国際天文学連合(IAU)第23回総会 in 京都



前半:アペリチフ&ヘビーオードブル

8月18日(月) いきなり50cm

いつも通り?昼頃に起きて,会場の国際会館へ向かう. 家からはバス一本で行けるので,1時頃には国際会館に着いた. (バスは一本だが,家からバス停までと,バス停から会場までが, 暑いんだ,これが,京都は.)
着いたらすぐに受付で登録(registration)するが, 事前登録や参加費の払い込みを済ませていたので, 名札(name badge)や鞄などをもらうだけ.一瞬で終了. (ちなみに,今回のIAU総会の参加費は,早期割引で3万円. これを高いとみるか安いとみるかは人によって異なるだろうが, 少なくとも参加費分は楽しまねば!)

さて第一週の今週は,
S183 "Cosmological Parameters and Evolution of the Universe" (宇宙論のシンポジウム)
S184 "The Central Regions of the Galaxy and Galaxies" (銀河の中心の描像に関するシンポジウム)
S185 "New Eyes to See inside the Sun and Stars" (太陽と恒星に関するシンポジウム)
の3本立てだが,どこで,どんな講演が始まっているのだろう…
などど思ってプログラムを眺めていたら, いきなり,卒業生の中村睦くんに出会う. 彼女は望遠鏡メーカーの三鷹光器に就職しているのだが, この会議の出典に口径50cmの反射望遠鏡を持ってきたとのこと. うわぁ,むちゃくちゃ,やりよるわぁ!
早速,国際会館に隣接するイベントホール内の出典ブースに見に行く. 口径50cm,10cm程度の小型望遠鏡のたった5倍やんか,と侮ってはイケナイ. とても人手でかかえられるようなもんじゃない. 据え付けはクレーンを使って大変な作業なんである. ほんま,よう持ってきたわ,こんな代物. 出典ブースでは,(宇宙開発事業団のロケットの模型も面白かったが 1, 2, 3, 4, 5), 本物という点では,50cmの反射望遠鏡はダントツで目立っていた.


50cm Reflection Telescope of Mitaka Koki

うちの学生もそろそろ集まる頃だと思って,いったん受付あたりに戻る. どんな講演発表やポスター発表があるかを調べるために, 受付で渡されたプログラムブック(行事が多いので本になっている)や, 発表の要旨をおさめたアブストラクト集(こちらも分厚い本)を読もうと, 適当なイスを探して座ったら,場所的には, 受付と会場とイベントホールを結ぶ三叉路. 今日が初日ということもあって,通る人がみな,案内を求めてくる. 結局,そこで4時頃まで,informal information をやったけど, 知り合いと挨拶はできるは,いろいろな情報が向こうから寄ってくるは, 交通の要所の重要性を認識できて,なかなか楽しかった.
ちなみに,国際会議では資料を入れたバッグを配るのが普通だが, 今回もらったバッグはなかなか立派で,プログラムなどの資料以外にも, お土産として日本の天文学を紹介するCD-ROMが入っていたり, 電子メールのデータダウン用のフロッピーディスクが入っていたり, 時代を感じさせる内容だった.

パラパラとプログラムを見ていたら,あ,宇宙論のシンポジウムで, 共同研究者のターナーTurnerさんが話すじゃないの. タイトルを見ると知ってる内容みたいだけど,ちょっと覗きに行くか. (知っている話の英語は聞き易い!?)

5時頃にイベントホールに戻って,出典ブースなどを見て回る. 三鷹光器のブースで,中村くんやうちの院生の田鍋くんとだべっていたら, 田鍋くんとぼくに,配布用のテレカとかノック式消しゴムとかくれた. ちょっと嬉しい!
ついでに,イベントホール入り口で売っていた, IAUのロゴ入りTシャツもゲット. 街着にするのはちょっと恥ずかしいが,質はいいので, シャツ代わりにはベリグ.


