もちろん素材がよければそれに越したことはないが,
素材“さえ”よければいいというわけではない.
実際,生きた魚を釣ってきて,
コレは極上のタイだ,旨いぞ,と言われても,
よっぽどのマニア(専門家)ならともかく,
ふつうの人には喰えるもんじゃない.
どんなにいい素材でも,人が食せるように加工が必要だ.
このことは当たり前すぎるほど当たり前そうだが, 実は,プロにせよアマチュアにせよ,いわゆる専門家の中には, 素材さえよければ他はどうでもいいと思っている人が少なくない (公やけに口には出さないが). さらに,(素材の加工が大事だと)頭ではわかっていても, 専門家/研究者は具体的に料理できない人が多い.
いい素材を上手に料理しよう
最近のレタッチソフトは機能が向上し, 綺麗な絵が簡単に作れる. もちろん絵や表現は綺麗に越したことはないが, 綺麗ならいいというわけではない. ここにもカンチガイが生まれる. 最新の調理器具を備えたキッチンで料理して, 銀の食器に盛れば,美味しい料理になるというカンチガイだ.
このこともごく当たり前みたいだが, しばしば,技術に走るあまり, 本来の素材の味や料理の方がおろそかになることがあるようだ. 経験の不足はある程度はソフトで補わないといけないが, 最新のソフトに頼りすぎてはいけないだろう. また最新の技術は誰でも使えるわけではない. 誰もが銀の食器を持っているわけではないので, 気をつけないと特権階級だけの料理になってしまうだろう.
素材の持ち味を活かしながら,わかりやすく料理したい
では美味しい料理の条件とは何だろうか?
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