>福江先生 >お久しぶりです。お元気でしょうか? まぁ、ぼちぼちやってます。 今晩も一日早い七夕コンパで、カレー大会です。 >まの@愛媛です。 >私はなんとか、元気にやっています。(^^) ほう;そっちでエエ男はみつかりましたか? #ちいと、小耳にはさんだりして(笑) > >さて、7月8日のサイパーの集まりで先生に >久しぶりにお会いできるので、楽しみにしています。 >それで、以前夏の学校の天社の講演依頼をしたときに >先生がインタビューなら聞いてもいい、とおっしゃっていた >のに甘えて、少しだけお話が聞きたいと思っています。 夏の学校は、せっかくの招待に応えられなくて申し訳ない。 予想通り『宇宙スペクトル博物館:電波編』がすでに押し気味で、 8月は火の車どころか火ダルマ状態になりそうや。 #ぼくの夏休みを返せーーー んじゃ、とりあえず、以下はインタビュー風に答えましょう。 > >大教に一度ゆっくりお話しに行ければいいのですが、 >もう忙しくて、休みが取れません。 >それで、今度のサイパーの集まりのときに >少しお話が出来れば、と思います。 >せっかくの集まりのときに申し訳ありませんが、 >どうかよろしくお願いいたします。 そうやね。 8日は、ぼくも30分ぐらい早めに行くつもりやから、 なんなら、開始前でも聞いてくれたらええわ。 #ゆーとくけど、飲み会に入ったら、まず無理やで > >一応、お聞きしたい内容を事前に送らせていただきます。 >もし、メールでお答えいただけるのなら、 >それでもいいです。 >8日に行ったときにいろいろ話ながらお聞きしようとは思っていますが。 >何かご不明な点がありましたら、是非お教え下さい。 当たり前じゃ、ドアホ!! 具体的な数字とか、その場でわかるはずないわ。 事前に送らいで、どーするんじゃ、ボケぇ!!! > >せっかくのサイパーの集まりで、別の話に少々お時間を >いただくことになってしまいますが、 >どうかお許しください。 ふーん、えらい殊勝な言葉やな。 らしゅうないけど、まあええ。 >なるべく時間はかからないようにいたします。 > >では、どうかよろしくお願いいたします。 > >---------------------------------------------- > >3以外には、できるだけ具体的な数字を出してお答えください。 > りょーかい。
Q1.先生が天文に関する情報発信(教育、普及も含む)に費やす時間についてお教え下さい。 |
Q1(1)啓蒙書(一冊)を執筆されるのにかかる時間 |
そやな、時間は本によっても違うんやけど、
書籍:1日〜2日/週 × 3ヶ月〜6ヶ月
ぐらいかなぁ。
でも、編集者の人が熱心でいろいろコメントをもらうこともあるし、
いろいろな事情で2年ぐらい寝かせるときもあるから、
そういうときは、何度も書き直しをするけどね。 |
Q1(2)雑誌の原稿(一部)を執筆されるのにかかる時間 |
これも原稿の長さによるけど、だいたい、
雑誌:数日〜1週間
ぐらいかな。
とりあえずは、数日かけてラフな下書きをして、
その後は、締めきりまでときどき手直し(推敲)というのが常套パターンや。
締めきりは必ず守ってるで。
雑誌の原稿は、時間が限られているし、
出した後はあまり書き直しはないね。
校正も即返しが多いから忙しいよ。 |
Q1(3)教育用CD−ROM(一作品)を制作または監修されるのにかかる時間 |
あはは、これまたケースバイケースで難しい。 そうやな、具体的には、まのちゃんも知ってるけど、いま、5人で制作している、 マルチメディアソフト『宇宙スペクトル博物館<電波編>宇宙が奏でるハーモニー』 ちゅうのがあって、これの脱稿が8月末だもんで、 6月ぐらいから制作が山にさしかかりつつあるんやけど、 制作:2日〜3日/週 × 6ヶ月〜1年
ぐらいかなぁ。
最初にも書いたけど、8月に入ったら、もっと時間喰うやろう。 監修:メール100通/週 ぐらいは飛び交うな。 |
Q1(4)講演(一つ)にかかる時間 |
