していえば,(JD−2400000)=49984,49997付近に主極小を認めることができる.また,49989,50004付近には副極小も見られる.副極小が,主極小と主極小とのちょうど真ん中から外れるといわれていたが,今回の観測からもそのことが確認できた.また,50007,50008付近には,フレアと考えられる増光が見られる.その影響で50010付近にあったであろう主極小が見られない.また光度曲線の色による違いはあまりない.連星周期に関しては,従来通り,ほぼ13.1日でよいことが確認された.
 さらに,光度曲線は右上に系統的に傾斜しているが,これは,SS433の明るさの主体である降着円盤の歳差による影響である.そこで,横軸を連星位相とし,右上への系統的な光度変化を補正して重ね合わせたグラフを図4に示す.副極小が,主極小と主極小とのちょうど真ん中から外れているのは,降着円盤(降着トーラス)の形状が軸対称形ではない,ホットスポットが存在している,などの理由が推測される.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
図4 傾斜を補正し,連星周期で割って重ね合わせた光度曲線.横軸は連星位相φ,縦軸は等級.
 
4.ロシアよりデータと共に
 
 さて,話は少し変わって,1997年の夏に京都で開催されたIAU国際天文学連合の第23回総会は,参加者の多くに強い印象を残したことと思う.豪華なフルコースの後にはデザートもあって,参加者の一人のアナトール・チェルパシュチュク(Anatol Cherepashchuk)氏がIAUの直後に大阪教育大学を訪問した.
 このチェルパシュチュク氏,ロシアのMoscow State University附属のSternberg Astronomical Instituteに所属しており(というか台長さん),近接連星系を専門とする観測家(兼,解釈家とは本人の弁)である.そしてまた,長年にわたり,SS433の測光観測も続けている.もともとは,観測データの議論やコロキウムをするために,IAUの後に,理化学研究所と国立天文台を訪問する予定だったのだが,SS433の観測やモデル計算を大阪教育大学でもやっていた関係で,うちにも寄ることになったのである.
 論文では名前は知っていたが,実際に会ってみると,めちゃ元気で陽気なオッサンだった(図5,図6).なお,図6は,横尾武夫氏とロシア式の乾杯をしているところで,決して,抱き合っているわけではない(念のため).IAUやチェルパシュチュク氏について,詳しくは,ホームページ(URL http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue)の1997年版を見て欲しい.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  図5 レクチャー後の一コマ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  図6 歓迎会での一コマ
 
 女の子をまじえて酒を呑んでるときはただのオヤジなのだが,チェルパシュチュク,いやさアナトール,やってることはグレートだった.今回が初来日だったそうだが,IAUへは,19年にわたるSS433観測の集大成をかかえて乗り込んできたのである13).以下でその一部を紹介する.
 
4.1.周期解析
 まず,長年にわたる測光&分光観測の集積から,SS433の変動に潜む3つの周期が,従来より1桁から2桁も高い精度で求まった:
 
公転暦=JD 2450023.62 + 13.08211(8)×φ[日]
歳差暦=JD 2450000 + 162.15日×Φ[日]
章動暦=JD 2450000.94 + 6.2877×E[日]
 
 まず最初の公転暦は,第1項のユリウス通日を時間の原点として(元期),公転運動の暦を表したものである.第2項の数字が公転周期で,記号φは連星の公転位相で,降着円盤(主星)が伴星に隠されて明るさが極小になったとき(主極小)を0とし,公転の1周期を1と定義する.したがって連星が1公転するごとに,公転周期の分だけ公転暦は増えていくことになる.
 つぎの歳差暦は,同じように,降着円盤/ジェットの歳差運動の暦を表したものである.第2項の記号Φは降着円盤の歳差位相で,降着円盤とジェットが手前にもっとも傾いたときを0.5とし,歳差の1周期を1とする.
 最後の章動(nutation)というのは,えっと,つまり,SS433の場合,降着円盤は連星の公転面に対して傾いている(約20°).降着円盤は約162日で歳差しているが,連星の公転周期は約13日なので,1公転の間では円盤の姿勢はあまり変わらない.そうすると(公転面の上下にずれている)降着円盤の外縁に対する伴星の潮汐作用によって,降着円盤を公転面に引きずりおろそうという力が働き,その結果,降着円盤はうなずき運動(nodding motion)を起こす.これが章動である.この力は,(円盤の外縁が上にずれていると部分と下にずれている部分と)伴星が1公転する間に2回働くので,章動は公転周期の半分,約6.3日の周期で起こる(地球潮汐が1日に2回起こるのと同じ).この章動自体は以前から知られていたが,精度が改善された.それから,チェルパシュチュク氏の話で,も一つ印象的だったのは,章動周期は,(降着円盤の)明るさの変動と(ジェットから出ている)水素輝線の変動の両方で検出されているのだが,後者が0.6日ほど遅れている.これは,(最初に章動を起こす)降着円盤の外縁から,(ジェットが放出されている)中心まで,潮汐力の影響が伝わるのに要する時間間隔だと考えられる.
 
4.2.光度曲線
 以上の周期解析の結果を踏まえ,1歳差位相にわたってSS433の明るさをプロットしたのが図7である.公転周期,歳差周期,章動周期のフィルタをかけているので,生のデータよりは化粧されてかなりきれいになっているが,それにしても見事なものである.公転に伴う食(主極小と副極小)と歳差による変動が両方とも明瞭に現れている.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 図7 SS433の1歳差周期にわたるVバンドの光度曲線.横軸は歳差の1周期,縦軸はV等級.
 
