第27回京都賞である。
受賞者の発表があり招待状が届いたのが7月で、
まだまだ先の話だと思っていたら、あっと言う間に当日だった。
京都賞は稲盛財団が出している国際的な賞で、 先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の3つの部門で、 過去にすぐれた業績を上げた人が毎年各部門(たいていは)一人ずつ受賞するものだ。 日本のノーベル賞をめざしていて、賞金もノーベル賞より高い設定だったはずである。 実際、この27年間の受賞者をみると、たしかにノーベル賞クラスで、 しかもノーベル賞が与えられない分野の受賞者も多く、意義があると思う。 たとえば、情報科学者のシャノン、映画監督アンジェイ・ワイダ、 言語学者チョムスキー、気象学者ローレンツ、数学者アンドレ・ヴェイユ、 映画監督黒澤明、情報科学者クヌース、進化生物学者メイナード=スミス、 デザイナー三宅一生、医学者山中伸弥などなど、 ぼくでも名前ぐらい知っている著名人が受けている。 (ちなみに、ノーベル賞には数学や芸術部門はない) 3部門のうち、基礎科学部門はさらに、 生物科学、数理科学、地球科学・宇宙科学、生命科学の4分野にわかれていて、 毎年各分野で受賞者を決めることになっている。 そして、今年度は地球科学・宇宙科学の分野が授賞対象分野なわけだ。 天文の分野としては、原則的に、8年に一人の受賞者が出ることになり、 第3回(1987年)銀河物理学のヤン・ヘンドリック・オールト、 第11回(1995年)星の進化および太陽系形成の林忠四郎、 第19回(2003年)太陽風と宇宙電磁場の権威ユージン・ニューマン・パーカーが 受賞した。 そして今年はなんと、降着円盤理論の提唱者でもある、 ラシッド・アリエヴィッチ・スニアエフが受賞したのだ (他の受賞者は、先端技術部門でアロイ工学のジョン・ワーナー・カーン、 思想・芸術部門が坂東玉三郎)。 贈賞理由は、 宇宙背景放射ゆらぎ理論と高エネルギー天文学への貢献 というものである。 授賞イベントは3日間にわたり開催され、 初日は授賞式と晩餐会、2日目は受賞者の記念講演会、そして3日目は 各部門に分かれてのワークショップとなっている。 今年は天文関係者の授賞ということで、授賞式の日から参加することになった。 8年前のパーカーのときには、昼間に大学で外せない用事があって、 タクシーで晩餐会だけに駆けつけて、 京大の柴田さんに「なんや、飯だけ食いにきたんか」 と身も蓋もなく言われてしまったが、今年はちゃんと授賞式から出席した(笑)。 また前回の経験から、末席の方で雛壇がめちゃ遠いのもわかっていたので、 今回は300mm望遠を持参するという準備万端状態である。 |
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直通道
まず驚いたのが、地下鉄の駅から国際会館間際まで、 直通の地下道ができていたことだ。 以前は吹きっさらしの道路を歩いた覚えがあるので、 これは便利になったと思った。 これは地下道から地上に上がったところで、 川を渡れば国際会館である。 そうか、川があるから、完全に直通はできなかったのか。 |
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久しぶりの国際会館
前回はいつだったか忘れたが、久しぶりの国際会館である。 |
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日本庭園
国際会館の庭もずいぶんと綺麗になった感じがする。 開会の1時間ぐらい前に着いたので、まだ人は少ない。 |
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望遠の威力1
通常のデジカメで撮影した上の写真で、 中央右にある生け垣(ほとんどわからない)が、 100mmの望遠でこれぐらい。 |
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望遠の威力2
さらに300mmの望遠だとここまで拡大できる。 人物もくっきりと写っているし、 望遠レンズって、使い方によっては、 結構ヤバイのがよくわかる。 |
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キングジョーの舞台
庭側から国際会館を眺めたところ。 『ウルトラセブン』の第14話・第15話「ウルトラ警備隊西へ(前後編)」で、 キングジョーとウルトラセブンが闘った舞台なんだな、ここが。 1968年だから、ぼくが小六のときだが、 リアルタイムで見ていたなんて人、少ないだろうなぁ(笑)。 |
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宝ヶ池
庭園の外れは宝ヶ池の借景に繋がっている。 ここまで来たのは始めてかも知れない。 |
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大会議場
開会直前の授賞式会場。 もちろん、後方の末席で、舞台まではメチャ遠い。 全体では1000人以上のオーダーかなぁ。 もちろん各界のお偉方が多いわけだが、 天文関係者が予想外に少ないのは、ちょっと残念だった。 3時の開会直後は、 京都市交響楽団による序奏があって、 つづいて奉祝能があった。能なんてみるの滅多にないことだ。 ちょっと遠慮して写真は撮っていないけど。 |
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ラシッド・スニアエフ