これは準備に、ちゅうことやね。
講演自体は、往復の時間+1,2時間やし。
そうやなぁ、新しい講演ネタを準備するのに、数時間で済んだこともあるし、
ゴールデンウイークをぶっつぶしたこともあるから、
講演:数時間〜数週間
ってとこかな。
もっとも、数週間かけて作ったコンテンツは、
さすがに一回こっきりじゃなくて、
その年一年の分は、数回は使い回したけどね。 |
Q1(5)先生が年間で執筆される啓蒙書(書籍)の数 |
ああ、これは数字がはっきり出せるな。この5年間では、
書籍:1/1999年,0/1998年,1/1997年,5/1996年,1/1995年 や。 その年に書いた本ではなくて、その年に出版された本ね。 教科書もちょっと混ざってると思う。 1996年が多いみたいにみえるけど、 たまたま寝かせてたのが出たり、共著があったりの結果や。 1年に5冊も書いた訳じゃないよ、そんなん、無理や。 |
Q1(6)先生が年間で執筆される雑誌原稿の数(雑誌の冊数) |
これもこの5年間だと、
雑誌:11/1999年,5/1998年,6/1997年,14/1996年,17/1995年 ぐらいになるなぁ。 1996年と1997年が多いのは、そのころ月刊誌の連載を持ってたからや。 あれは、結構きつかったけど、2年ぐらい続いて、 ネタ切れになってやっと辞めさせてもらった(^^; |
Q1(7)先生が年間に制作される教育用CD−ROMの数 |
一応、最近5年間に制作・監修したのは、
CD:1/1999年,0/1998年,2/1997年,1/1996年,0/1995年 やな。 でも、誤解のないようにゆうておくけど、 CD−ROMは、もちろん多人数で制作しているから、 上の数字は、あくまでぼくが(その一部に)関わったヤツやで。 |
Q1(8)先生が年間に行われる講演の数 |
うーんと、これもこの5年間では、
講演:5/1999年,8/1998年,3/1997年,1/1996年,4/1995年 ぐらいや。 そんなに多い方じゃないと思うよ、これは。 |
Q1(9)失礼かと思いますができれば、書籍、雑誌、CD−ROMに関して、 どれくらい売れたかお教え下さい。(金額で) |
よう聞いてくれた、なんて言うか、ドアホ!
聞いてどーすんねん。
まぁ、毎年確定申告しとるから、隠す必要もないし、
一応、答えるけど。 まず、書籍はやなぁ、だいたい印税率が決まっていて、 印税=定価(たとえば1500円)×10%×出版部数(1000部から2000部ぐらいか)
や。
どれぐらいになるか、自分で計算してみ。
出版社によっては、印税率が少し低い場合もあるし、
出版部数でなくて、配本部数の場合もあるから、
実際には、もっと減ることもある。
献本(著者割引があるけど自腹よん)も数十冊単位でするしね。 で、つぎが、何やて、雑誌か。 これも長さによるけど、まぁ、 雑誌:1万〜数万 ぐらいかな。 特集記事とかで長いと、一桁上がるけどね。 そいから、CD−ROMか。お笑いや。 うーんとね、日本天文学会で監修作業をした、 『STELLAR-LAB』とか『GALAXIUM』の場合は、 CD:タダ
天文教材委員会の仕事としてやってたからね。
もちろん、これらのソフトで印税は発生しているけど、
それはぜーんぶ学会の会計に入っているはず。 CD:5万ぐらい
もろたかな。
少ないけど、一回分の飲み代ぐらい出たかと思うやろ。 ついでに、講演だと、 講演:数万 ぐらいやね。 これもエライ人や有名な人やと桁が違うけど、ぼくはこんぐらいや。 な、おそらく想像してたより、ぜんぜん儲からへんやろ。 |
Q2.先生が研究に費やされる時間をお教えください。 |
Q2(1)論文を一つ書き上げるのにかかる時間(研究時間を含む) |
そうやなぁ、研究の種類にもよるし、一人か共同研究かにもよるけど、
一応、一つの区切りとして、
研究:3ヶ月(単独研究)〜1年(共同研究)
というのが目安やなぁ。
研究ゆうのもナマモノやから、あんまし時間かけてダラダラやっても中身腐るし、
