私たちが日常的に光と言ったとき,
たいていの場合は,目に見える光,
すなわち可視光 (visual light, optical light)を指しています.
場合によっては,
紫外線や赤外線など目に見えない光も含めて,
広義に光ということもあります.
![]() 可視光は電磁波の一種で, 波長がだいたい380nmから770nmの領域の電磁波です.
![]() 太陽が放射する電磁波のうちでは可視光の成分がもっとも強く, さらに地球の大気は可視光に対して透明なために, おそらく地球上の生物は可視光の領域の電磁波を感じるように進化したのでしょう. |
大気の窓(Atmospheric Window)
電磁波は,波長の長いものから,
電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・ガンマ線と大まかに分類されています.
天体からやってくる電磁波の大部分は,
地球の大気を通りぬける間に吸収されてしまい,
地上の届くのはごく限られた波長域のものだけになります.
地上から宇宙を観測できる電磁波の領域を
大気の窓 (atmospheric window)と呼びます.
長波長の電波は電離層によって宇宙空間に反射されてしまいます. 約1mmから10mの波長の電波は, あまり吸収されずに大気を通過します. 1μmから約1mmまでの近赤外線からミリ波領域は, 大気上層の水蒸気や二酸化炭素分子によって,かなり吸収されます. 300nmから1000nmの可視光に対しては,大気はほぼ透明です. 紫外線はオゾンなど大気中の分子に吸収されます. X線は大気中の原子に,ガンマ線は大気中の分子の原子核に吸収されます. 結局のところ,<大気の窓>としては,比較的広い窓として, 波長1mmから30m付近に開いた電波の窓と, 300nmから1000nm付近に開いた光の窓があることがわかります.
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