Event Hall


Terminal Corner

6時からは,最初の行事(Social Event)である歓迎会(Reception)が, 国際会館の宝が池に面した庭ではじまった. いわゆるガーデンパーティというやつだ. 景色も天気もよく,この手の歓迎パーティでは, かなり雰囲気のいい方だったのではなかろうか.
もっとも今日の歓迎会は顔合わせのようなもので, 飲み物や食べ物はほとんどない. ぼくもビールを2缶ほどと, サンドイッチを数切れぐらいしか食べれなかった.


Yumi, Koji, and me
写真撮られてたの気づいてなくって誰もカメラ目線してない.

帰り客で混雑する直前に会場を抜け出して, うちの院生や京大の院生など7人ぐらいで, 会場近くのレストランで少し飲み直し(&食い直し). 三鷹の中村くんが接待してくれた.めちゃ嬉しい!!
大阪に帰る人間も多いので,9時には解散したが, 初日からいきなり飛ばしてしまった.

8月19日(火) お久しぶり,ターナーさん

今日も,まじめに1時頃に会場に着く. とりあえず,Sidereal Times(恒星時タイムズ)をゲット. このSidereal Timesは,総会の会期中,毎日発行される英字新聞で, いろいろな話題や京都の案内やその他,おもしろ情報が満載されている. 大学のゼミに使うのにも,もってこいだろう.
今日は,昨日見なかったポスター会場を丁寧に見て回る. 京大の院生の米原くんのポスターが貼ってあって, 少し話していたら,通りかかる研究者の評判もいい. 銀河の中心核に存在する降着円盤という天体を, 重力場中で光が曲がる現象で生じる重力レンズで観測したら, いったいどう見えるかという内容なのだが, 通りかかった重力レンズ現象の専門家も, "much more realistic"などと言って褒めていた.


Dr. Umemura, Prof. Turner, Dr. Wambsganss, Mr. Yonehara

3時から夕方まで,プリンストン大のターナーTurnerさん, 筑波大の梅村さん,京大の嶺重さん,米原くん,川口くん, そしてたまたま居合わせたポツダム天体物理学研究所の ワンブスガンスWambsganssさんたちと,ラウンジコーナーで, 上の話について,いろいろ議論する. 聴いているだけだが,久しぶりの英語なので,結構,疲れた.

京都の夏は暑い. もーすでにバテ気味で,2日目は,大人しく帰ることにした.
そーだ,IAUの後に来学する予定のチェルパシュチュク氏と コンタクトしないと.

8月20日(水) 総会 with “エンペラー”

今日も暑そう. 連日,頭を久しぶりに使いすぎて,テンションが高くなっていて, 夕べ寝たの4時頃なのに8時前には目が覚めてしまう. (今日,何か起こりそうな期待で, わくわくしたんじゃないか,とも言われた). 今日の午前中はあまり聴きたい講演はなかったが, 家にいても仕方ないので会場に行く. 10時頃には着いてしまった.
さて,今日は天皇ご夫妻の来られる日だ. シンポジウムはすでに始まっているが,IAU総会自体は今日が開会で, 今日の午後は,シンポジウムは全部休みになり, 開会のセレモニーや議事などが執り行われることになっている. そしてそれに併せて,天皇ご夫妻が臨席するのである.
というわけで,今日は,国際会館内外は厳戒態勢である. 会場に入るのにも,今日は,必ず名札がチェックされる. 一応,それなりにまっとうで身元も確かな研究者の集まりだということで, 通常の警備体制よりは警備の人数も少なくゆるやかだという話だったが, ほんとは天文学者の方がアヤシイかもしれないんだぞ.
天気も良かったし,とりあえず,グラサンして名札もせずに会場に向かう. 一体どうなるだろう?  予想では,会場周辺にはSPがごろごろ居るかと思ったが, まだ午前中だったため,警備の人はほとんど居なくて,ちょっと拍子抜け. でも,さすがにメインエントランスの受付は制服の扉になっていて, あわてて名札を付けてしまった(ちょっと気弱).


