筑波大学の梅村雅之さんと京都大学の野村英子さんとで、
3日間にわたり、輻射輸送・輻射流体のサマースクールを実施した。 日本においては(高エネルギー領域の一部を除いて) 輻射輸送の研究・教育がほとんど途絶えた状態だったが、 詳細なスペクトル観測が進むに連れて、 太陽・星/降着円盤/初期宇宙/系外惑星など、 多くの分野で今後は実用的な研究や計算が必要になりつつある。 したがって、日本の天文学の長期的な視点に立って、 輻射輸送の実用的な研究・教育を復活させたい、というのが最終目標である。
いろいろな機が熟した時期ではあった。
最初は今夏に筑波大学で開催しようという相談をしていたが、
震災後の影響でさすがに難しく、一時は今年の開催を断念していた。
しかし、幸い、8月いっぱいにわたって北大で開催された
滞在型研究会「全天体形成」 当初は、2,30人ぐらいは受講して欲しいなぁと思っていたが、 最終的には60人もの参加者となり、今回の滞在型研究会のセクション中でも、 最大の規模になった。会場の収容数と参加者数がほぼ同じだったので、 前日になって、急遽、広い会場へ変更したぐらいである。 いかに、この分野の教育が渇望されていたかがよくわかる数字だ。 …まぁ、夏に北海道という魅力もあったかもしれないが(笑)。 実際、よかったし!
5月末に開催が決まってから、資料や演習問題そしてパワポなどの準備を進め、
ようよう、開催数日前に、だいたいの準備が整った感だ
(パワポは最後の球対称で力尽きたけど、たぶんそこまで進まないだろうと)。 プログラムは、午前が輻射輸送・輻射流体の講義で、 午後が演習や関連の研究発表である。 夜セッションも当然あるだろうが、講義があるので、呑みすぎないようにしないと。 |
|
![]() |
フライト
やっぱりかなりドキドキした。
久しぶりのフライトである。 |
---|---|
![]() |
伊丹空港
そもそもが、今回は出張自体が久しぶりだ。 もちろん震災の影響である。 春の天文学会が中止になって以来、この半年、 研究会などもほとんどなく、出張自体も当然なかった。 通常なら、数回は東京その他へ行っている時期だ。 そんなとこへもって、いきなり、数年ぶりの飛行機である。 これは何かの罰ゲームだろうか。 到着の遅れなどなどで、出発予定も1時間近く遅れて、 空港ロビーですでにいっぱいいっぱいだった。 |
![]() |
竜の巣のなりそこない
もっとも上がってしまえばこっちのもの(笑)。 忘れていたが、早得の予約時に窓際の座席Aを指定していたんだ。 入道雲がどんどん形を変えていくのがわかる。 最初はもっと“竜の巣”っぽかったんだが、だいぶ崩れてしまった。 盆帰りの子供連れが圧倒的に多くて満席だったが、 隣は大学生らしいカップル(ちょっとむかつく)。 |
![]() |
まっしろ。
窓の外は雲海のまっただ中で、真っ白。 おまけに、日の光で画面すごくみにくい。しかも暑い。 しかたないので、ちょうど配り始めた ドリンクのアップルジュースをリクエストしたら、 カップルのお姉さんが中継してくれた。いい人だ(笑)。 飲み終えたカップも笑顔で手渡してくれた。 とてもいい人だ(爆)。 いま山形県上空らしいが、まったくわからん(泣)。 雲の層が上にも下にもあるのがわかる。 |
![]() |
前日打ち合わせ
ようやく札幌についた。京都からだと半日がかりだ。 新千歳も広いので結構くたびれるが、 鉄道に関しては接続がいい方だろう。 夜は、今回のサマースクール世話人の 梅村さん(筑波大)と野村さん(京大)と打ち合わせ。 サマースクールの進め方はもちろん、 現在計画中のテキストなども含め、 結構まじめに打ち合わせを長時間やった (もちろん、ぼくは呑みながらだけど)。 北海道は海の幸が美味しい。 |
![]() |
ホテルクレスト
前日は12時ぐらいに寝たにもかかわらず、 いつもどおり6時に目が覚めた;というか、 いったん目が覚めたけど寝てしまい、 6時半に設定していた目覚ましで起きた(やばいやばい)。
調べみたら、前回北海道に来たのは2006年だから、5年ぶりだ。
前回来たときに気に入ったのが、札幌駅すぐそばのホテルクレスト札幌。
ふだんは朝食なしを選択するが、ここは朝食がデフォルトで、
仕方なしに食べるけど、それがまた滅多矢鱈にいいのだ。 |