理論研究は誰でも、だいたい上みたいなもんやなかろうか。 論文:一週間 かな。 ただ、まとまって時間が取れないときは、 ちびちび書くこともあるから、もっと時間かかる。 |
Q2(2)研究会のプロシーディング(集録)を一つ書くのにかかる時間 |
最近の研究会は、事前に原稿を用意していって渡す、
あるいはOHPをそのままコピーする形式も増えているから、
集録:0〜数時間 というとこでしょう。 |
Q2(3)学会(研究会)発表にかかる時間(準備、交通を含む) |
交通っちゅうのは、学会開催地に依存するわな。
せやし、準備でいうと、
学会発表前に論文が仕上がっている場合は図のコピーだけで済むけど、
まだ途中の場合はもう少し手間暇かかるから、
発表:1時間〜数時間
ぐらいです。 |
Q2(4)先生が年間に書かれる論文の数 |
論文ちゅうのは、当然、レフリー付き雑誌やな。
この5年間の掲載数は、
論文:6/1999年,8/1998年,5/1997年,7/1996年,7/1995年
やな。
一年に一つぐらいは単著もあるけど、後は全部、
他大学の研究者や院生や、自分とこの院生・学生とかとの共著や。
もちろん、ファーストオーサーじゃないのも数えてあるよ。
|
Q2(5)先生が年間書かれるプロシーディング(集録)の数 |
研究会の集録は、この5年間だと、
集録:1/1999年,5/1998年,10/1997年,6/1996年,5/1995年
やな。
1997年が多いんは、京都でIAUの総会があったからや。
これも、ぼく自身が発表したヤツだけじゃなくて、
共同研究も含めてや、当然やけど。 |
Q2(6)先生が年間に学会(研究会)で行なわれる研究発表の数 |
この5年間では、春季年会と秋季年会を合わせて、
発表:13/1999年,8/1998年,14/1997年,8/1996年,8/1995年 になるな。 筆頭発表者なのは、春と秋と合わせて2つか、追加の発表をしても3つぐらいで、 後は共同研究者のヤツや。 |
Q3.先生が、研究時間をさいてまでも天文情報を発信する理由は何でしょうか? |
ああ、これなぁ。何でやろうな。
ま、その理由(の一部)は、前に、
『SF天文学入門』(裳華房)のあとがきに書いたから、
まず、それを引用しとこう。
−−−『SF天文学入門(上)』(裳華房)のあとがきより−−− ■ミーム・オブ・アストロノミー−おわりに
本文では紹介できなかったが、ポール・プロイスのSFで『破局のシンメトリー』というやつがある。
−−−『SF天文学入門(下)』(裳華房)のあとがきより−−− ■センス・オブ・ワンダー−おわりに 本文などでも触れたが、1995年の夏に開催された若手天文学者の会合「天文・天体物理若手夏の学校」で講演をした。まず、そのときの内容をまとめた文章から少し引用させてもらいたい。
“■最後に:なぜこんな論文を書くのか?
リチャード・ドーキンスという生物学者(動物行動学者)がいる。“利己的な遺伝子”の提唱者といえば、わかる人はわかるだろうか。彼は、自己複製し進化する生命と同じように、人間の文化も自己複製し(文化を伝える)進化するシステムであることを指摘した。そして生命の自己複製子である遺伝子(ジーン)に対応して、文化の自己複製子にミームという造語を当てた。 +++ うーん、なかなか言葉にしづらいモンがあるけど、 何となくわかってもらえるやろか?
天文教育や普及で、ようある議論にな、
でもな、ぼくはああいうのは昔からシックリきいへんねん。
まあ、すばるとか、たしかに金かかってるから、
表向きそういうのはエエけど。
せやけど、教育・普及なんて、義務でできることちゃうしな、
だいたい、そんなこと声高に言ってるヤツに限って、
そんなことしてへんやろ(笑)。
でもなぁ、5年ほど前は夏の学校に行く余裕もあったんやなぁ。
40ごろにいったん仕事減らした筈なのに、
なんで最近またこんなに忙しいんやろ。
やっぱり、まのちゃんの先輩がアカンのかなぁ? |