Main Entrance (yesterday)

何か起こんないかなと,しばらく受付でうろうろしていたが, 女性のSPの人には少し嫌われてしまったみたい. その後も,受付のあたりを通る度に,“何かなかった?”と, 実行委員の東北大の山田くんに聞いていたら,そのうち, 向こうから,“福江さん,まだ何にもないですから”,と言ってきだした. でも,山田くん,どうみても私服SPの貫禄だったよ.

ポスター会場の休憩コーナーで卒業生や知り合いと12時頃まで油を売って, 銀河中心のシンポジウムでNarayanさんの講演を聴いた後, やっぱり暇そうにしていた愛知教育大の沢さんと, 混む前に昼を取ることにした. 国際会館4Fの食堂で天ぷらウドン食べたけど,うーん,イマイチだ.

午後のセレモニーまでにはまだ時間があるので, 電子メールを覗きに,イベントホールへ戻ったら, 三鷹光器の社長さんと中村くんがうろうろしている. 何でも,イベントホールで話しているちょっとの間に, 社長さんが名札を落としたとのこと.やった! “事件”だ. あ,間違いマチガイ,昨日の恩返しの機会だ.
とりあえず,受付に一緒に行くことにするが, イベントホールから国際会館の本館につながる渡り廊下で, (名札がないために)警備の人にしっかり止められる.  …もう,どきどきわくわく…  こうこうこーだと事情を話したが,名札がないと絶対だめだということで, 最初は,会場のまわりをぐるりと回って, 正面玄関から入って受付に回るように言われる. でも,建物の外の暑い中を遠回りするのもいやなので (この段階では,もう,自分が暑い中を歩くのが嫌だとしか考えていない), そこを何とか,と頼んだら,社長さんの名刺をみたり, トランシーバーで受付と連絡を取り合ったあげく, 警備の人が一人ついて中を通って受付まで案内してもらうことが出来た. 幸い,落とした名札は受付に届けられており,事なきを得たようである.

さて,いよいよ,今日のメインイベントの 開会セレモニー(Opening Ceremony). 1時30分にメインホールが開場したが, おそらく天皇ご夫妻が臨席するということもあり, 国際会館の広大なメインホールがかなり一杯になった. いろいろあったのだが,まぁ,何のかんの言っても,こんなもんだ.


Opening Ceremony at Main Hall


Camera!, Camera!!, Camera!!!

2時からは,開会式に先だって,まず琴の演奏があった. 普通だったら琴の演奏なんて聴きに行く人間ではないので, こうやって強制的に聴くのは,それはそれで悪くない.
その後に,いよいよ 天皇ご夫妻(Their Majesties the Emperor and Empress)の入場. 入場は起立して迎えて欲しい旨のアナウンスがあったが, 君が代も日の丸もなかったし(ここらへん,すごく学会らしい), アナウンスの仕方も押しつけがましくなくソフトだったし, (小学校の卒業式とかの君が代斉唱では,いつも黙って座ってる口だが), 学会として迎えた礼はとって,起立ぐらいはいたしましょう. ちなみに,来賓が挨拶する際の(天皇ご夫妻に対する) お辞儀の角度なんかも,人によって違って (O氏は深々,S氏は浅々),面白かった.
いろいろあったわりに,開会セレモニーそのものは, 何事もなく30分ほどで淡々と終わった.そんなもんである.
そうそう,退出時も,起立して拍手で見送るわけだが, 舞台の袖でちょっと立ち止まり,会場を振り返って, さらに盛大な拍手を誘うという,パフォーマンス. 場慣れしているというか,なかなか堂に入っていると思った.

セレモニーの後の休憩時間に,ガーデンパーティの写真を見ていたら, 素晴らしい啓蒙書を多く書いておられるサイエンスライターの野本陽代さんに, “最近は大人になったそうね”,と言われてしまった. もちろん最近のネットワークでの発言を指してのことだが, うーん,嬉しいような,もの悲しいような, 大人ってなんだろうなぁ,と悩んでしまうような, でも,とりあえず,力一杯,真っ赤になってしまった. (でも,実はまだまだ大人じゃなかったりするんだな,これが)

3時からは,総会の議事だが,プログラムを見ると,ほんとに議事だけだし, どうしようかなぁ,覗いてみようかなぁ,と思っているうちに, ついつい,宝が池プリンスホテルのラウンジで,お茶してしまった.