![]() |
初日スタート
北大の中で迷ってしまい、たまたま広大の植村さんに出会ったので、
何とか会場の5号館までたどり着けた。 |
![]() |
大講堂
途中で人数を数えてみると、56人ほどで、 申込者はほぼ全員参加みたいだ。 輻射輸送・輻射流体のコミュニティが盛んになるといいが。 初日の講義は野村さんが担当で、 輻射量などに関する基礎的な話をしてもらう。 最初は定義的な話ばかりで、取っつきにくいだろうなぁ。 かといって、なかなか、いい方法が思い浮かばない。 |
![]() |
夜(夕)の部
サマースクールは5時ぐらいに終わって、少し早めだが、
梅村さんや学生と10人ほどで呑み会へ。
なんか、いつもどおり、莫迦な話ばかりしていたが、
群を抜いて面白かったのが、
まさに、その話を、2月に京都産業大学であったスペ研で、していた。
ぴったりのファイルがあった。 |
![]() |
中日
めちゃ眠い。 ともかく、今日の講義はぼくの担当で、 モーメント定式化と平行平板における輻射輸送の予定。 ここらへんまでくると、 太陽のスペクトルや周縁減光など、具体的実例も多く、 少しはわかりやすくなるはずだ。講義次第だけど。 |
![]() |
昼休み
もー、完全にへろへろ。 寝不足な上に、さすがに2コマ喋り続けはしんどかった。 外に食べに行く余力は残らないだろうと、 サンドイッチを買ってきて正解。 昼休みの残りはボーとして過ごしていた。 …(昨日は、ゲームをする余力があったのに) 今回のサマースクールは、午前が講義で、 午後に1コマ程度の演習を入れているが、 ときどき質問があるものの、 演習の間もボーとして過ごしていた。 …(昨日はドラクエ本の記事を書く余力があったのに) それでも合間に、テキストの相談など、 あれこれの用事を片付ける。 さらに3時からは研究発表。 なかなか面白いけど、集中できない(泣)。 |
![]() |
夜(夕)の部
え、10時、あれえっ? 今日も10人ほどで6時ごろから飲み始めたが、 さすがに眠くて疲れて1次会でドロップアウトしたのに、 ホテルに戻ったら10時だった。 サッポロクラシックの飲み放題メニューにしたから、 オーダーは時間制限があったはずなのに、 その後も、しこたま、しょうもない話をしていたみたい。 うーん、いくつか思い出したけど、 ホームページには書けない話ばっかりだ。 ケン×ロウタ=HPに書けない話 |
写真ない |
3日目
さすがに夕べはたっぷりぐっすり眠って、元気回復(笑)。
今日は正味に勉強の日だ。 |
写真ない |
夜(夕)の部
やっぱり10時? 最終日は、相変わらず男ばっかりだったけど、 東工大の中本さんたちと、 大須賀くんオススメの店でサッポロの夜を堪能。 ホテルクレストの真ん前にこんな美味しい穴場があったとは!! でも今日は、(R高橋くんの居た)夕べのようなHPに書けない話題ではなく、 中本さんが写真を並べていたとか、大須賀くんの通帳残高だとか、 富田くんが信じられないほど情報通だとか、 なかなか、ほほえましい話が多かったかな。 うーーんと、もう2人いたけど、もう一度会わないと誰だったか。。。 とにかく、もうメチャクチャにオタッキーな会話で終始した気がする。 |
![]() |
ホテルバイキング
ホテルクレストは朝食バイキングが豪華で、40品目ぐらいはあったかな、 ほんの一部分しか食べられないのが残念だけど。 さすがに4連続で呑んだ朝なので、ジュースやスープが美味しい。 |
![]() |
鉄の塊
さて、ふたたびフライトである。 行きと同じく帰りも満席で、出発が30分ぐらい遅れた。 往路ほどはテンパラなかったのは、ちょっとだけ慣れたの? ゼノンのパラドックスで“飛ぶ矢”というのがあるが、 これ静止画だったら、どうみても浮かべないよ。 |
![]() |
海岸線
行きと同様に帰りも窓際の席を予約していたので、曇りがちだが、 往路よりは景色がよくみえた。 眼下は津軽海峡から青森に入るあたりだろうか。 道路や街など人間の痕跡があるのは、海沿いのほんの一部なのがよくわかる。 |
![]() |
群青
上空は群青、空気が少なくてレイリー散乱が弱い(笑)。 輻射輸送を突き詰めていくと、地球大気の輻射輸送に進むんだろうなぁ、やはり。 なんとか、無事ランディング、するかなぁ。 |