舞台左側の受賞者席に座っているスニアエフ。 写真撮影はあまりよろしくないけど、 ストロボはたかずに遠慮しながら撮影。 でも光ってましたよ>Y浅さん(笑) |
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メダル授与式
スニアエフの受賞理由は、専門的には、 |
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受賞者挨拶
メダルの授与式が3時45分ぐらいだったので、後、
1時間も何があるんだろうと思ったらば。
贈賞理由の説明と受賞者のスピーチに、
そこそこ時間を割いてあった。 |
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受賞者挨拶
しかし、ぼくが(板東)玉三郎にまったく関心がない以上に、
会場の大多数は、カーンもスニアエフもまったくわからんかったろうなぁ。
カーンの方はまだ身の回りの材料の話というのはわかったろうけど、
スニアエフの挨拶の宇宙背景放射のゆらぎに至っては、
話しについて行けたのは10人ぐらいだろう。 |
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受賞讃歌
京都聖母学院小学校合唱団による讃歌である。
子どもを使う演出は多少アコギではあるけど、
スピーチが続いて疲れたところでもあり、
非常に気持ちがよかった。 |
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アペリティフ
道路を隔てたプリンスホテルに場所を移し、お楽しみ(笑)の晩餐会だ。 いやぁ、最近はタダメシ・タダザケって、めったにないので、嬉しい。 まずは食前酒で軽くノドを潤す。 |
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撮りっこ
ちょうど近畿大学の湯浅さんと出くわしたので、お互いに撮りっこした。 でも、湯浅さん、ピント甘いですよ。 天文関係者やっぱり少ないなぁ。 京都賞の審査委員で参加していた人 (佐藤文隆さん、小山勝二さん、佐藤勝彦さん、佐々木節さん)以外だと、 ここまでに、湯浅さん、京大の嶺重慎さん、田中貴浩さん、 JAXAの井上一さんぐらいしか気づかなかった。 |
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晩餐会会場
まだ開宴前で、空席も目立つ。 結婚式などと同じで、席はちゃんと決まっている。 晩餐会でももちろん末席なので雛壇は遠い(笑)。 テーブルの数と各テーブルの人数から、 やはり全体で1000人ぐらいの規模である。 |
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手打ちの儀
稲盛理事長の挨拶と井村会長の乾杯に続いて、 祇園芸妓による手打ちの儀があった。 なかなかこんなのも目にする機会はない。 |
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メニュー
写した当人も、よくわからん(笑)。 でも、シャンパンは美味しくて、 (結婚式とかだとあまりお代わりはできないが)、 何杯もお代わりした(嬉)。 |
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メイン
メインの魚料理の方。これは美味だった。 メインの肉料理は泣く泣くパス。 隣席の72歳のお姉さん、美味しそうに食べてたけど。 |
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盗撮?(笑)
雛壇に座っている間は、遠さよりも、人の頭に隠れて、写せなかった。 宴もたけなわになったころに、あちこちのテーブルを回り始めたので、 ようやくショットできた。 話しているのは田中靖郎さんかなぁ。 |
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日本舞踊
宴の締めは、祇園芸妓による日本舞踊“蓬莱”だった。 あまりよくわからんが、珍しいものをみることができた。 |
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晩餐会だけ参加!
“飯だけ食いにきた”京大の柴田さん。 8年前は末席で一緒だったけど、 今回は審査委員におなりになられて上席でした(笑)。 |
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閉宴
ちょうど2時間ほどで晩餐会は終了した。 スニアエフら、受賞者が退出するところ。 |
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ラッキー^3
標準降着円盤モデルを構築した一人、
シャクラ=スニアエフのシャクラである。
今回の京都賞に来日するのは知っていて、
土曜のワークショップで会えればいいなあと思っていた。
晩餐会の後で少し会場をうろついていたら、
どうもシャクラっぽいロシア人がいたので、
“エクスキューズミー、もしかしてシャクラ教授じゃないですか”、
というようなことを言ったら、イエスというので、やったぁ状態。 |
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アフタディナー
晩餐会の後は、10時まで、アフタディナーということで、 音楽やダンスを楽しむ趣向である。 ちょっと一杯呑みながら、30分ほど覗いてから、会場を後にした。 |