5時からは,開会セレモニーの最後を飾って,京舞が披露された. 疲れてしまって,最初の舞だけ見て,さっさと帰ったのだが, 後で聞けば,最後に舞妓さんとの写真撮影会があったとのこと. しまった!!

でも,帰ったら,食後は爆睡. まぁ,限界だったということにしておこう.

8月21日(木) ダブルサイン

会期全体で2週間という長丁場だし,他にも仕事があるので, 地元だとはいえ,一日置きぐらいに参加するつもりだった. しかし,休もうと思っていた日に予定がどんどん入って, 結局,毎日,参加している.ま,それが当たり前だけど.

今日は,昼飯を食いながら,議論しようということで, 国際会館1Fのグリルで何人かと食事しながら話をしたのだが. スパゲッティ,まずかったぞ(イカのリングが入っていたし). 京都国際会館,設備はともかく,食事はどこもイマイチで, コストパフォーマンスが悪い!

食後は,10分遅れで,銀河中心のシンポジウムの部屋で, ブラックホールの観測に関する Ford の話を聴きに行き, 終わるやいなや,宇宙論のシンポジウムの部屋へ移動して, 大御所 Burbidge や Arp の話をハシゴする. なかなか忙しい.


Dr. J. Burbidge

Dr. H. Arp

ポスター発表は数が多いこともあって, 2週間の開催期間の間に,4回,貼り替えられる. 今日から2巡目に入ったので,新しいポスターを見て回ったのだが…. 銀河形成時の星形成に関するポスターを見ていたら, 傍らから "Are you interested in..." てらなんてら英語が飛んできた. 振り返ると,どうも Chinese か Korean のようだ. げげ,やばい,と思いながら,“うんうん”と返事していると, “説明しましょうか”と英語でくる. もー,覚悟を決めて,10分ばかり英語で説明を受けながら議論した. (英語の)疲れる話を終わって,さてどこの人だろうと名札をみると, <JAPAN>とあるではないか!! オイオイ
“なかなか面白かった,ありがとう”,と日本語で言うと, 相手はビックリ仰天!  向こうは向こうで,てっきりこっちを Chinese あたりと思って, 英語で話しかけたらしい.二人で大笑いした. 国際会議ならではの出来事である.
ちなみに,英語で話しかけてきた相手は,茨城大の学生さんだったのだが, エライと思ったのは,(自分の)ポスターの所にちゃんと陣取っていて, 興味を持っていそうな人間を捕まえは,自分の仕事を説明しようとする, その努力と根性だ.なれないうちは,なかなか難しいことである.

招待講演を聴きにいくためにメインエントランスへ戻ると, 顔見知りの神戸大学の学生さんがいた. 聞けば,会議に参加した外国人を京都観光に連れていく, 京都歩き歩きツァーのガイドをやってきたところだという. 炎天下,参加する本人もガイドも大変だったことだろう. こっちは,バス停から国際会館まで歩くだけでも溶けそうなのに….

6時過ぎからは,メインホールで最初の招待講演が行われる. ハッブル宇宙望遠鏡を運用している, 宇宙望遠鏡研究所の所長 R.E. Williams による "The Hubble Deep Field"だ.


Dr. R.E. Williams

実は,事前の話があって,昨夜出した学生宛のメールをまず引用:

+++引用はじめ+++

福江@急報
今日は、京舞の頭だけ覗いて、早々と帰宅しました。 #長丁場だし
そのとき、野本(陽代)さんとちょっと話してて、 野本さんが岩波新書で出されたハッブル本の話をしてたら、 なんと、共著者のウイリアムズ氏が来ているそうです。 しかも明日(21日)の夜の招待講演でHSTの話をするのは、 そのウイリアムズ氏(宇宙望遠鏡研究所所長)だそうです。 #ぼくも全然、気づいていませんでした。
というわけで、岩波新書の『ハッブル望遠鏡が見た宇宙』を持っている人は、 明日は、ウイリアムズさんと野本さんのダブルサインをゲットする 大チャンスというわけで、アナウンスしました。 +++引用おわり+++

