カリストエクスプレス
−美しき等時曲線−

◆◆◆谷 甲州<航空宇宙軍史>シリーズ◆◆◆
『仮装巡洋艦バシリスク』
『星の墓標』
『カリスト−開戦前夜−』
『火星鉄道一九』
『エリヌス−戒厳令−』
『タナトス戦闘団』
『巡洋艦サラマンダー』
『最後の戦闘航海』
『終わりなき索敵(上下)』


襲撃艦ヴァルキリー

地球からの独立を求めて反旗を翻した外惑星連合
対するは太陽系内で圧倒的な戦力を有する航空宇宙軍
21世紀末の外惑星動乱とその後の人類史を描いた
<航空宇宙軍史>

外惑星から地球宙域へ重水素を輸送する無人タンカー群
小惑星帯あたりを近日点とする土星系のレア急行
地球軌道までの木星系のガニメデ急行
そして水星軌道まで落下する木星系のカリスト急行


カリストエクスプレス

「地球宙域の主な重水素の供給源は,外惑星だった. 具体的には木星のカリストとガニメデ,それに土星系のレアになる. その中でも最大の供給源はカリストから送られてくる無人のタンカー群で, 全長が10億キロにもおよぶ軌道上に並んでいた. 最初はその軌道の俗称だった“カリスト急行(エクスプレス)”も, 今ではその軌道に乗せて送られてくるタンカーを意味するようになり, そしてカリストからの重水素の供給自体をさすようになっていた.」 (『火星鉄道一九』より引用)

カリストエクスプレスと等時曲線の不思議


■等時曲線■

粒子の軌道と等時曲線

■爆散球■

自由空間(g=0):爆散円
 破片の爆散速度v
 爆散円の半径 r=vt
 等時曲線は球状

地上(g=一定):花火
 火花の飛散速度v
 花火の半径  r=vt
 等時曲線は球状

天体(g=−GM/r2):軌道上での爆散球
 破片の爆散速度v=0.1,0.5
 爆散球は潮汐力で変形する
 等時曲線は楕円体状

■ホイル=リットルトン降着■

質点のまわりの重力ラザフォード散乱
 相対速度v=−0.3
 衝突パラメータb

 粒子の軌道例  b=100b=50b=10

■スプリンクラー■

 ノズルの回転角速度ω
 水流の速度v
 水滴の距離r=−(v/ω)θ

■宇宙ジェットSS433■

歳差ジェットのコルク抜きパターン

 ジェットの速度v=0.26c
 視線傾斜角i=79.8°
 歳差角ψ=19.8°

■コメット■

シンクロナス カーブ

■カリストエクスプレス■

 木星系から水星軌道の内側へ至るタンカー群

 木星の軌道半径=5.2026AU
 水星の軌道半径=0.3871AU
 カリストエクスプレスの近日点距離=0.38AU
 カリストエクスプレスの離心率 ε=0.86
 遠地点での回転速度=ケプラー速度×(1−ε)1/2


各タンカー群の軌道

 記号表
 楕円軌道の式
 関係式の導出
 運動方程式

カリストエクスプレスの等時曲線は逆S字カーブ

ニュートニアン

ニュートニアン(つづき)

時間が経つと多重周期の花弁状軌道になる

ブラックホール(重力が強い)

相対論的な場合も,近日点までの軌道はほぼ同じ

■差動回転の巻き付き■

太陽磁場
 自転角速度Ω=赤道自転角速度Ω0×sin θ

1周
2周
3周
50周

銀河渦状腕
 回転角速度Ω=ケプラー的

0.01
0.10
1.00
10.0


▼カリストエクスプレスの軌道長さ▼

 関係式の導出1
 関係式の導出2


数値積分の結果

カリストエクスプレスでは ε=0.86 なので,
全長=1.3076rJ=6.803AU=10.2億キロ!


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