 この光度曲線できわめて重要なのは,(公転に伴う)主極小の値の変化である.これが連星の質量比に対する重要な手がかりを与えてくれるのだ.図7の全体で主極小は12回ほどあるが,よくみると,その値が一定ではなく変化している.このことがどうして重要かというと,定性的には以下の理由による.コンパクト星周辺の降着円盤を伴星が隠して主極小が生じる.もしコンパクト星の質量が相対的に小さければ,主星より伴星の方が相対的に大きくなり,主極小のときには伴星が主星をすっぽり隠す皆既食になっているだろう.そしてコンパクト星の質量が十分小さければ,主星(降着円盤)の姿勢に関わらず,つねに皆既食になり,もしそうなら,図7のようなグラフでは,主極小の値がつねに同じで最低の値になるはずだ.しかし実際の図7では,主極小の値が一定ではなく真ん中へん(降着円盤が手前を向いている付近)で明るくなっている(このことは,化粧をする前の生のデータでも同じ).すなわち,降着円盤が手前を向く位相では,主極小のときに(皆既食でなく)部分食になっていて,伴星の縁から降着円盤が顔を覗かせていることを意味している.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 このような事態が起こるためには,伴星の質量に対してコンパクト星の質量がある程度大きくなければならない(コンパクト星の質量が大きければ,その重力圏も大きくなり,したがって降着円盤も大きくなれる).具体的には,伴星とコンパクト星の質量の比(質量比)が1程度であることが要求され,これはコンパクト星がブラックホールであるということを強く示唆するのだ.
 
4.3.周期の安定性
 図8は長期間にわたる公転周期の変動をまとめたものである.30年ぐらい前のデータは写真測光で信頼性が乏しいらしいが,少なくともこの16年ぐらいの長期間にわたっては,公転周期がきわめて安定していることがわかる.SS433から吹き出す宇宙ジェットは,同時にシステムから質量を持ち去っているわけだが,あまりにも大量の質量が放り出されていると,その影響が連星の公転周期に現れる.逆に言えば,公転周期がこれだけ安定しているということは,質量流出への制限を与えることになるのだ.
 ちなみに,図8の一番右の方の白抜きの丸は大阪教育大学のデータだそうだが,前節で述べたわれわれの観測データはたった2点に集約されてしまった(^^;).
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 図8 連星の公転周期の変動.横軸は日数,縦軸は予想値からの相対的ずれ.
 
 比較的安定している章動周期や歳差周期の話など,他にもいろいろあったが,それらについては省略する.
 
5.今後の観測的な課題
 
 (うちも2点だけ貢献した)19年にわたる可視光測光観測によって,SS433の周期などがさらに高い精度で求まり,また連星の質量比はほぼ1程度,言い換えれば,中心天体はブラックホールという線がかなり濃厚になった.しかし,降着円盤や伴星の形状を詳しく知るためには,主極小や副極小の詳細なプロファイルや時間変動の情報が必要であり,今後もCCDなどを用いた測光データの蓄積はまだまだ必要だろう.
 また,もう一つ,とくに可視光の観測で強く望まれるのは,詳細な分光観測である.たとえば,(次回で触れる)SS433の質量関数だが,もう確定したかと思っていたら,実はまだ不定性が残っており,現在得られている質量関数は下限だと考えるのが妥当らしい.
 だいたい,SS433の主星(コンパクト星+降着円盤)の方だけじゃなく,伴星の性質だってよくわかっていない.連続スペクトルの性質などから,おそらく早期型などと言われているが,降着円盤からの強い輻射に晒されて,どーせ変な状態になっているはずだ.伴星起源のスペクトル線もあるのかないのかさえ未確定である.
 X線観測のデータも蓄積されてきて,可視光との整合性も問題になっており,まだまだ目が離せないSS433である.
 最後にプロジェクトSS433参加者をあげておく:中島里香・有本淳一・粟野諭美・石川 薫・奥上将光・加藤太一・河合誠之・阪口敏基・田島由起子・田鍋和仁・津田和美・福江 純・本田敏志・松本 桂・山田泰史・横尾武夫・渡辺洋一
 
         参考文献
 
1) 高岸邦夫,1983,天文月報,76,172
2) Margon B., 1984, AnnRevA&Ap 22, 507
3) Cherepashchuk A.M., 1988, Soviet Sci. Rev. E (Astrophys. Space Phys.) 7, 183
4) Clark D.H. (福江 純訳),1988,SS433伝説−謎の天体を追う天文学者たちの群像−(恒星社)
5) 福江 純,1993,宇宙ジェット(学習研究社)
6) 福江 純,1997,SF天文学入門(下)(裳華房)
7) Cherepashchuk A.M., 1981, MNRAS 194, 761.
8) Kemp J.C. et al., 1986, ApJ 305, 805
9) Zwitter T. et al., 1991, A&A 251, 92
10) Aslanov A.A., 1993, A&A 270, 200.
11) 中島里香他,1996,大阪教育大学紀要 45,115
12) Fukue J. et al., 1997, PASJ 49, 93
13) Goranskij V.P. et al., 1998, Astron.Zh, in press
 
 
SS433 Trek 1: Photometric Observations
 
Jun FUKUE, Kaoru ISHIKAWA, Kazuhito TANABE
Astronomical Institute, Osaka Kyoiku University, Kashiwara, Osaka 582
e-mail:fukue@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
 
Abstract: A unique object SS433, known as a prototype of astrophysical jets, has attracted great attention because of its remarkable peculiarity. There remain various mysterious puzzles concerning SS433: the kine of the compact object (a black hole or a neutron star), the nature of the accretion disk (e.g., fat or slender), the origin of its precession (a master disk or a slaved disk), and the collimation and formation of jets. We present the results of VRI photometric observations of SS433 using a 51-cm reflector with a CCD camera at Osaka Kyoiku University as well as those of 19-year optical monitoring by Cherepashchuk et al. in Sternberg Astronomical Institute.