を流したところだった. ぼくも, 野本・ウイリアムズ著 『ハッブル宇宙望遠鏡が見た宇宙』を持って, 講演会に臨んだのは,当然である. で,きっちり,講演会の後に, ダブルサインをもらった次第. 一緒にサインをもらった院生の田鍋くんなんか, このためだけに(はるばる大阪から)浴衣で来ていた.


Mr. Tanabe, Ms Nomoto, Dr. Williams

8月22日(金) 待ち人多し

今日は,急ぎの用事もなく,久しぶりに昼までゆっくり寝ることができた. 会場に2時頃着いたら,チェルパシュチュク氏から夕方会いたい旨, 連絡が入っていた.

3時に阪大の院生と待ち合わせの約束があったので,とりあえず, まず,そっちから議論. 合間には,うちの学生とポスター展示の議論をしたり, アジアゴ天文台の人と議論したり, しまいに誰と何を話していたか混乱してきた.

いよいよ6時.チェルパシュチュクCherepashchuk氏と約束の時間. しかし,お互い,顔を知らない. 仕方ないので,名前を書いた紙をもって, 30分ぐらい前からメインエントランスにいた. (通る人がときどきジロジロ見るので,ちょっと恥ずかしかったけど). 約束の時間に,向こうからそれっぽいのがドカドカと近づいてくる. 見るからに赤ら顔の元気なロシア人だ.こいつだな!
このチェルパシュチュク氏,ロシアの観測家だが, 長年にわたり,SS433と呼ばれる特異天体の測光観測を行っている人だ. もともとは,観測データの議論やコロキウムをするために, IAUの後に,理化学研究所と国立天文台を訪問する予定だったのだが, SS433の観測やモデル計算をうち(大阪教育大学)でもやっていた関係で, うちにも寄ることになったのである. 日本での滞在スケジュールが心配のようで, (ぼくも詳しく知らないのに)いろいろ聞かれて困った. (でも,後日,大学に来たときに聞いたら,日本に来たのは初めてで, また海外へ長期出張も初めてだったそうだ. 不安になるのも,むべなるかなではあった.)


Prof. A. Cherpashchuk and me

6時過ぎから,2つ目の招待講演: B. Warner の "The Cataclysmic Variable Stars" というのがあったが, チェルパシュチュク氏の受け入れ態勢について,いろいろ考えていたら, 講演の方は半分上の空になってしまった.
講演の後,ふたたびチェルパシュチュク氏と会ったので, 京大の院生の松本くんと一緒に観測データをみせてもらう. 19年にわたるグレートなデータだった. SS433の中心天体がブラックホールだということを強く示唆するデータだ. うちのモデル計算とも一致するので嬉しかった.
話し終えたらもう8時ぐらい. 会場周辺にはあまり店もないので,地下鉄で北大路まで出て, 松本くんと一杯やる. “近頃の学生は…”などと愚痴を言い合ったり, ちょーど,中間管理職が赤提灯で一杯やってる感じみたいだった.


箸休め

8月23日(土) オフ

夕べ(というか今朝)も5時過ぎに寝たのに, 8時過ぎには目が覚めてしまう. 完全に体(というか頭)がおかしくなっている. あの,いつもの規則正しい生活−昼まで寝ている−は, どこにいってしまったんだ.

今日は,午前中はまだ講演が残っているが, IAUの方は自主的にオフにして, たまった資料を読んだり,雑用をしたりする. (こんなページの下書きも作ったり??)

