仕事土砂降りの皐月だった。
一ヶ月かもう少し遅れた天文学会の教科書の校正、
やや遅れ気味のブラックホール降着円盤の英文教科書の校正、
だいたいスケジュール通りに出てきた一般書の編集&校正が、
合計3つ、ほぼ同時に五月の頭に出てきた。
こんなことははじめてだし、もう笑うしかない状況である。
でも、どれ一つとしておろそかにはできないし、
吉本新喜劇のローテーショントーク並にタイムシェアリング&並列処理したが、
さすがに世間の大型連休というモノはまったく存在しなかったなぁ。
不幸中の幸いだったのは、すべて毛色が違った本だったので、
言葉遣いや言い回しなどで、あまり混乱せずにすんだことだろうか。
でも、最近、事務書類は激増してきているし、
夏までに脱稿する予定の何冊かの本や、
改訂したり書かないといけない論文も何本もたまっている。
文字通り、朝7時から夕5時まで、土日も連休もモニタに向かっているけど、
ぜんぜん、残量が減った気がしないなぁ。
いかんいかん、こんなに仕事したら死んでしまいそうだ。
とくに困るのが、大学からの雑務や事務書類が膨大に増えていることだ。
さまざまな部署から、日々、山ほど書類が送られてくる、
それも、デジタルと紙とで二重に。
必要なものかどうかをチェックするだけでも、無駄に時間がかかるし、
だいたい、不必要な情報の洪水の中で必要な情報を探すのだから、
確実に見落としも出てくる。いや、実際に、見落としが出ている。
しかし、大学から降りてくる、こまごました雑務にかかる時間を合計したら、
まじめにすべてを丁寧にやるとしたら、それらだけで、
確実に週40時間を超えることがあるのは間違いない。
5月下旬に6月末締め切りで送られてきた書類など、
40pにわたってデータを埋める必要があって、
丁寧に書けば、それだけで40時間かかるシロモノだった。
たった一ヶ月の間に一週間分の時間をどうやって捻出したらいいのだろう。
これでは、講義や講義の準備の時間、学生の指導時間はなくなるだろう。
ましてや、研究その他の時間もなくなるだろう。
大学のためにしなければいけないのは重々わかっているが、
授業時間もなくなるほどの書類書きが必要なのは、
本末転倒だし、これはどっか、根本的に間違っていると思う。
また、裁量労働制というやつで、時間外とか土日に仕事をすれば、
適宜、他のところに休みを振り替えてもいいらしいが、
そもそも週7日、毎日9時間仕事をしたら、振り替えられる時間帯が残っていない。
どう考えても物理的に不可能な事態で、もはや異常というしかない。
これでは、まじめな人は死んだり壊れたりするだろうなぁ、やっぱ。
(まだ死んでも壊れてもいないのは、ふまじめなのかなぁ…)
大学が法人化されて会社と同じ成果主義になったのは知っているが、
ふつうの会社なら残業手当や休日手当がつくんじゃないのかなぁ(笑)。
少しは飴玉くれないと暴れちゃうぞ、って感じだ、ほんとに。
まぁ、おおもとは政府が悪いのだから
(法人化が悪いというより、教育や基礎科学にお金をかけない、
亡国の施策が悪い)、大学には最初から怒る気にもならないが、
開き直る気にはなっている、というか、開き直ってしまったかなぁ。
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