夕方,一緒に仕事をしている京大の松本くんと少し議論. その足で,一緒に,四条へ向かう. 卒業生たちと会う約束になっていたのだ.
数年前に研究室を出た学生が,今年の年頭から, アメリカのシアトルに行っているのだが, 夏休みに一時帰国していたので,同窓生で会おう, という話になっていたのである. 最初は7月末にでも,と言っていたのだが, みなそれぞれに忙しくて,なかなか日程の調整がつかず, あすは渡米するという今日になって,なんとか会うことになった. 鴨川のそばにあるビルの7Fのレストランから, 京の西に沈む夕日をみながらの会食となった.
女の子が一人でアメリカに長期の滞在しているので, それなりに大変なこともたくさんあったろうが, 以前と全然同じで元気一杯で, 集まったみんなもホッとした感じだった.

8月24日(日) ほんとにオフ

今日は日曜日,さすがにIAUも会議の方はお休み. 希望者は,行事の一つの奈良一日ツァーに参加しているだろう. しかし,暑い.今日はほんとに暑い. 後で聞いたら,京都の気温は37℃だったという. 奈良ツァーでは何人か倒れているんじゃなかろうか (<まじでシャレにならん).
完全オフのつもりだったが,別の雑用もあったので, 河原町の方に出かけて,ついでに本屋を何軒かまわる. 本屋で新刊のコーナーへ行ったら, アイザック・アシモフのファウンデーションシリーズのクライマックス 『ファウンデーションと地球』が文庫版で出ていた. ずいぶん前にハードカバーで読んだのだが,無条件にゲット. また岩波ジュニア新書で池内 了著『科学の考え方・学び方』 という本も出ていた. いつになったらこんな本が書けるのかなぁ,と少し悔しく溜息をつきながら, とりあえずゲット. やっぱり,一週間か十日に一度くらい, 本屋に行かないと禁断症状が出てしまう.
本屋を出たところで,あまり暑いので,MKを捕まえて帰った. MKといっても星の分類じゃぁない. 京都でMKと言えば,国家権力に対抗して低運賃を死守している, あのMKタクシーである.運転手の応対もすごくいい. とーぜん贔屓にする.
ところで,京都河原町三条のあたりをブラブラ歩いていたら, ほんとに強い日差しの中,歩道でかき氷まで売っている. 今年の夏,一番の日かもしれなかった. 思わず,“XX歳の夏を返せ〜〜!!!”と大声で叫びたくなった. (家の近くまで戻ったときに,小さな声で叫んだけど)

8月25日(月) 中休み

今日もわりと早起きしてしまう (10時を早いというかどうかは見解の相違があるだろうが). 今日も小さい会議はたくさん開かれているのだが, シンポジウムの方は中休みなので,大学へ“出勤” (一応,IAUの期間は出張手続きをしてるんだけどね). しばらく大学に行っていないので,事務仕事も溜まっているし, 郵便物も溜まっているだろう (給料も貯まっていると,なおいいんだが…).
夏休みも最後なので,大学全体としては人気が少ないんだが, 研究室にはそこそこに人がいる. 4時5時に出てくる学生もいたりする(オイオイ).

午後,まだまだ日差しの暑い中,IAUの合間を縫って, 筑波大学の梅村さんが家族と共に,遠路はるばる来学する. 大学が大阪の天王寺にあったときに,遊びに来たことがあるのだが, いまの場所(柏原市)に移転してからは初めてだ (ここらへんの事情は,拙著『SF天文学入門(上)』131頁に詳しい?).


Masayuki, Misato, Rika, Umemura's Family

夕刻から,居合わせた学生も一緒に,10.5人ほどで, 行きつけの居酒屋へ繰り出す. 今年になって2回も自壊してしまった店だし, 明日からはIAUがらみの呑み会 (じゃなくって,接待ですよ接待!>すとーちゃん)が続くので, 今日は,少し大人し目,にしてたよね?


Masayuki, Misato, and me


Ayumi, Misato, Yumi

ま,少なくとも,最終特急よりは前の電車で京都まで帰れました. (大阪で呑んでても,京都に戻った頃は酔いが醒めているので, つい,仕事してしまったりする貧乏根性が,少し悲しいが)

とりあえずは,中休みとしては, なかなかリフレッシュできた一日になったようだ.


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